庭のお医者さんに教えてもらう

庭のお困り事、解決します。

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十四 初めての松の取り木と接ぎ木

f:id:papibo:20210502151408j:plain

私の先生

はじめに

前回接ぎ木した黒松の盆栽に今回は、上部に取り木を行いました。

その前に前回接ぎ木をおこなった現在の様子を紹介します。

 

3月21日撮影

f:id:papibo:20210502151503j:plain

2月26日に接ぎ木を行った部分です。本によると半月ほどで冬芽が上に持ち上がり始めるので、袋を切り徐々に外気に慣らすとあります。

3月21日約一カ月経過、曇って袋の中がよくわかりませんが、袋の端を2ヶ所カットしました。

冬目はこれといった変化は確認できませんでした。

 

3月23日撮影

f:id:papibo:20210502153912j:plain

今年は3月頃から気温が高めで袋の中の冬芽が湿気と高温で腐ってしまわないか心配になり、袋の端をハサミで切った2日後に袋を全部とりました。

ミズゴケはまだ取り外す勇気がなかったでそのままに。

写真の下からの二つ目の接ぎ木した冬目。後ろの曲げた枝と丁度重なり合って確認しにくいですが少し上に持ち上がり始めています。

 

4月16日撮影

f:id:papibo:20210502155559j:plain

ほぼ前回と同じ。冬芽は変化は確認できません。松葉の色が赤くなってきました。心配になり本を読み返すと接ぎ穂の伸びに合わせて上部を切りつめるとありますが・・・

 

 5月4日撮影

f:id:papibo:20210504123857j:plain

冬芽が少しふっくらしてかなり持ち上がり始めました。

 

5月4日撮影

f:id:papibo:20210504124115j:plain

こちらの松もあきらかに変化が確認できます。

 

5月4日撮影

f:id:papibo:20210504124330j:plain

こちらの松は大きな変化なし。

 

5月4日撮影

f:id:papibo:20210504124532j:plain

こちらの松は大きな変化は確認できません。松葉の色が気になります。


4月28日撮影f:id:papibo:20210502161224j:plain

本題の取り木

松柏類の取り木の時期は3月中旬~4月下旬が最適期とのこと。(本によって多少違があります)

f:id:papibo:20210502162736j:plain

使う道具と材料です。

取り木の方法は「そぎ上げ法」「針金しばり法」「むき取法」がありますが、成功率も「そぎ上げ法」「針金しばり法」「むき取法」の順番とのこと。

初めての取り木、失敗すれば取り木をかけた箇所は台無しとなります。今回は、一番簡単で成功率も高い「針金しばり法」を多くおこない、また、どの本でも紹介されている「むき取法」もチャレンジしました。

 

4月28日撮影

f:id:papibo:20210504125121j:plain
針金で固く結わえます。結え方は本によって多少方法が違います。要は針金を結わえた枝が人間で言うところのうっ血状態になり肥大化し針金の上のところから根を出すということ。食い込むほど強く針金を結わえた方が成功率が高いようです。

f:id:papibo:20210504125742j:plain

強く結わえたら、針金が見えなくなるまで食い込みました。こんなにも食い込ませてよいのか・・・
f:id:papibo:20210502162237j:plain

針金を結え終わったら、水に浸したミズゴケをあてがいます。

f:id:papibo:20210504130017j:plain

ミズゴケは多めにあてがいました。

f:id:papibo:20210504130129j:plain
ミズゴケの上から穴あきビニール袋で包みます。本では上部をひもで軽く結わえ、下部を固く結わえとありますが、写真の枝のようにほぼ平行な枝なので上も下もありません。両方を固く結わえ、爪楊枝で下側に多く穴をあけ水がたまらないようにしました。

f:id:papibo:20210504130657j:plain

この松は、合計4ヶ所「針金しばり法」をおこないました。

f:id:papibo:20210502161737j:plain

こちらの松は上部一か所「針金しばり法」。

f:id:papibo:20210502161924j:plain

上の写真松は「むき取法」をおこないました。

本によると木質部まで環状にはく皮します、とありますが・・・おそるおそる、よく切れる小刀で上と下3㎝ほど間隔をあけて幹の周りを一周切れ込みを入れ、上と下の切れ込みをつなぐように、縦に切れ込みを入れました。

f:id:papibo:20210502161958j:plain

もっと難しいと思っていましたが、見事につるっとむけました。この時期は樹木はさかんに水揚げをおこなっていてむけやすくなっていることを思い出しました。

修業時代にクレーンなどで樹木を釣り上げたる時、吊りバンドがしっかりとしまっていなかったら、親方に皮がずるっとむけるからしっかりとバンドをしめろと怒られたものです。

f:id:papibo:20210502162026j:plain

こんな感じにきれいにむけました。

f:id:papibo:20210502162134j:plain

この松は一か所。これで作業終了。

 

