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樹木医師が教える、薬用としての役割を持つ樹木

【コノテガシワ】

ヒノキ科の常緑小高木

 種子を柏子と呼び薬用とする。(成熟した球果から種仁をとって乾燥したもの)

中国最古の薬物書「神農本草書」には、これを常食すれば仙人になれると記載されている。

『効果』

漢方では心を養う。心腎の動悸の要薬とされる・滋養強壮・鎮静

 

【ボタン】

うまのあしがた科の落葉低木 古来花木の王と称される。

日本へは平安時代に中国から渡来し、薬用として栽培されるようになりました。

根皮、種子を薬用とする。根皮の部分が生薬名「牡丹皮」として用いられる。水洗いした根を芯抜きを行って調製する。

『効果』

漢方処方として、温経湯・加味逍遙散・牛車腎気丸・大黄牡丹皮湯など14処方である・鎮静・鎮静・通経・排膿

 

ナンテン

めぎ科の常緑低木

果実・枝葉・根皮・材は薬用となる。

果実には、鎮咳作用がある。「南天実」はよく知られています。「南天実」は百日咳やぜんそくなどの咳止めに効果があり、視力回復にも良く効くとされいます。

葉は「南天竹葉」といい、解毒薬として用いられます。魚を食べ中毒をおこした際に、葉をよく噛んで飲み込むと効果的といわれています。殺菌作用があり、赤飯の上に葉を置く習慣はそのためです。ハチに刺され時に葉をよくもんで、出た汁が痛み止めの効果があり、葉を噛むと乗り物酔いしないとされる。

『効果』

滋養強壮・咳・ぜんそく・たん・百日咳・黄疸・頭痛・リューマチ・虫刺さ鎮静薬・殺菌・防腐効果

 

【天台烏薬(てんだいうやく)】

くすのき科の落葉低木

秦の始皇帝が不老長寿の薬を東洋に求めたという話があるが、それはこの樹であると伝説される。中国産の薬木であるが紀州辺には逸出した自生状のものがある。

天台烏薬が日本に渡来したのは江戸時代といわれます。(烏薬)は黒色の果実が烏のように、黒いので烏薬とされたといわれます。

『効果』

建胃整腸作用・鎮痛作用・冷えによる腹痛・腸管蠕動運動促進

 

【ニワウメ】

いばら科の落葉低木

7~8月頃に熟した果実は生食、薬酒として飲用する。種子を「邦李仁(いくりこん)」と呼び薬用とする。根、根皮を水洗いして日干して乾燥させたもの。

中国北部の原産。江戸時代に日本に渡来し、花が美しく観賞用と庭にも植えられている。

『効果』

血圧降下・不眠症利尿・便秘・下痢・歯痛・歯茎の腫れ

 

【カリン】

いばら科の落葉高木

果実は10月成熟し、芳香が強く、果肉は酸味があり、生食できない。輪切りにしてセキの薬とする。中国原産のカリン中国では咳止めや利尿などの薬用に利用。日本では、かりん酒を作り咳止め、疲労回復などに利用。

『効果』

咳止め・疲労回復など利尿作用・鎮咳・鎮痛

 

【カラタチ】

みかん科の落葉高木

果実は10月頃に成熟する。芳香があるが生食できない。種実は薬用とする。果実を二つに輪切りし完全に乾燥させる。乾燥させたものが『枳殻(きこく)』と称する。

『効果』

利尿・健胃痰・咳止め・芳香性健胃薬

 

【きはだ】

みかん科の落葉高木

果実は10月頃に成熟する。芳香がある。甘味のあるものは生食して。苦味のあるものは薬用とする。内皮を乾燥させたものが生薬「黄柏(オウバク)」。内皮をとり、他の成分と混合して薬を生成したのが、「ダラニスケ」である。

