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樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ八 「初めてのケト土」

初めに

「月の法善寺横丁」という名曲、知っています?

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪

私は造園業を生業としています。高校卒業後、奈良の造園業社、鳥取の造園業社、京都の造園業社を経て大阪で独立しました。4年前に、両親の故郷鳥取県に訳あって移住してきました。私が駆け出しのころ、職人の先輩が多くの技術を身につけるため「数ヶ所の事業所で仕業をしろ」と、自分のためになると「月の法善寺横丁」の歌詞をつかい教えてくれました。

 

植木の剪定は、業社ごとに違い、県単位になると大きく違います。極端な話、ある業社が良いと思う剪定方法も、業社が変われば禁じ手になることもあります。とても不思議な世界ですね。庭づくりの技術は、造園技能士という国家資格があり全国共通なのに対して、植木の剪定は国家資格はありません。樹木の剪定は全国一律では、ないという事が大きな理由でしょう。

 

松の剪定は、造園業社や植木屋の花形で、職人誰もが人一倍「松」の剪定に対してプライドを持っています。職人の多くが「私が」「俺が」松の剪定や知識に一番で、誰にも負けないと思っています。でも、その判断は自己的か、お客様の判断によるものが多く。多くが7対3で自己中心的な考えかたがほとんどです。「松くい虫に」で枯れた時も、「松に元気がない」時も、「地球の温暖化」や「害虫」のせいにして職人は葉巧み位に言い逃れします。(その様な松の症状は、少なからず間違った剪定方法をおこなった事がが大きく影響しています)つまり間違った「黒松」の剪定が全国的に多く見られるのが現状です。

そんな思いの中、昔から「松の盆栽」を極める事がイコール「松のエキスパート」と思っていました。

 

日本全国「黒松の盆栽」は統一された判断基準があり、「美」がが統一されいます。県ごとの剪定の適期に違いこそありますが、展覧会などで正しくと評価されます。

植木の剪定で全国大会がありますか?

 

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪ この言葉を思い出し、新たなジャンル「盆栽」を始めました。

 

4年前に、鳥取県に移住し海岸で自生している黒松を鉢に植えた盆栽4年生の新人です。

黒松の盆栽に魅せられ、日々図書館で「盆栽」の書籍を借りて読んでいる程度の、新人ですが、現在頭の中の多くを「盆栽」が占めています。

盆栽4年生の新人の日記です。

お手本にならない日記ですが、お付き合いお願いします。

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山に自生するモミジ

9月20日

今日は家の近くの山でモミジを数本、山で採取してきました。

約5~20㎝のモミジ7本です。

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この採取してきたモミジを庭にある石に、「ケト土」を使って「石つき」風盆栽にしたいと思います。

ケト土は初めての挑戦です。

ホームセンターでケト土があるか不安でしたが、隅の方でホコリをかぶりありました。

ホコリのかぶりようから、需要がないのがよくわかります。

ケト土は1リットル250円と以外に安く、赤玉土もついでに購入。

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下の写真

「石つき」に利用するのは、この度は3本なので、残り4本はとりあえず仮に植えておきます。

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下の写真

植えつけつる石は、穴の開いた「軽石」です。

石には二つ穴があり、一つの穴には先客のモミジが植えられています。

このモミジは去年の秋に、同じ山で採取して植えつけました。

恥ずかしながら、「ケト土」という存在は知っていましたが、畑の「クロボク」で植えつけました。

モミジの葉が赤く変色しているのは、8月の終わりに傷んだ葉を全部切りました。

2週間ほどで、新しい葉がふいてきました。

この右の穴に「ケト土」を使ってモミジを植えつけます。

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下の写真

この石も軽石ですが、穴がないので安定のよさそうな場所に植えつけたます。

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下の写真

この石も軽石です、こちらも穴がないので安定のよさそうな場所に植えつけたます。

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では、初めての「ケト土」

ケト土は、湿地や沼地に生える「マコモ」や「ヨシ」が堆積、腐敗して土化したものとありますが、見た目は粗いクロボクといったところです。

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ケト土を水を加え、よく練り。

赤玉土をケト土に対し3割ほど混ぜました。

何でも赤玉土を加える方が、保水、排水、通気性がアップするとか。

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下の写真

こんな感じになりました。

クロボクも水で練るとこの様になりますが、ケト土は若干、粘りがあります。

この粘りが石つけに向いているのでしょう。

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下の写真

本などでは、石に木をつけるとき針金で止めていますが、今回植えつけるモミジは約5㎝ほどのモミジです。根も細く、少ないので針金を使用せずに直接、ケト土で植えつけました。

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上下の写真

どうですか?石と木の組合せ。

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下の写真

少しモミジを懸崖風に下垂れするように植えつけました。

植えつけ後、「ハイゴケ」でケト土が乾燥しないようにコケを張りつけました。

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下の写真

こちらも同じく。

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下の写真

私が、思うに一つの石に植えつける木は「下草」は別として、同じ「木(植物)」を植える方が自然だと思います。

石が、もう少し大きければもう一本モミジを植えて3本にしたのですが・・・

近いうちに、改善したいと思います。

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どうですか?

渓谷や断崖絶壁、孤島などの景色が表現できましたかね。

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