まとめ

取り木ヶ所は合計6ヶ所、全部失敗ということはいくらなんでもないでしょう。と信じ、取り木ヶ所にも水をかけるようにしたいと思います。また、接ぎ木ヶ所は全部で10ヶ所です。5月4日時点では2ヶ所は確実に成功したと思います。取り木と接ぎ木の今後もブログで紹介していきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

 






 












樹木医師の、のんびりとした田舎暮らし 其ノ十一 初めてのメルカリで糸魚川シンパクを購入

f:id:papibo:20210502122825j:plain

私の先生

はじめに

去年から欲しかった「糸魚川シンパク」の苗木をやっと手に入れました。

大手のネットショップでチェックはマメにしているのですが、これといった苗木が無く

ダメもとでメルカリをあたってみたら、値段とサイズもお手頃な苗木がありましたので購入しました。

初めてのメルカリで買った糸魚川シンパクの苗木の紹介とメルカリを利用して感じたことをブログにしました。

 

真柏は五葉松、黒松、杜松、錦松とともに、盆栽の人気を集めています。

糸魚川シンパクは従来のシンパクよりも葉が短く優れた性質を持ち、シンパクの王様ともよばれています。糸魚川にある明星山や黒姫山の断崖絶壁に自生しているのを、掘りだしたものです。現在は、採りつくしてほとんどないようでが、挿し芽が容易で現在、でまわっている糸魚川シンパクは挿し芽、とり木で増やしたものです。

 

4月30日撮影

f:id:papibo:20210502123141j:plain

たまたま、商品を売ってくれた方が迅速な対応をしてくれたのかは初めてのメルカリ購入なので分かりませんが、注文して2日目にはらくらくメルカリ便で家に届きました。

いつもは大手のネットショップで購入していましたので、この対応の速さにビックリです。(いつも商品が届くのが遅いと私は思います。)

4月28日購入ボタンをクリック→4月29日売り手方商品の発送→4月30日商品が届く、でした。

f:id:papibo:20210502130010j:plain

私も売り手側になる可能性もありますので、念入りに撮影。

荷物のサイズは底辺が30×26、高さが30㎝です。てことは、縦、横、高さの合計サイズで料金が決められている宅配便はこの場合どうなるのでしょう?

伝票を確認したところ60サイズ。てことは、「ワレモノ注意」と書かれた底のダンボールとppバンドはクロネコの仕事ということですね。これなら違う担当の運転手でも横向きに置かないでしょう。なるほど。

てことは、苗木が入っている箱の大きさが高さ30×底辺10×10で合計50㎝。

なるほど、全国一律料金の60サイズ700円で売り手の人は送ってくれたのですね。

f:id:papibo:20210502130325j:plain

「上 大切に運んで下さい!!」の文字が素人感を感じさせますが、売り手の方はこれが一番大切なのでしょう。とても気持ちが込められています。箱を梱包した売り手の方とppバンドで横向きに置かないように結束したクロネコ。これならば、次も安心して苗を購入できます。

f:id:papibo:20210502134533j:plain

本題はこれから。

シンパクを箱から引き抜こうとしても、持ち上がりません。

何かで底面に固定されています。

これは想定内です。

f:id:papibo:20210502134644j:plain

ということで側面をカット。

何と針金で苗木のポットにしっかりと固定されていました。

強力な粘着テープで固定されていると思いきや、このてがあったかと感心。

これならば、かりに上下が逆さまになっても大丈夫でしょう。

f:id:papibo:20210502135403j:plain

鉢のポットの土の部分を濡れた新聞を詰め、その上からコンビニの袋で覆ってさらにサランラップで頑丈に固定されています。

これは想定内でした。

f:id:papibo:20210502140039j:plain

今回購入した糸魚川シンパクの全体像です。高さ25㎝、葉張り15㎝、太さ中指ほど。

樹齢は聞いて購入しなかったのではっきりとは分かりませんが、幹の太さと根の張り具合から挿し芽4年ではないかと思います。(間違っていたらごめんなさい)