奈良県の「陀羅尼助丸(ダラニスケガン)」、鳥取県の「煉熊丸(ネリグマガン )」が有名。

川柳で「だら助(陀羅尼助)は腹よりはまず顔に効き」と言わるように、苦味の強い薬で、奈良県吉野の大峰山の山伏が常備した薬として知られています。

1300年昔、大峰山修行していた「役行者(えんのぎょうじゃ)」 が、疫病の流行に困っていた民衆を救うために、山中にある(きはだ)の皮を煎じて飲ませたのが起源とされています。

『効果』

胃炎・健胃・二日酔いに効果がある漢方薬に配合・健胃整腸剤・下痢止め・健胃

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【いぬざんしょう】 

みかん科の落葉低木

果実は10月頃に成熟する。葉と果実を内服して鎮咳効果がある。

果皮は打撲や捻挫に外用薬として用いられる。葉は鎮痛作用があり、乾燥粉末にして、小麦粉、酢を混ぜ合わせて幹部に貼る。むち打ち症、打撲傷、捻挫に効く。

 『効果』

鎮痛・整腸作用・消化不良・駆虫作用・食欲促進・冷え性改善・肝臓病・湿布薬・打撲・打ち身・むち打ち症・咳止め

 

【ゴシュユ】

みかん科の落葉小低木

果実は10月頃に成熟する。種実を陰干し、したものが「呉茱萸(ゴシュユ)」で薬用、健胃剤とする。著名な薬木である。種実、枝葉をとり、乾燥させて入浴剤にもなる。

果実は体を温め胃の働きを良くする作用がある。根には、駆虫作用があり、回虫、ぎょう虫の駆除に用いられる。葉は鎮痛作用があります。

『効果』

健胃・利尿・頭痛・腹痛・口内炎・湿疹

 

【ニワウルシ】

にがき科の落葉高木

根皮、樹皮を「樗白皮(ちょはくひ)」という漢方薬

『効果』

解熱・駆虫

 

【にがき】

にがき科の落葉高木

皮部は薬用とする。この皮の煎汁は駆虫剤とし、おもに(毛じらみ)の駆除に効果がある。昔、効果を知るものが、よく剥皮したものである。(太田胃散)にも成分が含まれる。

『効果』

寄生虫皮膚病・殺虫剤・健胃剤

 

【さねかずら(びなんかずら)】

もくれんん科の常緑藤本

樹皮に含まれる粘液を昔、頭髪用とする。皮をはぎ乾燥させて使用。

昔武士は、整髪用に用いたもので、「美男葛(びなんかずら)」=「美男」になると呼ばれて言いました。

種子に褐色の種皮があり、五つの味をそなえていて、睡眠薬に利用している。

 『効果』

咳止め・滋養強壮・切り傷に塗る・中枢神経系の興奮作用・去痰・利尿・消炎・胃液分泌制御・利胆・血圧降下作用

 

【しきみ】

もくれんん科の常緑小低木

種子は光沢があり、帯黄褐色で、味は甘く、薬用とするが猛毒あり、多量に食すると、一命にかかわる。

成分の(アニサチン)(シキミン)(イリシン)有毒で、誤食すると嘔吐、下痢、呼吸障害、循環器障害などの中毒症状を起こし、血圧上昇、昏睡状態を経て死に至ることもある。

『効果』

家畜の皮膚寄生虫駆除

 

【さいかち】

マメ科の落葉高木

この種実には、「サポニン」を含み熱湯で煮出した液は、石鹸の代用になりる。

棘を煎じて飲むとリューマチに良いと古くから伝えられています。

『効果』

去痰

 

【くすのき】

くすのき科の常緑高木

根皮と葉は、薬用。材片と葉から「樟脳油」を取る。

「樟脳油」は、防腐剤、医薬品として強心剤に用いられます。

 『効果』

防腐・防虫・強心・血液促進・鎮痛・消炎

 

【やぶにっけい】

くすのき科の常緑高木

種子から取れる脂肪油はカカオ脂と近いことから、昔、チョコレートの原料にされたこともある。

 

『効果』

リューマチ痛・痔出血・打撲

【せんだん】

 せんだん科の落葉高木

種実と根皮は薬用とする。秋に熟した、果実を採取して、天日で乾燥させて生薬する。

『効果』 

整腸・腹痛・あかぎれ・ひび

 

