樹木医師の黒松の病気、殺菌剤散布
上の黒松は被害が著しいです。
令和2年7月19日。
畑の黒松と黒松の盆栽の古葉が赤く変色しているので殺菌剤を散布しました。
なぜ、古葉が変色したのでしょう。考えられる理由は、畑に撒いた除草剤がかかったか、もしくは、根から何らかの雑菌が入ったと思われます。もちろん毛虫などでは葉を食害しても赤く変色することはないです。
黒松によくハダニが発生して古葉が黄色くなることがありますが、ハダニではこの様に古葉が赤くはなりません。ハダニの被害では緑色の葉が赤く変色せず、やや色が抜けた様な黄色になります。
もう一つ考えられるのは「マツ赤斑葉枯れ病」です。
マツ赤斑葉枯れ病は、当年発生した針葉に、夏以降に発生します。はじめ針葉に小褐点が生じ、これがやがて暗赤褐色の斑点となります。被害にあった針葉は、すぐには落葉せずに年越するものが多いようです。年越した2年針葉では、病斑部から先端はおおかた褐変して枯死するものが多いです。
私は、除草剤が少量かかって何らかの菌が入ったものと考えます。
一枚目の写真の松はかなり被害が著しいですが、何らかの菌が入ったと考えて殺菌剤を散布します。今回使用した薬剤は「ダコニール」殺菌剤です。500倍で希釈しました。葉、幹に滴るほど散布します。
他の薬剤の防除として、銅水和剤の500倍液、マンネブダイセンの500倍液、また苗畑などでは4-4式ボルドー合剤が有効とされています。これらのいずれかを月2回ほど散布するのが有効とされています。
令和2年9月8日、約1月半後。
ダコニール500倍液を2回散布した結果です。
嘘のように効きました。