また、下枝のしたで幹にひねりが施されています。

f:id:papibo:20210502135635j:plain

気になる鉢の部分は、しっかりとした良い根がでています。これなら枯れずに活着するでしょう。

f:id:papibo:20210502140913j:plain

鉢植えにせず花壇で数年培養したいと思います。

f:id:papibo:20210502141103j:plain

まとめ

大手ネットショップでは、糸魚川シンパクの苗木は数が少なく、あったととしても売れきれか、値段が高いです。

今回メルカリでシンパクを探してビックリ。ほとんどが完売していましったが、数多く糸魚川シンパクの苗木が出品されていることに驚きました。また、値段も送料込みのお手頃な価格。大手ネットショップよりお得ではないかと思います。

購入にあたって画面で見たシンパクと実際に送られてきたシンパク想像以上の良い商品でした。

今回の一連の流れを私個人の偏見と独断で点数を付けるとしたら、ズバリ80点です。これといって悪い所はありませんが、私は糸魚川シンパクとシンパクの区別がつきません。購入シした糸魚川シンパクが普通のシンパクの可能性も考えられますので80点にしました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次はシンパクの挿し木にチャレンジしたいと思います。また、ブログに載せたいとおもいますので読んで下さい。

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十三 初めての黒松と赤松の実生仕立て

f:id:papibo:20210502105443j:plain

私の先生

はじめに

去年の秋に採取した黒松と赤松の種をまき、実生仕立てに挑戦したいと思います。

f:id:papibo:20201012111242j:plain

令和2年9月27日 

家の近くの山と海で、黒松と赤松の松ぼっくりを採取。

f:id:papibo:20201012111533j:plain

令和2年10月1日 

青かった松ぼっくりも次第に茶色になってきました。

f:id:papibo:20201012111720j:plain

令和2年10月5日

早いものは、松ぼっくりがひらいてきて種子が自然にこぼれ落ちています。

f:id:papibo:20201012111623j:plain

令和2年10月9日

写真は黒松の松ぼっくりです。種子は手でもんで羽根をとりました。

f:id:papibo:20201012111650j:plain

全ての松ぼっくりの種を採取しましたので、日付を記入して冷蔵庫で来春まで管理します。

f:id:papibo:20210316101801j:plain

令和3年3月14日

いよいよ明日種まきを行いたいと思います。

種子は播種前日に一晩水につけました。

f:id:papibo:20210316101854j:plain

上の写真は、水に種子を入れた直後です。入れたとたんに、沈む種子と浮かぶ種子と別れました。

f:id:papibo:20210316101926j:plain

令和3年3月15日

上の写真は一晩水につけておいた種子です。ほとんど沈まず浮いています。

去年の秋に採取した松ぼっくりが悪かったのか、保存の仕方が悪かったのか、良い種子の場合もこれぐらいの割合で沈むのか、初めての挑戦なのでわかりません。

f:id:papibo:20210316102004j:plain

浮いた種子は発芽不能ということなので捨て、沈んだ種子を新聞の上に広げ水気をきりました。約30つぶ程とれました。

f:id:papibo:20210316102036j:plain

今回はバーミキュライトだけの用土に種まきをしました。バーミキュライトは水や空気を通しやすい特徴があります。また、保水性もあります。

本では、一ミリ以下のミジン粉を抜いた赤玉土7、砂3で紹介されていましたが、私はバーミキュライトを用いました。その理由は、去年バーミキュライト単体のさし床で松の挿し芽に成功したのと、その後、野菜の種まきをしましたら見事に発芽。それ以来、用土にバーミキュライト単体を用いています。

f:id:papibo:20210316102111j:plain

 種子をまき、覆土は種子の2~3倍かぶせました。

 

4月16日撮影

f:id:papibo:20210502111252j:plain

 本によると半月程で発芽するとのっていましたので、ほぼ一ヶ月何の変化もないので、用土と管理が悪かったとあきらめかけていましたが4月16日まちにまった発芽を確認。

 

4月24日撮影

f:id:papibo:20210502112306j:plain

早く出た芽は先の方が膨らみだしました。

 

4月28日撮影

f:id:papibo:20210502112537j:plain

なんて、可愛い。

 

5月2日撮影

f:id:papibo:20210502121058j:plain

ここまできてようやく松らしくなってきました。この段階では黒松と赤松の区別がつきません。ちゃんとわけて種まきすればよかったと後悔です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

