樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十 「初めての黒松と五葉松の種木購入」
初めに
「月の法善寺横丁」という名曲、知っています?
♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪
私は造園業を生業としています。高校卒業後、奈良の造園業社、鳥取の造園業社、京都の造園業社を経て大阪で独立しました。4年前に、両親の故郷鳥取県に訳あって移住してきました。私が駆け出しのころ、職人の先輩が多くの技術を身につけるため「数ヶ所の事業所で仕業をしろ」と、自分のためになると「月の法善寺横丁」の歌詞をつかい教えてくれました。
植木の剪定は、業社ごとに違い、県単位になると大きく違います。極端な話、ある業社が良いと思う剪定方法も、業社が変われば禁じ手になることもあります。とても不思議な世界ですね。庭づくりの技術は、造園技能士という国家資格があり全国共通なのに対して、植木の剪定は国家資格はありません。樹木の剪定は全国一律では、ないという事が大きな理由でしょう。
松の剪定は、造園業社や植木屋の花形で、職人誰もが人一倍「松」の剪定に対してプライドを持っています。職人の多くが「私が」「俺が」松の剪定や知識に一番で、誰にも負けないと思っています。でも、その判断は自己的か、お客様の判断によるものが多く。多くが7対3で自己中心的な考えかたがほとんどです。「松くい虫に」で枯れた時も、「松に元気がない」時も、「地球の温暖化」や「害虫」のせいにして職人は葉巧み位に言い逃れします。(その様な松の症状は、少なからず間違った剪定方法をおこなった事がが大きく影響しています)つまり間違った「黒松」の剪定が全国的に多く見られるのが現状です。
そんな思いの中、昔から「松の盆栽」を極める事がイコール「松のエキスパート」と思っていました。
日本全国「黒松の盆栽」は統一された判断基準があり、「美」がが統一されいます。県ごとの剪定の適期に違いこそありますが、展覧会などで正しくと評価されます。
植木の剪定で全国大会がありますか?
♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪ この言葉を思い出し、新たなジャンル「盆栽」を始めました。
4年前に、鳥取県に移住し海岸で自生している黒松を鉢に植えた盆栽4年生の新人です。
黒松の盆栽に魅せられ、日々図書館で「盆栽」の書籍を借りて読んでいる程度の、新人ですが、現在頭の中の多くを「盆栽」が占めています。
盆栽4年生の新人の日記です。
お手本にならない日記ですが、お付き合いお願いします。
令和2年10月6日
人生初めての、盆栽の種木をネットで購入しました。
購入したのは、黒松と五葉松の種木です。
田舎暮らしの私は、身近にある素材で盆栽を一から育てると決めていたのですが、いろいろな盆栽の書物を読むうちに、八房性の種木が欲しくなりました。正直身近にある素材では限界があるとわかりました。
というのはたてまえで、ただたんに盆栽にハマったというのが本音です。
写真は我が家の南側です。木でかっこっているのは、家庭菜園場にしてあります。
囲いの中には畑の黒土を入れて現在、遅植えのキュウリとナスビが植えてあります。
この度はこの横に、我が家にお嫁に来る黒松と五葉松の培養場を作りました。
材料の板と杭は家にあった材料にクレオソートで防腐処理をしました。
サイズは2.0m×0.65×0.35です。土は赤玉土8、砂1、ピートモスとパーライト1です。
これも家にあった材料に赤玉土を購入しただけの、ケチった上床です。ただ、排水性と保水性は完璧のはずです。朝から作り出して、2時間ほどで完成しました。後は種木を待つだけです。
初めは、畑に植えようかとも考えたのですが私の畑は獣が出ますので安全な我が家の片隅を選びました。また、地植えで培養すれば、鉢植えより太るのが早いと思いました。
というのもたてまえで、お金をだして購入したものを毎日見たいというのが本音です。
昼一番、待ちに待った盆栽が届きました。
金魚はよくネットで購入しますが、植物は初です。
このように、とてもシンプルに入っていました。
強力なテープでダンボールの底面に張りつけてあり、箱の中で動かないようにされていました。
我が家にお嫁に来た種木たちを紹介します。
写真手前3本は五葉松です。
宮島五葉松とうい樹種です。特徴は葉が白っぽくて、葉が短い銀性八房五葉松です。
樹高は約8㎝
奥の3本は黒松です。
千寿丸という樹種です。特徴は枝変わりの八房品種で、レアな松の苗です。葉が短く、緑色が濃く、仕立てやすくなっています。
樹高は約13㎝
下の写真
千寿丸ですが、枯れた枝が株元にあります。
松の3~5年生苗に接いだのでしょう。
下の写真
宮島五葉松も同じく。
こちらも黒松の3~5年生苗に接いだと思われます。
昨日採取した松ぼっくりの種子を利用して、私も数年後、千寿丸と宮島五葉松をつぎ木したいと思います。
つぎ枝を元から切り戻し、植えつけました。
本などによると、元鉢の土を落とし根を広げて植えるとあります。
一本試みましたが、根を切るのが怖くてそのまま植えつけました。
来春の根の活動期にはもう一度掘りあげて、根を広げて植えなおししたいと思います。
まとめ
数年はこの場所で太らしたと思います。5年になるか、10年になるかもしれません。
今更ながら、気の遠くなるような話ですが、来春は、糸魚川真柏の苗を購入したいと思います。どんどん盆栽にはまっていく自分が怖いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この度購入したサイトです。千寿丸はみつかりませんでしたが同じサイトです。もしよければ参考にしてください。