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樹木医師の桃色の花が魅力的な庭木

はじめに

花木の花にも。さまざまな色がありますが、桃色の花が咲く庭木を集めてみました。庭に植えて楽しみませんか。

 

 サクラ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】適湿からやや適潤で肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は、厳寒期を除く12~3月の落葉期が適期です

【開花期】3~5月

栽培のポイント

日向を好むみ、日陰や半日陰では花つきが悪く、大気汚染や潮風に弱いです。庭植には樹形がコンパクトな品種がおすすめです。「オカメ」「マメザクラ」「トウカイザクラ」「ケイオウザクラ」「ヨクハマザクラ」「天の川」「八重紅枝垂」などがあります。植えつけと移植は、厳寒期を除く12~3月の落葉期が適期です。元肥として完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定は自然樹形にしますが、徒長枝やひこばえなどは、太くならにいうちに剪定します。直径2㎝以上の切り口は、殺菌剤などを塗布します。肥料は、成木ではほとんど必要ありません。幼木のときや、やせ地に植えたものには、暖効性化成肥料や鶏糞などを冬期に施します。病害虫は、アメリカシロヒトリ、オビカレハ、モンクロシャチホコなどのケムシがよく発生します。初期に補殺しますが、被害が広範囲の場合は、スミチオン乳剤で駆除します。

 

ハナカイドウ

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【日当たり】日向を好むが乾燥はきらう

【土壌・土質】水はけのよい肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は、花前の2~3月下旬が適期です

【開花期】4~5月

栽培のポイント

八重咲きで花の重なりが豊かなヤエカイドウ、大輪八重のオオヤエカイドウ、枝垂れ性のシダレカイドウ、花が上向きに咲くウエザキカイドウ(ベニリンゴ)、桃色のぼかしの入るミツバカイドウなどがあります。植えつけと移植は、花前の2~3月下旬、あるいは花後の5月下旬から6月が適期です。日当たりのよい場所に、元肥として完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。11~3月に徒長枝、込み枝、からんだ枝を剪定します。6月中旬にのびすぎた枝を切りつめますが、あまり伸びていない枝は、先端に花芽ができ始めているので、切らないようにします。夏場は水やりを欠かさないようにします。寒肥として、堆肥と暖効性化成肥料をまぜたものを施します。花後の5月に化成肥料を追肥として施します。病害虫は、赤星病が発生します。ビャクシャク属の樹木との混植を避けます。

 

モモ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質は特に選ばないが、水はけのよい適湿で肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は、落葉期の12~3月が適期です

【開花期】3~4月上旬

栽培のポイント

狭い場所には、枝垂れタイプや箒性のタイプの品種がおすすめです。また実は食べられないが花が美しく、花が大きく、八重咲きのものもあり、花色も豊富です。植えつけと移植は、落葉期の12~3月が適期です。日当たりのよい場所に、元肥として完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。枝の伸長が旺盛なので、風当たりの強い場所や限られた場所では、花後すぐに剪定します。春にのびた枝を大事に残せば、時期が遅くなっても整枝することができます。肥料は、春期に暖効性化成肥料、秋冬期には鶏糞を施しますが、成木にはほとんど必要ありません。病害虫は、カイガラムシ類、モモハモグリガ、シンクイムシ類がつきます。被害が著しいときには薬剤を散布します。

 

ユスラウメ

【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質は特に選ばないが、粘土質の土壌をきらう

【植えつけ時期】植えつけは、庭植では12月上旬~3月中旬が適期です

【開花期】4~6月

栽培のポイント水はけの良い場所を好みます。耐寒性にすぐれ、土質を選ばず育ちます。植えつけは、庭植では12月上旬~3月中旬が適期です。鉢植えでは3月上旬が適期です。移植は12月頃に行います。元肥として完熟堆肥と暖効性肥料を土に混ぜ植えつけます。花芽を多くつけるには、6~7月にのびすぎた枝を剪定します。ひこばえが多く発生するので、早めに取り除き、幹を太らせると木肌が美しくなります。肥料は、2月と6月の果実収穫後に速効性化成肥料、10月に遅効性の有機質肥料を施します。病害虫は、コガネムシが葉につきます。発見したら補殺します。

 

ミツバツツジ

【日当たり】日向から半日陰を好む

【土壌・土質】酸性から中性の土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけ移植は3~4月と10月頃が適期です

【開花期】4~6月

栽培のポイント

栽培品種は細根が多いので、根鉢のまわりから出ている根を切り戻してから水極めで植えつけます。植えつけ移植は3~4月と10月頃が適期です。元肥として完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。樹形を整えるために伸びた枝を整えます。花後の7~8月頃に来年の花芽を分化します。花後の7~8月頃までに樹形を整えます。2~3月に寒肥として、根のまわりに油かすや鶏糞を施します。病害虫は、ツツジグンバイムシ、ハマキムシ、ダニ類の発生に注意します。

 

 

シャクナゲシャクナゲの写真

【日当たり】日向から半日陰を好む

【土壌・土質】湿り気のある肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけ移植は3~4月上旬、10月~11月上旬が適期です

【開花期】4~5月

栽培のポイント

日本シャクナゲには、主にキバナシャクナゲハクサンシャクナゲアズマシャクナゲ、ホソバシャクナゲなどとその変種があります。春から初夏にかけて、淡黄色、白、ピンクなどの花を枝先に多数さかせます。枝や幹が太く、西洋シャクナゲと比べ庭木としての樹形が整っています。本来が高山性の植物のため、真夏の高温や西日、強い直射日光を嫌います。植えつけ移植は3~4月上旬、10月~11月上旬が適期です。ポット栽培の苗木では酷暑、厳寒期を除く通年可能です。元肥として完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定はほとんど必要ありません。花芽のなかった枝は、次年の開花枝として大切にします。2~3月に寒肥として暖効性化成肥料を施します。同様のものを9~10月にも施しましす。花後には週一回の割合で2~3回液肥を施します。病害虫はカイガラムシ、ベニモンアオリンガがつきます。発見したら補殺し、著しい被害のときには薬剤を散布します。

