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樹木医師の、長い間楽しめる人気の花 PART1

はじめに

花にはそれぞれ開花期間があり、ほんの1ヶ月ほどで花が終わってしまうものから、ほぼ1年中咲き続けるものまでさまざまです。特に長く楽しめる人気の花を紹介します。

 マリゴールド

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・科名:キク科 ・別名:クジャクソウ・センジュギク・マンジュギク ・1年草

・花色:黄・オレンジ・赤

・球根の購入期:3~10月

・草丈30~70㎝

・植えつけ:4~10月

・開花期:3~10月

栽培のポイント

マリゴールドは大変丈夫です。日当たりと水はけの良い場所に元肥を与えて、株間を20~30㎝ほどとって植えつけます。地植えなら植えつけるときにたっぷり水を与え、その後は乾燥が続いたら水を与えます。鉢植えなら土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。花期が長いので、液肥で月2~3回追肥するとよいでしょう。また、花がらはこまめに摘むようにします。暑さで夏に花が少なくなるときがあるので、1度株元から切り戻すと、秋にまた花がふえます。マリゴールドの根には、ネコブセンチュウという害虫を撃退する働きがあります。ほかの花と一緒に植えると、虫の害を防ぐコンパニオンプランツとして利用することもできます。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を十分に与えます。また、生育中は液肥を月2~3回与えるとよいでしょう。

 

ペチュニア

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・科名:ナス科 ・別名:ツクバネアサガオ ・1年草

・花色:黄・赤・ピンク・白・青・紫

・苗の購入期:3~9月

・草丈20~50㎝

・植えつけ:3~5月

・開花期:4~11月

栽培のポイント

春に、花つきのポット苗を植え付けて育てるのがおすすめです。水はけのよい土に元肥を与えて植え付けます。日当たりと風通しの良い場所で育てます。乾燥にはとても強いので、地植えなら、植え付け前後にたっぷり水を与えれば、あとは特に必要ありません。鉢植えなら、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。開花期間が長く、また肥料を好む性質なので、10日に1回ほど、液肥を水やりを兼ねて与えていきます。花は次々と咲くので、花がらはこまめに摘み、蒸れないように管理します。ほふくする性質でどんどん茎が横に伸びるので、茎の先を積んでやると、わきからまた芽を出しては花数も多くなります。ふやすときはさし芽がおすすめで、春と秋が適期です。ペチュニアはナス科で連作を嫌います。翌年は違う土で育たるようにします。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を十分に与えます。また、追肥は、10日に1回ほど、液肥の1000液肥を与えるとよいでしょう。

 

ビオラ

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・科名:スミレ科 ・別名:小輪パンジー ・1年草

・花色:黄・オレンジ・白・青・紫

・苗の購入期:11~4月

・草丈10~20㎝

・植えつけ:11~3月

・開花期:11~6月

栽培のポイント

ビオラは「パンジー」の小型で花つきのよい品種と考えればよいでしょう。鉢植えの方法を紹介します。水はけ、水もちよい土に元肥を与えて植えつけ、日当たりと風通しのよい場所で育てます。室内では日光が足りず、花つきや葉色が悪くなることが多いので、野外での栽培をおすすめします。土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えます。水切れにならないように注意します。開花期間はパンジーより長いので、液肥で月2~3回ほど追肥します。鉢植えの場合は地植えより乾燥しやすく、肥料分も水やりのときに流失しやすいので、水と肥料には特に注意します。花が咲き終わった花、枯れた葉は、パンジーと同じように花茎のつけ根で順次摘みとるようにします。春先にはアブラムシがつくことがあるので、スミチオン乳剤などで早めに対処します。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、月2~3回ほど、液肥を与えるとよいでしょう。

 

ベゴニア(四季咲き)

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・科名:シュウカイドウ科 ・別名:ベゴニア・センパフローレンス ・多年草

・花色:黄・オレンジ・白・ピンク

・苗の購入期:4~9月

・草丈20~30㎝

・植えつけ:4~5月

・開花期:3~11月

栽培のポイント

四季咲きベコニアは、とても丈夫で育てやすく、開花期間が長い花です。日当たりから半日陰でも育てられます。元肥を十分に与え水はけのよい土に植えつけます。やや夏の暑さに弱いので、夏には半日陰の場所で管理します。花は次々に咲きます。長い間咲くので、開花中は液肥を月2~3回与え、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。花が咲き終わったものは順次摘みとります。花がらを放っておくと病気になりやすく、葉や茎が腐ることがあります。そんなときは、ベンレートなどの殺菌剤で対処します。冬も暖かい室内の窓辺で育てれば、花が咲き続けます。大きくなった株は、ひと回り大きい鉢に植え替えましょう。増やし方はさし芽がおすすめです。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥や暖効性肥料を与えます。また、花期が長いので、月2~3回ほど、1000倍液肥を与えるとよいでしょう。

 