もう少し伸びましたら「軸切り挿し芽」に挑戦したいと思います。また、ブロブで紹介したいと思います。

 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十四 モミジを溶岩石と流木に植えつけました

f:id:papibo:20210502104804j:plain

私の先生

はじめに

令和3年3月26日

去年の秋に近くの山で採取した「モミジ」の苗木を溶岩石と流木に植えつけたいと思います。

f:id:papibo:20210326144627j:plain

写真の石は、横幅50㎝、高さ35㎝、奥行35㎝の溶岩石です。

溶岩は急冷する際にガスが噴き出し、小さな穴がたくさんある岩石です。非常に軽く、石の大きさからは考えられないほど軽く、このサイズで、約5kgほどしかありません。

今回は、この溶岩石の窪みに、モミジを植えつけたいと思います。

f:id:papibo:20210326144712j:plain

室外機と比べるとこんなサイズです。

苔を張り付けて鑑賞していましたが、少し寂しい感じですね。

f:id:papibo:20210326144755j:plain

去年の秋に採取した、イロハモミジです。持ち帰った時は根が粗かったので、苗床で越冬させました。

高さは約20㎝、太さは鉛筆の半分程度の苗木です。

ここで少し豆知識

モミジは紅葉する植物の総称ですが、園芸界では一般に葉の切れ込みの深いものをモミジ、浅いか、切れ込まないものをカエデといっています。

モミジの植えつけは芽がほころびる直前の3月が適期です。

f:id:papibo:20210326144843j:plain

今回使う土は、右から赤玉土とケト土です。

赤玉土は、無機質な用土になります。そのため雑菌などが繁殖しにくく、保水性、排水性、保肥性に優れます。

ケト土は、湿地のヨシやマコモなどが堆積分解しかかった粘りのある泥状の土です。乾燥すると固まるため、盆栽や立体的な寄せ植えでは接着剤として利用できます。土の肥料分は豊富ですが、水はけが悪いので赤玉土などを混ぜて用土にします。

f:id:papibo:20210326144919j:plain

ケト土7:赤玉土3の割合で、水を加えてよく混ぜます。

f:id:papibo:20210326144953j:plain

溶岩石の窪み。

この窪みに植えつけていきます。

f:id:papibo:20210326145030j:plain

f:id:papibo:20210326145108j:plain

f:id:papibo:20210326145147j:plain

約半年、苗床で管理した甲斐がありました。良いひげ根がたくさんでています。

f:id:papibo:20210326145220j:plain

窪みに根っこを差し込んで上からケト土をしっかり抑え込んだら、植えつけは完了です。枝数が少ない、枝先が軽い素材なので、針金などで縛らなくても大丈夫です。大きくなるにつれて溶岩石の無数の窪みに、しっかりと根を張るはずです。

f:id:papibo:20210326145257j:plain

乾燥防止と見栄えもかねて、苔を貼ります。これで完成です。

モミジをあえて、左側の窪み配置しました。

右側の窪みには、現在、苗床で育てている松苗を植えつけたいと思います。

f:id:papibo:20210326145351j:plain

写真は、3年ほど前に海で拾ってきた流木です。防腐処理を施しましたので、少し色が黒っぽくなっていますが、松の株だと思います。

台風が通過後、海の河口付近で拾いました。たまに、よい流木に出会います。

f:id:papibo:20210326145431j:plain

こちらも良いひげ根がでています。

f:id:papibo:20210326145510j:plain

植え付けて、こちらも苔を張り付けて完了です。

f:id:papibo:20210326145545j:plain

 最後までお読みいただきありがとうございました。

また、松を配植したらブログに載せたいと思います。

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らし 其ノ十 初めてのシイタケの原木栽培

はじめに

 関西から移住して早5年。毎日、田舎暮らしですが、飽きることなく、毎日楽しく暮らしています。

下の写真は、お爺さんから相続した雑木林です。お爺さんが植えた「クヌギ」の木が数十本植林されています。今年こそは、このクヌギの木を利用してシイタケの原木栽培にチャレンジしたいと思います。

f:id:papibo:20210312114557j:plain

去年の春(4月頃)に原木栽培にチャレンジしようと、クヌギの木を切り倒しました。

切り倒してから、図書館で借りてきた本が下の写真の本です。恥ずかしながら、去年の春に切り倒した木は時期が悪かった事を本を読んでしりました。

今回は、この本をお手本に、去年の失敗を反省して再度シイタケの原木栽培にチャレンジしたいと思います。。

f:id:papibo:20210314133603j:plain

クヌギは、本州(青森を除く)から九州までの広い範囲に自生するブナ科の落葉高木です。「クヌギ」「ブナ」「カシ」「コナラ」などの木の実を、ドングリといいます。

 シイタケの原木栽培に適している樹種は、「コナラ」「クヌギ」「クリ」「シイ類」「カシ類」「シデ類」です。

令和3年2月15日

f:id:papibo:20210312114641j:plain

キノコの種類にかかわらず、原木の伐採には適期があります。栽培用の原木は、葉が落ち始める秋期から、発芽直前の春期にかけての休眠期間に伐採するのが鉄則で、これ以外の時期に伐採された原木を用いると、充分な栽培結果が得られません。

