樹木医師の黒松のジンづくり
令和2年9月11日
畑の黒松3本を「芽欠き」と「ジンづくり」の作業をしました。
ジンづくりは初めての試みです。
上の写真の黒松は夏に「赤枯れ病」と思われる症状が出ていたので殺菌剤の散布をおこないました。ずいぶんと良くなりましたが、これからは冬期に石灰硫黄合剤を1月か2月に散布をおこないたいと思います。
下枝がかなりの部分「赤枯れ病」が出ていたので少し寂しいです。
上部は6月に芽切りをした部分から生じた二番芽が3~4本伸び固まって出ています。固まった芽が大きくなりすぎたようです。
本来ならもう少し早く「芽欠き」作業を行うのでしょうが、遅くなりました。
この度は幹を太らせるために伸ばしていた、上部の「犠牲枝」を切ってしまいます。
大きな改作は休眠期の二月が好期なのでしょうが、畑に地植えしている松なので大丈夫でしょう。
ずいぶん軽くなりました。
初めてする「ジンづくり」
本によると二月下旬から三月上旬が適期とありますが、大丈夫と信じて。
時期的に水揚げの真っ最中なので、剪定ばさみで簡単に皮がむけました。
また、ジンやシャリを作り終えたら、水で薄めた石灰硫黄合剤を筆で塗って、木質部の朽腐を防ぎ、乾いた後に塗った箇所が真っ白になってジンやシャリが際立つらしいですが、雨が降ってきそうなので後日改めてしたいと思います。
この黒松は海岸から採取してきて畑に植えました。植えて3年たちます。かなり幹が太くなりました。
来年の春は盆栽にするために鉢に植えたいと思います。
鉢に植える時、改作する可能性もあるので、今回作つくった「ジン」が無駄になるかもしれませんが、何事も経験だと思い挑戦しました。
この黒松は枝数が少なく「かんぬき枝」となっていますので、将来思いきった改作をしたいと思います。葉性は良いです。
下の写真の黒松も同じく海岸から採取してきて畑に植えました。植えて3年たちます。
この黒松は、先ほどの黒松のすぐそばに植えていますが「赤枯れ病」と思われる症状が全くなかったです。
色も良く、6月に芽切りをした部分から生じた二番芽が3~4本伸び固まって出ています。こちらも固まった芽が大きくなりすぎたようです。
この黒松も太らせるために伸ばしていた、「犠牲枝」を切ってしまいます。
大きな改作は休眠期の二月が好期なのでしょうが、畑に地植えしている松なので大丈夫だとして、思いっきり改作しました。こじんまりしました。
続いて、こちらの黒松もジンづくりをおこないました。
来年の春は盆栽にするために鉢に植えたいと思います。この黒松も今回作つくった「ジン」が無駄になるかもしれません。
この黒松は、枝数が少なく根もとに一番近い「一の枝」が高い位置にあります。将来は「接ぎ枝」か「とり木」をしたいと思います。葉性は良いです。
下の写真の黒松。こちらの松も同じく海岸から採取してきて畑に植えました。植えて3年たちます。この松も「赤枯れ病」と思われる症状が出ていたので殺菌剤の散布をおこないました。こちらもずいぶんと良くなりました。
6月に芽切りをした部分から生じた二番芽が5~6本伸び固まって出ています。とても元気が良いのか、こういった性分なのか来年以降の芽切りでわかってくるでしょう。こちらも固まった芽が大きくなりすぎたようです。
この黒松も太らせるために伸ばしていた、「犠牲枝」を切って改作と「ジンづくり」しました。
この黒松は、枝数が少なく根もとに一番近い「一の枝」が高い位置にあります。将来は「接ぎ枝」か「とり木」をしたいと思います。葉性は良いです。
最後に、畑に植えている約50㎝の「イヌマキ」。こちらのイヌマキは実生で生えていたのを畑に植え、私好みの枝ぶりにしようと大切に育てていました。
令和2年9月8日
獣の仕業でしょう。見事に根もとから20㎝ほどで折られています。
多分、シカか猪でしょう。あちらこちらに掘った跡が残っています。
かろうじて皮一枚で水あげしています。
支柱をして、折れた箇所をしっかりを絡みました。この方法で松を何度か復活させた経験があります。
2日後、獣に、見事に支柱ごと倒されていました。あちらこちらに掘り返した跡が残っています。
幸い根元の上に芽が残っていますので、この芽を大事に育てます。折れた箇所を「ジンづくり」にしました。
このジンは大きくなった時に味になると思います。将来このイヌマキは1m50㎝程に育て、刈り込み仕立てにせず。京都でよくされている、松のように「葉すかし」仕立てにしたいと思います。マキも「葉すかし」すると、とても手間がかりますが、松のようになりますよ。