【ちょうじゃのき】

 かえで科の落葉高木

一名を「メグスリノキ」いう。こう樹皮を採り、煎汁を作り洗眼料として用いるために付けられた名称。

5~6月頃に開花した、葉と小枝を採取して、刻んで日干し乾燥させて用いる。

 『効果』

目薬

 

【むくろじ】

むくろじ科の落葉高木

昔は現在のような化学製品の石鹸はなく、この果汁で煎汁を作り、衣類を洗う。絹布のような軟質のものを洗うには、これが極めて適当。

 『効果』

気管支炎・去痰

 

【ナツメ】

クロウメモドキ科の落葉小高木

果実は9~11月頃に成熟する。核果で、光沢があり、生食、砂糖漬けする。また薬用とする。

これを日干し、乾燥させて生薬とする。

『効果』

暖和・強壮・利尿・鎮静

 

【またたび】

またたび科の落葉藤本

猫はこの植物の全部殊に果実を好む。

虫の喰入ったものは、熱湯で虫を殺し、天日干し、乾燥させて、粉末にして薬用する。

猫の病気には、この粉末を餌に混ぜて与えると良いとされる。

『効果』

血行促進・強心剤・利尿・冷え性・神経痛・リューマチ・腰痛

 

サンシュユ

みずき科の落葉高木

果実は5月頃に成熟する。

酸渋の味だが果汁は多く生食できる。乾燥させて果実は薬用として強壮薬に使用する。

『効果』

頻尿・寝汗・腰の痛み・疲労

 

【いぼたのき】

もくせい科の落葉/半落葉高木

枝葉に蠟虫(イボタカイガラムシ)がつき白蠟を生ず、これを「イボタ蠟」と称し、工業用、医療用にする。採取してた蠟を沸騰した湯の中に入れて溶かして、冷やして固めて薬用とする。

『効果』

止血・イボ取

【くこ】

 なす科の常緑低木

根を地骨皮、花を長正薬、実を木蜜と呼び食用とする。薬用、酒用、そのたに利用する。新葉は湯でて「クコ飯」にする。全部余すところなく薬用となる。これほど薬用となる植物は珍しい。

古くから、日本、中国で強壮薬、不老長生の源として利用される。

野外に出れば容易に見つけられる。

『効果』

高血圧症・動脈硬化・頭痛・肩こり

 

【キササゲ】

ノウゼンカズラ科の落葉高木

果実は9~10月頃、未熟な果実を採取して、刻んで、乾燥させる。乾燥させたものを生薬とする。

根は7~8月頃に根を掘り、天日干し、乾燥させて生薬とする。

 『効果』

利尿・腎炎

 

【くちなし】

あかね科の常緑低木

果肉は黄紅色で染料、薬用にする。

くちなしの産地・本州(駿河より西)・四国・九州・琉球

日本書紀」によれば、682年に種子島より、(くちなし)が献上されたと記載。

飛鳥時代、衣類を黄色に染めるために利用される。

『効果』

消炎・解熱・利胆

 

すいかずら

すいかずら科の半常緑藤本

茎葉を乾かして茶の代用として、酒に入れて(忍冬酒)をつくる。花に甘味があり、口につけてすうので(すいかずら)という。もともと薬用。

4~5月頃の開花期に、花蕾を摘み取り、日陰干し、乾燥させて生薬とする。

『効果』

鎮痙・利尿・抗炎症・抗菌作用・解熱・解毒・血痢・伝染性肝炎・神経痛・リューマチ 

 

【さるとりいばら】

ゆり科の常緑低木

秋に根を掘り、細かく切って天日干し、乾燥させて生薬とする。

昔、「梅毒」の治療に用いられた。利水作用もあり、リューマチ、神経痛・膀胱炎などに用いる。

お茶に混ぜて飲んだり、煙草に混ぜるなど利用されてきた。

『効果』 

解毒・消炎・利尿・腫れ物・出来物・ニキビ