休眠期間は、樹幹内に蓄えられた樹木の栄養素は、この期間中がもっとも豊富です。また、植え付けられた菌は菌糸を伸ばして生長しますが、原木の樹皮はこの菌を保護する役割を果たしており、その樹皮が内材ともっとも密着しているのが休眠期であることであり、このことから休眠期に切る意味があります。

切り倒した伐木は、内部の水分を抜くために、通常2~3週間は切り倒したままで放置します。これを「枝干し」と呼びます。

 

令和3年2月15日、切り倒した原木は、約9mありました。去年の失敗は原木を切る時期を完全に間違っていました。

f:id:papibo:20210312114713j:plain

上の写真は、去年の春に切ったクヌギの切り株です。ひこばえが生えてきています。

雑木などは、切り倒しても20年ほどで元どおりになるといいます。再生力の高さに驚かされます。

f:id:papibo:20210312114752j:plain

よさそうな枝を一本残し、後は切りました。上の写真。

令和3年3月7日

f:id:papibo:20210312114831j:plain

約二週間、経過しましたのでシイタケの栽培法に合わせた寸法に切りそろえます。

この工程を「玉切り」といいます。

シイタケの普通栽培は、原木の太さ(直径)6~20㎝。原木の長さ90~150㎝とありますが、直径5㎝の原木しかとれなかったとしても、また、長さが50㎝しかなかったとしても、りっぱなキノコは栽培できるとあります。原木一本当たりのキノコ発生量が少なくなるだけのことです。細く短い原木は乾燥速度が早いため、伐採から種菌の接種までの期間を、標準の場合より短くする必要があります。

今回、切り倒した原木は約9mあります。一番太い幹元は直径約20㎝。1メートルで切りそろえ、直径7~20㎝の原木9本とれました。

f:id:papibo:20210312114903j:plain

玉切りの工程が終わると、次は、その原木に種菌を接種しますが、原木内の残存水分が36パーセント程度の時期が最適とされています。原木をこの状態にするためには、玉切りした原木を、直射日光の当たらない日陰に置いてしばらく乾燥させてやらなければなりません。それは、栽培の対象となるキノコは、いずれも死物寄生菌であり、接種された菌が菌糸を伸ばして生長するためには、その木質部がほぼ枯死した状態でなければなりません。つまり、伐採後に枝干しして水分を抜き、そのあと玉切りした直後には、まだ原木が生きた状態にあるために、玉切り後にさらに乾燥させて枯死状態にします。

水分36パーセント程度の状態は通常、木材を伐採してから、30日前後の日数を要します。したがって、伐採してから玉切りまでの間、2~3週間をそのまま放置したら、種菌を接種するまでには、玉切り後なお10~15日程度、日陰に置いて乾燥させます。

f:id:papibo:20210312114939j:plain

原木を乾燥させますが、直射日光を防ぎ、徐々に乾燥させるために寒冷紗を利用。

令和3年3月13日

f:id:papibo:20210312115018j:plain

原木の準備が整ったら、次の工程は種菌の接種となりますが、原木の伐採に適期があるのと同様に、種菌の接種にもふさわしい時期があります。

キノコの種類によっても多少の差異はありますが、キノコの菌糸は、おおむね外気温が5℃を超えると活動を開始し、20~27℃あたりにかけて生長の盛期を迎えます。

1日の平均気温が5~10℃になるころが接種の適期とされています。近畿地方平野部では2月中旬~3月中旬、関東地方南部では2月下旬~3月下旬、東北地方太平洋側では3月中旬~4月中旬、そして北海道札幌地方では3月下旬~4月下旬頃になります。キノコ農家では、桜の花が咲くまでに接種を終了するのが通例。