マーガレット

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・科名:キク科 ・別名:モクシュンギク、キダチカミツレ ・多年草

・花色:黄・白・ピンク

・苗の購入期:2~5月

・植えつけ:3~5月

・開花期:10~5月

栽培のポイント

マーガレットはとても育てやすく、花色も豊富な多年草です。春に花つきの苗を植えると、翌年以降も長く花が楽しめます。日当たりと水はけをよくし、やや乾燥ぎみに育てます。開花中は、液肥を月1~2回与えます。開花後は茎ごと切り、夏に切り戻しをすれば、秋にまた開花します。さし芽でふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、月1~2回ほど、液肥を与えるとよいでしょう。

 

パンジー

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・科名:スミレ科 ・別名:サンシキスミレ、コチョウソウ・1年草

・花色:赤・黄・オレンジ・ピンク・白・青・紫・黒

・苗の購入期:11~4月

・草丈10~30㎝

・植えつけ:11~3月

・開花期:11~6月

栽培のポイント

葉色がよく、茎も太くしっかりした苗を選んで購入します。水はけのよい土に元肥を与え植えつけします。日当たりと風通しの良い場所で育てます。水は表面が乾いたらたっぷりと与えます。水切れに注意します。鉢植えなら液肥を月に2~3回追肥します。春先にアブラムシが発生したら、早めにスミチオン乳剤で対処します。花がらをこまめに摘めば、長く花が楽しめます。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、月2~3回ほど、液肥を与えるとよいでしょう。地植えなら月に一回、暖効性化成肥料を置き肥します。

 

ポーチュラカ

 

 ・科名:スベリヒユ科 ・別名:ハナスベリヒユ・パースレイン ・多年草

・花色:赤・黄・オレンジ・ピンク・白

・苗の購入期:4~8月

・草丈20~30㎝

・植えつけ:5~6月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

日当たりと水はけのよい土に、元肥に暖効性肥料をすき込んで植えつけます。放っておいても育ち、よく増えます。日当たりの良い場所ほど、花をたくさん咲かせます。地植えなら、ほとんど水やりの必要はありません。鉢植えなら土が完全に乾いてから水を与えるようにします。。追肥は特に必要ないですが、春から秋にかけて、液肥を月1回ほど与えます。成長が早く、茎が伸びすぎたときは、茎の先を切って整えるとわきからまた芽を出して、花が咲きます。寒さに弱いので、冬前に切り戻して、乾燥ぎみに室内で管理します。翌年の初夏から花が咲きます。さし芽でふえます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥や暖効性肥料を与えます。追肥はあまり必要ありませんが、月1回ほど、1000倍液肥を与えるとよいでしょう。

 

ヒャクニチソウ

 ・科名:キク科 ・別名:ジニア ・1年草

・花色:赤・紫・オレンジ・黄・白・ピンク

・苗の購入期:4~9月

・植えつけ:4~7月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

春から初夏にかけて、日当たりと水はけのよい場所に、元肥を少量与えて植えつけます。地植えなら株間を10~20㎝あけます。名前の通り花期が長い、暑さに強く、乾燥にも強いです。水やりは地植えなら、葉がしおれる前に、鉢植えなら土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。追肥は10日に一回液肥を与えます。種からでも育てやすいです。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、10日に1回液肥を与えるとよいでしょう。

ナデシコ

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 ・科名:ナデシコ科 ・別名:ダイアンサス、セキチク ・1年草・多年草

・花色:赤・白・ピンク・複色

・苗の購入期:ほぼ1年中

・植えつけ:4~5月、9~10月

・開花期:3~7月、9~11月

栽培のポイント

日当たりと風通しの良い場所で管理します。水はけのよい土に元肥を与えて植えつけます。酸性土に少し弱いので、地植えなら、少量の苦土石灰まいてから植えるようにします。開花期間が長いので、液肥を10日に1回与えます。水やりは、地植えなら植えつけるときにたっぷりと与えれば十分です。鉢植えなら土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。大変、丈夫で寒さに強く育てやすいです。梅雨の高温多湿にさえ気をつければ、ほとんど手間がかかりません。梅雨時期は蒸れないように花がらをこまめに摘みます。夏には茎を半分程度、切り戻すと、秋からまた花が楽しめます。四季咲き性の品種を選べば、真夏以外はいつでも花が楽しめます。春から秋にさし芽で簡単にふやせます。

植木屋の知恵袋 

元肥に、堆肥や暖効性肥料を与えます。追肥は、10日に1回1000倍液肥を与えるとよいでしょう。

 

ニチニチソウ

 ・科名:キョウチクトウ科 ・別名:ビンカ ・1年草

・花色:赤・白・ピンク

・苗の購入期:4~8月

・植えつけ:5~8月

・開花期:6~10月

栽培のポイント

日当たりと水はけのよい土に、元肥を与えて植えつけます。花期が長いので、追肥は月に一回、チッソ分の少ない肥料を施します。高温と乾燥には強いのですが、蒸れには弱いので、梅雨時期は雨が直接当たらない場所で管理します。冬の水やりはひかえめにします。その名の通り毎日次々と花を咲かせます。さし芽でふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、月に1回チッソ分の少ない肥料を与えるとよいでしょう。

