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樹木医師の遺伝子組み換え食品、私たちは毎日食べている

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【日本は世界第一位の農産物の輸入国となっています】

世界の人口は、2000年に約61億人とされています。2050年には1.6倍の約96億人に増加するとされています。世界の食料需要は、2000年に約45億トンとされています。2050年には1.6倍の約69億トンに増加すると見込まれます。

世界全体の穀物生産量は、これまで増加してきましたが、近年鈍化しています。経済が成長し、国民一人当たりの所得が増えるにつれ、国民の一人の肉類の消費量は増加しています。

畜産物1㎏の生産に必要な穀物料は、牛肉(牛)トウモロコシ11㎏、豚肉(豚)トウモロコシ7kg、鶏肉(鳥)トウモロコシ4㎏、鶏卵(鳥)トウモロコシ3㎏です。畜産物の消費量が増えると、急激に穀物需要が増加します。

世界的に、近年増加する干ばつ、大規模自然災害や異常気象などにより穀物などの食料生産はとても不安定です。

農業生産には多くの水を利用するため、水資源の制約による農業生産への影響が考えられます。日本の主要輸入相手国(米国、豪州等)なども一部地域で水不足が発生すると考えられます。

穀物等の国際価格は、天候や需給動向等に左右されて変動します。2015年は、2006年秋頃と比べ1.2~1.9倍の水準にあります。

 

【日本の主要農産物の国別輸入割合】

2014年、主要農水産物の国別輸入額は、トウモロコシ、小麦粉大豆、牛肉は上位3カ国で9割以上を占めています。豚肉は上位3カ国です。

トウモロコシ:アメリカ84%、ブラジル8%、ウクライナ5%など

小麦:アメリカ51%、カナダ32% オーストラリア16%など

大豆:アメリカ63%、ブラジル19%、カナダ16%

牛肉:オーストラリア51%、アメリカ40%、ニュージーランド5%など

豚肉:アメリカ34%、カナダ18%、デンマーク16%、その他32%

 

2010年、毎年2000万トン以上の食料を輸入し、食糧自給率が41%と主要先進国で最も低い日本でしす。小麦は86%を輸入に頼っています。大豆は94%を輸入、トウモロコシも、95%を輸入。

 

大豆は豆腐、味噌、醤油などの原材料で、日本人の食に欠かすことのできないものです。2008年、大豆の国内自給率はわずか6%ほどで、国内消費量のほとんどが輸入に頼っています。

 

【遺伝子組み換え加工食品】

アメリカを中心に、遺伝子組み換えによって害虫や除草剤に耐性を持たせた作物の作出および商品化が進んでいます。

遺伝子組み換え作物の作付面積(2011年)は、世界29カ国で1億6.000万ヘクタール。日本の耕地面積の20倍以上となります。

アメリカ43%、ブラジル19%、アルゼンチン15%、インド7%、カナダ7%

世界の作物別トップ4

大豆47%、トウモロコシ32%、わた15%、なたね5%

『大豆』

豆腐類・油揚げ類・凍豆腐・おから・ゆば・納豆・味噌・大豆煮豆・大豆缶詰・大豆瓶詰・きな粉・大豆いり豆・コーンスナック・コーンスターチ・調理用の大豆を主な原材料とするもの・大豆粉を主な原材料とするもの・大豆タンパクを主な原材料とするもの・枝豆を主な原材料とするもの・大豆もやしを主な原材料とするもの

『トウモロコシ』

ポップコーン・冷凍トウモロコシ・トウモロコシ缶詰・トウモロコシ瓶詰・コーンフラワーを主な原材料とするもの・コーングリッツを主な原材料とするもの(コンフレークを除く)・調理用のトウモロコシを主も原材料とするもの

ばれいしょ

ポテトスナック菓子・乾燥ばれいしょ・冷凍ばれいしょばれいしょでん粉・調理用のばれいしょを主な原材料とするもの

※2009年

 

【遺伝子組み換え食品の表示】

製造の過程で組み込まれた遺伝子やその遺伝子が作る新たなタンパク質が技術的に検出できない場合には、表示は義務づけられていません。油や醤油など。加工食品は、その主な原材料に占める重量の割合が上位3位までのもので、原材料に占める重量の割合が5%以上にあたらない場合は、表示が省略できることになっています。

 

まとめ

日本の食糧事情はとても深刻ですね。農家の高齢化、農業就業者数の減少、農地面積の減少、耕作放棄地面積の増加、これは野菜や果物、お米だけではなく、もちろん畜産物も同様です。もし、食料輸入停止になれば、日本はたちまち食料不足になり一日2食しか食べれないのです。しかも食事は米や芋類、焼き魚などです。日本は現在、輸入に頼るしかないのです。

世界で増える人口に対して世界各国は遺伝子組み換え作物に力を入れています。日本も農林水産省の主導で、遺伝子組み換え作物の研究を行われています。その背景には、輸入品に対して少しでも優位性を発揮できる農産物を開発しなければならないという、国際競争にさらされている日本農業の切実な事情があるためです。

これから先の時代は遺伝子組み換え食品や作物がスタンダードになると思います。

ただ、今現在、醤油や植物油などで遺伝子組み換え作物が原料として使われていても表示義務がないなど、また畜産の牛や豚、鶏などが遺伝子組み換え作物を食べているということを多くの人が知らないのは、クリアすべき課題だと思います。

遺伝子組み換え食品/厚生労働省、日本の食料事情/農林水産省 を参考資料としました。