梅雨時や盛夏など気温や湿度の高い季節には、ほかの雑菌類の活動も活発なため、キノコ菌糸の伸長がこれによって阻害されつ確立が高く、一方、寒冷期に向かう秋期には、接種をしても菌の活動自体が停滞してしまうことになります。

 

令和3年3月13日いよいよ接種に取りかかります。接種を行うあたっては、上の写真の道具「インパクトドライバー」「ストッパーが付いたドリル刃」「ハンマー」「手押しブロワ」を準備しました。

f:id:papibo:20210312115053j:plain

上の写真は今回ホームセンターで購入した、「日本農林種菌株式会社」のしいたけ棒型200個×2袋です。なんでもパッケージに「当社従来品種より1年早く発生」と書いてあるのが、選んだ理由です。

種菌は「丸クサビ型」で直径8.5mm、長さ18mmとなっています。

f:id:papibo:20210312115132j:plain

上の写真はインパクトドライバーの先に取り付けたストッパーが付いたドリル刃です。

直径8.5mm、深さ25mmの穴が開けられます。

打ち込んだ種菌の先が少し空間ができるようになっています。

f:id:papibo:20210312115208j:plain

上の写真はハンマーで打ち込んでいる様子です。

木口から約5㎝、駒の間隔は15~20㎝。次の列はチドリに列の間隔4㎝あけて打ち込みました。

f:id:papibo:20210312115247j:plain

 原木の大きさ(体積)に対して、あける穴の数には適数があります。その数を求める標準的な数式は、原木の直径(㎝)×長さ(m)×2~2.5=打ち込み種個数。

例、長さ1m、直径10㎝の原木ならば、「10×1×2~2.5」となり、打ち込む種駒の数は20~25個が標準となりますが、早期発生や雑菌の繁殖防止を目的に、標準値の1.5~2倍の種駒接種を行うことも可能。また、枝を落としたあとの節部や傷口、虫に喰われた部位、木口の周辺部などは、雑菌が侵入しやすいので、種駒を余分に打ち込むようにします。

今回は、木口20㎝~10㎝の原木5本に合計で400個打ち込みました。

f:id:papibo:20210314131059j:plain

木口が7~10㎝の原木が3本残りましたので、残った原木には「なめこ」の種菌を打ち込むことにしました。

上の写真は「日本農林種菌株式会社」のなめこ棒型200個です。

原木を利用したキノコ栽培法には、先に行ったシイタケの原木普通栽培(長木栽培)に対して、なめこは大径木の原木を短く切って利用する「短木栽培法」が本では紹介されていました。

短木栽培は原木の断面(木口面)にオガクズ種菌を塗着する方法で接種を行いますが、肝心な「なめこオガクズ種菌」が手に入らなかったのでシイタケと同様に原木普通栽培方で行うことにしました。シイタケ同様に種菌を打ち込み作業終了。

f:id:papibo:20210314131130j:plain

次の工程は「仮伏せ込み」です。

接種された種菌が活着して、原木内に菌糸を伸長させて成熟し、キノコを発生させるまでの期間、それにふさわしい状況下に原木を置いて管理することを「伏せ込み」と呼びます。

この伏せ込みには、接種した種菌を原木に活着させる段階と、活着した種菌の菌糸を原木内に深く伸長させて成熟させる段階との2工程があり、今回行う工程は仮伏せ込みになります。

仮伏せは、接種した種菌をなるべく、かつ充分に原木に活着させるために、原木はやや渇いた状況を保ちつつ、同時に種菌には必要な水分が保たれている状態が望ましい。したがって、仮伏せでは、種菌の湿度保持のためにしばしば水をかけることも必要となるし、乾燥過度をもたらす直射日光からも遮蔽してやらなくてはなりません。

これらの要件を満たすためには、風通しがよく、かつ排水性に優れた薄暗い場所を選ぶこと、明るさと暗さの比率が7対3程度の若い樹林のなかが理想的です。

令和3年3月13日

山に上がって雑木林に仮伏せを行います。保温と保湿のためにその周囲を「寒冷紗」でおおいました。

このままで放っておいても活着することは多いとのことですが、なお活着率を高める為に、ときどき原木の状態を調べ、好天続きで乾きすぎのようなら散水して水分を補給したと思います。

f:id:papibo:20210315153727j:plain

 こうして仮伏せしておくと、通常は、1~2ヶ月後に木口面に伸長した菌糸が白く浮きでてくるという、これが見られた場合には無事活着した証拠とのこと。

2ヶ月後には、次の工程の「本伏せ」をブログに載せたいと思います。

 まとめ

お爺さんが亡くなって十数年経ちます、ひょんなことから相続することに。

お爺さんが植えたクヌギの木、まさか孫の私が利用するとは思ってもいなかったはず。かたちはどうであれ、お爺さんが喜んでいるに違いないと思うと、少しうれしくなりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