 

バーベナ

  ・科名:クマツヅラ科 ・別名:ビジョザクラ・1年草・多年草

・花色:赤・白・ピンク・青・紫

・苗の購入期:2~11月

・草丈:10~30㎝

・植えつけ:4~6月

・開花期:4~11月

栽培のポイント

ほふく性で、横に這うように伸びるので、鉢植え、地植えともに、あまり密に植えつけずに、少し間をあけます。春に苗を購入して、日当たりと水はけ良い場所で育てします。開花期間が長いので、月に1~2回薄い液肥を与えるか、2ヶ月に1回ほど置き肥を与えます。枝が伸びすぎたり、咲き終わった花を放っておくと、蒸れて生育が悪くなります。花がらはこまめに摘み、伸びた枝は半分程度で切りつめます。また、何年かたった株を根元から切り戻すと、また新しい花を咲かせます。宿根バーベナは春か秋に、株分けでも簡単にふやせます。ロックガーデンやハンキングバスッケトに植えて垂れ下がった枝に咲く花を楽しむことができるのも魅力です。

植木屋の知恵袋 

元肥に、堆肥や暖効性肥料を与えます。追肥は、2ヶ月に1回、暖効性肥料を置き肥します。月に1~2回液肥を与えるとよいでしょう。

 

ノボタン

・科名:ノボタン科 ・別名:シコンノボタン・メラストマ ・落葉低木

・花色:ピンク・紫

・苗の購入期:7~10月

・植えつけ:7~10月

・開花期:5~10月

栽培のポイント

やや寒さに弱いので、霜の降りない日なたかに元肥を与えて植えつけます。4~6月に1~2回液肥を与えます。つぼみがついてきたら、水と肥料はやや控えめにします。花期が長いので、花がらはこまめに摘み、冬は枝を切り戻して明るい室内で管理します。

 植木屋の知恵袋

元肥に、暖効性肥料を与えます。また、追肥は、4~6月に1~2回液肥を肥料を与えるとよいでしょう。

 

バラ

 ・科名:バラ科 ・別名:ローズ、チョウシュンカ ・落葉低木

・花色:赤・白・ピンク・オレンジ・黄

・苗の購入期:ほぼ1年中

・草丈:20~150㎝

・植えつけ:11~6月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

鉢植え、地植えとも日当たりと風通しの良い場所で育てます。植えつける時に、水をたっぷりと与えます。乾燥を嫌いますので、水は毎回たっぷりと与えます。鉢植えなら、夏は乾燥を避けるため、半日陰に移動します。植えつける時に、土を肥沃にしますが、冬と開花中を除いて、月に1回は液肥追肥します。花後はできるだけ早めに、花のついていた枝から、下に2~3枚葉をつけて切り込みます。夏の終わりには株の混んでいるところを軽く整理します。このとき外側に向いた葉の1㎝ほど上で切るのがポイントです。バラは黒点病やうどんこ病、害虫がつきやすので、定期的に薬剤で対処します。鉢植えのミニバラなら、苗はほぼ1年中手に入ります。普通のバラなら、苗木(つぎ木苗)を購入します。

植木屋の知恵袋 

庭植えの場合は、元肥に、堆肥や牛糞などの有機肥料を与えます。鉢植えの場合は市販のバラ用の肥料がおすすめです。追肥には、市販のバラ用肥料を与えます。

 

ハイビスカス

 ・科名:アオイ科 ・別名:ブッソウゲ・ヒビスカス ・常緑低木

・花色:赤・白・ピンク・オレンジ・黄

・苗の購入期:5~9

・草丈:20~100㎝

・植えつけ:5~8月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

日当たりと風通しの良い場所で育てます。水はけのよい土に元肥を与えて植えつけます。春から秋にかけては、月2~3回液肥を与えるか、置き肥を月に1回与えます。乾燥には弱いので、夏場の乾燥には十分に気をつけます。花は咲き終わると自然に落ちますが、花がらはこまめに摘み、次の花を咲かせようにします。夏の終わり頃には伸びた枝を整理します。寒さに弱いので、冬は室内で管理します。成長が早いので、年に1回ひと回り大きいサイズの鉢に植え替えます。

植木屋の知恵袋 

元肥に、堆肥や暖効性肥料を与えます。追肥は、液肥、または暖効性肥料を置き肥します。

 

まとめ

植物の種類が多く何を植えれば良いか迷います。まずはひと鉢の花から手軽に楽しんでみませんか。四季を通じて、心を華やかに、また豊かにしてくれます。

「花と観葉植物・ハーブの育て方がよくわかる 園芸百科」を引用文献とさせてもらいました。
papibo.hatenablog.com