樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ五
【松の短葉法の発見】
黒松は昔、葉がながすぎて、盆栽としての魅力がなかったらしいです。
ある時、新芽が虫に食害されて、芽がなくなったらしいです。1ヶ月ほどたったある日、とれた新芽の後に二番芽が出て、そんままにしていたら、何とか秋に短い葉の芽ができました。
この偶然に誕生した、二番芽が盆栽に利用されるようになり、黒松は松柏盆栽に欠かせない存在になり、今では、多くの方が黒松の盆栽に夢中になっています。
6月中旬に芽切りした黒松の盆栽。
本によると7月上旬に芽切りをすると書いてありますが、私は6月中旬に芽切りをこないました。
その結果、木の上の方の芽は元気がよく一ヵ所から、3つも4つの芽が出ています。
この松はふところに、ごく弱い芽がたくさんあったので、ごく弱い芽は切らずに、元気な芽だけを芽切りをしましたが、芽切りをした下枝の方は芽吹きが悪いです。
元気は悪いですが、芽切りおこなったので葉は短い芽が出ています。
芽切りを遅くにおこなった場合、2番芽がすごく小さい場合があります。逆に早く芽切りをおこなった場合、2番芽が大きくなりすぎて、観賞価値がなくなることがあります。
この盆栽は、元気な枝は丁度よい芽の大きさで芽吹きしています。
6月中旬の芽切りは悪くなかったと思います。
8月中旬、芽切りしたところの二番芽がかなり大きくなりました。
本によると、八月には二芽だけ残して他の芽をピンセットで欠きとる。とありますが、本には、7月上旬とありま、一ヶ月早く芽切した私の盆栽は少し大きくなりすぎています。ピンセットで欠きとれないほど大きく成長しています。
木バサミで、一ヵ所から3つも4つも出た芽を横向きの二芽を残して他の芽は切りました。
強いところほどたくさん芽を持ちますので、この作業で木全体に栄養がいくでしょう。
これも樹勢調節の一つの作業です。
本によると、この二番芽が伸長しはじめたところで、再度、秋まで置き肥えする。9月は木の充実期なので、春より多めに肥料を施す。と書いています。
この度は、古葉はとっていません。古葉は、十月頃にとり、十一月頃に葉すぐりの作業をしたいと思います。