原木ではなく、瓶や箱、耐熱ポリ袋などの容器を用いた屋内でも可能なキノコ栽培の方法も載っています。もしよければ。

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らし 其ノ九 白魚獲り

はじめに

鳥取県に移住して、はや五年目となりました。毎日、田舎暮らしですが飽きること無く

スローライフを楽しんでいます。田舎暮らしは、春夏秋冬楽しめますが、春は特に楽しめる事が多くあります。春の楽しみの一つ「白魚獲り」をこの度は紹介します。

 

白魚(シラウオ)は日本の温帯沿岸域やサハリン、朝鮮半島などに分布し、河川の河口域から湾内の沿岸域、汽水湖に生息し動物プランクトンを食べている。体長5~10㎝の細長い小魚です。魚体は透き通っていて、死後時間の経過と共に白っぽくなります。産卵期は2~5月で地方によって多少時期がずれますが、この時期になると産卵のために河川を遡上すると言われています。

令和3年3月6日

f:id:papibo:20210307094906j:plain

奥に見えますのが、はわい温泉です。

私の住む町から車で約30分で来れる東郷池、周囲約10㎞の汽水湖で、鳥取県のほぼ中央に位置します。池の中央付近の湖底からは温泉が湧くという全国的でも珍しい池で、湖畔には、はわい温泉と東郷温泉があります。また、シジミ漁でも知られています。

f:id:papibo:20210307104226j:plain

白魚獲りは至って簡単。ただ、やみくもに「たも」ですくうだけです。腕などは、関係なく獲れる時は誰でも獲れます。ただ「たも」は獲れる量に大きく関係します。

今年で3年目になる白魚獲り、赤い柄の「たも」は去年東郷池の湖畔にある釣具屋で購入。柄は伸縮性で1~3mと優れもの、「たも」の円形は約60㎝と大きめですが、素材はアルミニウムと軽量な造りとなっており、女性でも白魚を一網打尽にできます。母のお気に入りで、これを購入してから、母の方が多く獲れることもしばしば。

f:id:papibo:20210307113340j:plain

3年目ともなると、白魚が獲れる気象条件もわかるようになりました。風が強く吹く時が絶好なチャンス。この日は冬型の気圧配置となり山陰地方は気温が10℃を下回る肌寒い日でしたが、北風が8mと強く、こういった風の強い日は波が白魚を岸に寄せて大漁となります。あとは岸に寄せられた白魚を岸からひたすら「たも」ですくい上げるだけです。だだ、波をかぶって濡れることも。

この日は週末ともあって、親子ずれが多く来ていました。

f:id:papibo:20210307120241j:plain

まだ、白魚シーズン入ったばかりです。獲れる時は一回すくい上げただけで数十匹ということも。

風がない時でも、獲れる時があります。シーズン真っただ中の時は、風がなくても岸によって来ることがあります。風の無い日は水も透き通っています。その時は白魚の泳ぐ姿を見つけて獲りますが、白魚はご覧の通り半透明でとても見つけにくく、すばしっこく難しいですが、白魚は群れで泳いでいます。上手く群れをすくい上げられたら、こちらも一回で数十匹、獲れることもしばしば。見て獲る方が獲った感じが強いので、こちらの獲り方を好む人も多いです。

f:id:papibo:20210307120315j:plain

「たも」をすくい上げる事3時間。

f:id:papibo:20210307121539j:plain

けっこう獲れました。今年は二月終わり頃から来ていますが、今年一番の大漁です。家に帰って計ると約1㎏ありました。ご近所にお裾分けして残りは美味しく頂きました。白魚は冷凍も出来ますので多く獲れた時は冷凍保存します。

f:id:papibo:20210307124238j:plain

毘沙門天の湯


まとめ

濡れた時や肌寒い日は足湯で温もってから帰るのが我が家の楽しみです。東郷池周辺には七福人にちなんで七つの足湯があります。足湯に入って見る東郷池もオススメです。

f:id:papibo:20210307125627j:plain

去年の4月頃の東郷池です。満開の芝桜を見ながら白魚を獲りました。白魚はゴールデンウイーク頃まで獲れます。

たも網は目の細かいのがオススメです。

 







 

 

 

