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樹木医師の植物の意外と知られていない豆知識

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【イチイ/セイヨウイチイ】

英仏百年戦争でのイギリスの勝利は、セイヨウイチイで作った弓のおかげといわれています。木材は緻密で良質。

【ヒノキ】

精油分が少量含まれていることから、昔は火おこしに利用されていました。現在でも神事に使用されています。「火の木」が語源という説もあります。

コウヤマキ

コバノナンヨウスギ、ヒマラヤスギとともに世界の三大公園木とされています。和歌山の高野山に多く自生し、高野山では霊木として保護されています。

【セイヨウヒイラギ】

ヨーロッパでは聖なる木として、クリスマスの飾りつけに使われます。

【カナメモチ】

材質がかたく「扇の要(かなめ)」として用いられていたことから「要用のモチノキ」が名前の由来とされています。かたい木部は車輪や鎌の柄などにも利用されていました。

【モッコク】

木部は緻密でかたいため、建築材料や器具材などに使用。沖縄の首里城でも建築材として使用。

【カエデ】

万葉集』には「かえるで」という蛙の手にたとえた古名が登場します。これがなまって現在の名称になったといわれています。

【ヒメシャラ/ナツツバキ】

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という『平家物語』の一説で知られる植物と混同されることがありますが、それは仏教の聖木とされている、フタバガキ科の樹木です。

【シダレヤナギ】

万葉集』にも4首詠まれていますが、当時は鑑賞以外に、枝を鬘(仮の髪、かつら)にして長寿や幸福を願いました。

【セイヨウシナノキ

主にヨーロッパ原産のシナノキの仲間をドイツ語でリンデンバウムといい、日本ではシューベルトの歌曲名『菩提樹』として知られています。

【ナツハゼ】

秋に熟す黒紫色の実は、酸味は強いが熟すと甘く、食用になります。ブルーベリーの仲間です。

【フジ】

つるはカゴづくりなどに利用され、若葉はゆでて、灰汁(あく)抜きすると食べれます。また、種子は煎じて食中毒や腹痛の薬などに利用されます。

【ムベ】

秋にみのる紫褐色の果実はとても甘く、昔は朝廷に献上されていました。

【竹類/ササ類】

 成竹になるときに皮が長くついているものをササ類、皮が落ちるものを竹類。

【ハナカイドウ】

 中国の唐の玄宗皇帝が、酔って眠る楊貴妃をハナカイドウにたとえたように、昔から美人の形容に使われます。

エニシダ

ヨーロッパでは、伝説上の魔女はエニシダでつくった箒に乗って空を飛ぶとされ、その枝は実用的な枝箒としても使われてきました。

ハナミズキ

キリストを磔にした十字架の木がハナミズキだという伝説です。二度と十字架にできないように、幹が細く、十字架のような4枚の苞の先端にキリストの手足から流れる血をあらわす赤い跡が残ったと言い伝えが、アメリカにあります。

モクレンハクモクレン/コブシ】

モクレンハクモクレン、コブシなどの仲間は欧米ではマグノリアと呼ばれています。マグノリアは1億年以上も前から地球上に存在していました。花木類の重要な先祖です。

ムクゲ

韓国では若葉は食べ、葉はお茶の代用として飲まれています。

【ギンバイカ

ヨーロッパやアラビアでは古くから庭木として栽培され、ハーブとしても利用されています。神話や伝説も多く、神木や不死、復活の象徴とされるほか、別名「祝いの木」として、結婚式の花輪に用いられます。

【リョウブ】

若葉をゆでて加薬飯(かやくめし)の材料とした令法飯(りょうぶめし)は、古くから農作物が不作のとき救荒食物として食べられていました。

【ツバキ】

ツバキは日本の代表的な花木ですが、現在では世界各地で愛され、栽培されています。明治時代に海外へ紹介され、カメリアと呼ばれ人気が高くなりました。

【ウメ】

 『万葉集』に数多く登場しますが、原産地は中国です。前漢~唐の時代に渡来したと考えられています。奈良時代にはすでに栽培されていました。

【アンズ】

薬用植物として中国から渡来し呼び名は「唐桃」。杏と呼ばれるのは江戸時代になってからです。

セイヨウミザクラ(サクランボ)】

原産地は西アジア。日本での栽培は、明治初年、北海道開拓史によって始まりました。

【スモモ】

古代から栽培されていましたが、果物としてはほとんど認知されませんでした。現在栽培されている品種の多くは、明治初年にアメリカに持ち込まれて品種改良され、日本に逆輸入されたものです。

ラズベリー

16世紀ごろイギリスで栽培が始まり、ヨーロッパやアメリカでの品種改良を経て、昭和48年(1973)に日本に導入されました。キイチゴの一種。

【リンゴ】

アダムとイブの「禁断の木の実」で有名なリンゴ。現在食用とされているリンゴの祖先はヨーロッパ原産地のセイヨウリンゴです。日本には平安時代に中国起源のリンゴが入ったといわれていますが、本格的には、明治5年に開拓史によって導入されました。

【ブドウ類】

ブドウはカスピ海南部などを中心に、太古の時代から主にブドウ酒の原料として栽培されていました。日本では平安時代末期、甲斐の国の山中でブドウの木が発見されたのが現在の「甲州」種の始まりといわれていますが、現在、欧米雑種が広く栽培されています。

【イチジク】

イチジクの歴史は古く、5000年以上も前から栽培され、聖書の中でも登場する平和と豊穣の象徴です。日本へは江戸時代初期に長崎に伝えられました。

イチョウ

恐竜時代に栄えていた多くの裸子植物も、現存するのはイチョウを含めわずかな植物だけです。原産地は中国で、室町時代には日本でも栽培されていたとされます。

【カンキツ類】

葉は常緑で、黄色く熟した果実が年を越すことから、果実は太陽の象徴とされ、古くから神聖な木とされてきました。原産地は日本、中国、東南アジア一帯、インド北東部。

【キーウィフルーツ】

中国原産ですが、果樹として改良されたのはニュージーランドで、飛べない鳥キーウィに似ているのでその名がついたといわれます。日本に登場するのは1960年代。

【ザクロ】

シルクロード原産のザクロ。古くから果樹として利用され、その種子の多さから、古代ギリシャ、ローマでは豊穣、キリスト教では希望、世界各国で多産のシンボルとされています。日本に入ってきたのは平安時代とされています。

【バナナ】

戦国時代にポルトガルの宣教師により織田信長に献上されたのが日本渡来の最初といわれ、輸入されるようになったのは明治時代からです。

【エンドウ】

1922年にツターンカーメンの墓から発掘されたエンドウの種子。3000年以上前の種子が発芽して、現在世界各国で栽培されています。

【ゴマ】

古代エジプトでは、ゴマ油が燃料や香料、薬用、ミイラ作りの防腐剤として利用されていました。クレオパトラは、若さを保つために、ボディオイルとしてゴマ油愛用。中国では、不老不死の妙薬として世界最古の医学書「神農本草経」に記載されています。日本に入ってきたのは縄文時代だといわれています。

【イネ】

稲作は水田でつくる水稲が一般的ですが、畑で作られる「陸稲」も日本で栽培されています。また、30年ほど前までは「ササニシキ」はとても人気があるお米でしたが、1993年の冷害でササニシキは収穫量が落ち、以降、冷害に強い「ひとめぼれ」を作る農家が増えました。現在、一部の農家でササニシキは作られています。