樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ三
本では、7月上旬は芽切りすると、書いてありますが、芽切りを遅くにおこなった場合、2番芽がすごく小さい場合があります。逆に早く芽切りをおこなった場合、2番芽が大きくなりすぎて、観賞価値がなくなることがあります。
この黒松の盆栽は、今年の3月に畑から持って帰って鉢に植えました。今回おこなう芽切りが来年以降の目安となります。
7月には、芽切りをしたところに、一ヶ所から三つも四つも2番芽が出ます。その数芽出た芽を、でかたのよい芽を2芽だけ残し他の芽はピンセットで欠きとります。
この松は圏外仕立てにしたいと思います。もう少し石より垂れ下がった感じになるように、真ん中の芽は芽切りをおこなわず、残します。一本だけ伸ばすと、それに続く幹はぐんぐん肥大します。
芽切りのポイントは、一ヶ所から二つ、三つでている、強い芽、弱い芽も全て根元で切ります。小さい芽が残ているとその芽が伸び長い葉になります。芽切りを行う芽は全て切りとります。
下の黒松の盆栽も、今年の3月に畑から持っ帰って鉢に植えました。今回おこなう芽切りが来年以降の目安となります。
芽切りは1年伸ばすと長い葉になる。しかし、毎年芽切りすると木に相当負担がかかるので、2年1度が適当である。それも弱った状態の木は必ずさける。と書いてあります。
ということなので、この松はふところに、ごく弱い芽がたくさんあるので、ごく弱い芽は切らずに、元気な芽だけを芽切りします。
サッパリしました。
下の写真は、3月下旬頃に畑の松のローソク芽を持って帰り。さし床さした芽です。
どうも失敗しているようです。
本よると、3月下旬ローソク芽を4~5㎝ほど折り、3~4㎝でカミソリですっぱと切りバーミキュライトのさし床に挿す。翌年に鉢に植える。とあります。
私が挿したさし床は鹿沼土、パーライト、バーミキュライト、ピートモスでつくったものです。それが原因か分かりませんが、今回芽切りした芽を、もう一度挿したいと思います。
さし床の一角をバーミキュライトのさし床に変えました。
さし木の適期は、さし穂の栄養状態や気温、湿度などの条件がよいときです。落葉広葉樹は2~3月の春ざし、6~9月の梅雨ざし。常緑広葉樹は3月中旬~4月上旬の春ざし、6~7月の梅雨ざし。常緑針葉樹は4~5上旬の春ざし、7~9月の梅雨ざしです。
さし木ではなく、今回はさし芽ですが、チャレンジします。
ちなみに、写真のさし木はツバキとネコヤナギです。きれいな花が咲くツバキがあったので枝をもらって正月に挿しました。ネコヤナギも正月に挿しました。成功しています。
つきやすい木はどんな土でも、つくらしいですが、つきやすい木は時期もあまり関係ないようです。
私がさし木にこだわるのは、さし木は親木のクローンだからです。松は特に、その木の持つ性質に違いがあります。葉が長い性質、芽がよく伸びる性質、葉が柔らかい性質、それら性質は、仕立てるうえでとても重要です。山や海で採取してきても、その松がどのような性質なのか、一年たたなければわかりませんが、性質の良い松のクローンなら間違いないです。
最後にこんなところから、ナンテン芽がでています。
ナンテンの芽が2芽確認できます。正月飾りにナンテンの枝を蹲に活けていたました。実が落ちて芽が出たのですね。 実からできたものを実生といいますが、実生は親木の子供で親の性質を完全には受け継ぎません。ナンテンなどは性質を松ほど神経質になりませんので、種から育てても大丈夫です。