ハナミズキ

【日当たり】日向を好むが半日陰でも育つ

【土壌・土質】湿潤で肥沃な土壌を好む。湿気と乾燥をきらう

【植えつけ時期】植えつけは3月

【開花期】4~5月

栽培のポイント

赤い苞の園芸品種は、生育が遅くあまり樹高が高くならないので、狭い庭に適しています。半日陰の場所でも育ちますが、花つき、紅葉を期待するなら日当たりの良い場所で育てます。植えつけは3月、移植は12月上旬から3月上旬に行います。どちらも厳寒期は避けます。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ、乾燥が苦手なので肥沃で適湿な土壌に植えつけます。放任していても自然と樹形が整います。剪定は、庭にスペースが限られている場合は、12月上旬から3月上旬の落葉期に不要枝を切りつめます。または5月中旬から7月下旬に不要枝や徒長した枝を切り戻す程度で十分です。5月の花後にお礼肥の化成肥料を置肥します。晩夏に施肥すると美しく紅葉しません。梅雨明け後、うどんこ病が発生しやすいので注意し、発生したら薬剤を散布します。春から夏にかけてコウモリガ、アメリカシロヒトリが発生することがあります。発見したら補殺します。

 

タニウツギ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】湿潤で肥沃な土壌を好む。乾燥に比較的耐える

【植えつけ時期】植えつけは10~11月、2~3月

【開花期】5~6月

栽培のポイント

花を楽しむには、少なくとも半日以上の日当たりが必要です。植えつけは10~11月、2~3月、移植は2~3月が適期です。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定は長すぎる枝を切り戻し、古くなった枝を数年ごとに更新して樹形を維持します。花は新しくのびる枝の先につくので、冬期の剪定では、花芽がある前年枝を切りすぎないようにします。冬期に有機質肥料を与え、花後、お礼肥として化成肥料を少量与えます。まれにアブラムシ類がついて、すす病を誘発することがあります。アブラムシ類を見つけたら補殺します。被害が著しい場合はスミチオン乳剤を散布します。

 

カルミア

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【日当たり】日向~半日陰を好む

【土壌・土質】適湿で肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは3~4月または9~10月

【開花期】5月

栽培のポイント

さまざま園芸品種があります。コンテナ栽培や庭木として、異なる品種を楽しめます。植えつけ、移植は3~4月または9~10月が適期です。ポット栽培の苗は酷暑、厳寒期を除き、通年植えつけが可能です。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定は花が咲き終わった直後の6月が適期です。花がらは、咲き終わったら早めに摘みとります。花がつきすぎると木が衰弱するので、必ず花がら摘みを行います。3,6,9月に油かすと暖効性化成肥料を2対8の割合でまぜたものを施します。まれにハダニ、ハマキムシ、グンバエムシがつきます。見つけたら補殺します。被害が著しい場合はスミチオン乳剤を散布します。

シモツケ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】水はけがよく、やや乾燥気味の土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは12~3月

【開花期】5~8月

栽培のポイント

植えつけと移植は、厳寒期を除く12~3月が適期です。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。自然樹形に仕立てますが、枝が込んできたら不要枝を切って内部の日当たりをよくします。3~5年一度、地面から20㎝くらいまで深く刈り込んで、株を若返らせます。花後に3要素がほぼ均等の暖効性化成肥料を株まわりに施します。病虫害はほとんどありませんが、うどんこ病がでることがあります。剪定によって通風と採光を促すようにします。実は9~10月に熟します。

 

ベニバナトチノキ

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【日当たり】若木は日陰を好むが、成木は日向を好む

【土壌・土質】適湿で肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは11~3月

【開花期】5~6月

栽培のポイント

乾燥や暑さに弱いので、夏の強い西日の当たらない場所に植えます。植えつけと移植は落葉時の11~3月が適期です。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定は特に必要ありません。元来、枝ぶりは整っているので、剪定は弱めにして、自然樹形を保つようにします。寒中と花後に堆肥、油かす、鶏糞、暖効性化成肥料を施します。病害虫はほとんどありません。

 

キョウチクトウ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】暖地の通気性のよい湿気のある土地を好む

【植えつけ時期】植えつけは4月上旬~9月

【開花期】7~9月

栽培のポイント

強健で萌芽力が強く、潮風に耐え都市環境にも強い花木です。暖かく湿気の多い環境を好むので、からっ風や夏の乾燥した熱風が吹くようなところは好みません。植えつけと移植は、真夏を除く4月上旬~9月が適期です。元肥に完熟堆肥を土に混ぜ植えつけます。剪定の適期は4月中旬~5月下旬です。整然とした樹形を保つには、根もとから萌芽する枝を早めに剪定します。大きくなりすぎた木は、太い枝を短く切りつめ、再萌芽させて樹形を再生させます。花つきをよくするには、チッ素を避け、リン酸、カリ分の多い肥料を施します。病虫害は特にありませんが、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。剪定で通風と採光を促し、予防します。

 

 まとめ

最近では、コンテナ栽培が流行っています。場所をとらず、苗木から育てても花が早く咲くのが人気の理由です。玄関先や庭を演出する仲間に入れてみてはいかがでしょうか。きっと心が華やかになりますよ。