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ八 八朔の木にマシン油散布と寒肥

 

f:id:papibo:20210303143832j:plain

はじめに

上の写真はお爺さんが植えた八朔の木です。樹齢は約50年は経っています。毎年沢山の八朔がなり、毎年二月に収穫と剪定をしますが、今年はうっかり写真を撮るのを忘れてしまいました。来年にはブログで紹介したいと思います。

下の写真は去年収穫した写真です。一本の木から数えきれないほど穫れました。とても美味しく、みずみずしいので毎年近所の人達に食べてもらいます。

 

令和3年3月3日 今日は天気も良く、風も穏やかなので八朔の木に「マシン油」の消毒と「寒肥」をやりたいと思います。

f:id:pupebo:20200203115700j:plain

 下の写真は八朔の木に付いたカイガラムシです。去年、夏場の消毒散布の甲斐なく、越冬したとおもわれます。

このカイガラムシは「イセリアカイガラムシ」で古くからミカン類の重要害虫として有名で、新梢に群生した場合はすす病を併発し、樹勢が衰えるばかりでなく、枝を枯死させる厄介なカイガラムシです。

発生時期は年に2~3回の発生ですが、発生が不規則で年間を通じて見られます。特に6月、8月、10月頃が多くみられます。

防除法は被害木の少ない場合は、角ベラの様なものでそぎ落としますが、多発の場合は幼虫発生期の6~7月頃に、「スプラサイド」「カルホス」「スミチオン」「サリチオン」の各乳剤1000~1500倍液のいずれかを2~3回散布します。(中10日間あけて前回と異なる薬剤を散布します。)

また冬期の12月~3月頃に落葉樹15~20倍、常緑樹30~45倍液のマシン油乳剤を散布しておくと「カイガラムシ」「ハダニ類」「アブラムシ」「コナジラミ類」などの駆除が難しい害虫に効果を発揮します。

 

お爺さんの屋敷の八朔の木もすす病を併発て、毎年このカイガラムシに苦労させられます。

マシン油が効果があるのは分かっていても自分の家となるとめんどくさくなりつい忘れてしまい、暑くなってから後悔します。

f:id:papibo:20210303144858j:plain

マシン油はその名のとうりマシン油が原料です。鉱物油などを由来する機械油に乳化剤を混ぜ合わせたものです。水で希釈して使用します。マシン油は、物理的に虫体を被膜、窒息させる薬剤で、体内に薬剤が到達しにくいカイガラムシや薬剤抵抗性(農薬が効かない)が出やすいハダニ類に効果があるとされています。

夏場に利用できるマシン油ものもありますが、この度は「キング園芸 マシン油乳剤」を使用しました。薬害が出る恐れがあるますので使う時期や回数などに注意が必要で、樹木の休眠期、春の新芽が出るまでに散布します。30倍で希釈して使用しましたが、水で希釈してもほぼ油といった感じです。散布する際は風が無い日、建物、など十分に気を付けて散布します。石灰硫黄合剤と違いマシン油は臭いは気になりません。

f:id:papibo:20210303154939j:plain

薬液が付着し難い作物などには薬剤の効果を安定させるためには展着剤も使用しますが、我が家ということもあり、この度は展着剤は使用していません。

 今回はエンジン式の噴霧器を使用しましたが、使用後タンクの中が油まみれになります。使用後はタンク、ノズル内をキレイに洗浄し片付けます。私は食器洗剤をタンクに5㎎ほど入れて水洗いします。簡単にタンクが洗浄できますよ。

f:id:papibo:20210303155028j:plain

 次は沢山の実をつけてくれたお礼もかねて寒肥をします。使う肥料は鶏糞とダイシストンです。お客さんのお宅では油かすを使用していますが、我が家では単価が安く、栄養バランスも良いの発酵鶏糞を使います。

鶏糞は、有機肥料の一種です。植物の生長に必要な、窒息、リン酸、カリウムがバランスよく含まれています。また、カルシウムやマグネシウムといった微量成分もたくさん含まれていることも樹木には嬉しい肥料です。植えつける時の元肥としても利用できます。特に野菜や果樹といった栽培期間の長いものに対して有効です。

ダイシストンもオススメです。ダイシストンは植物の根や葉から薬の成分が吸収され、植物体内に移行する薬剤です。葉などに移行した成分は殺虫効果を持ち、その葉を食害した害虫などに効果を発揮します。効果が持続する期間が約2カ月と長く作物の収穫が半年以降といった果樹、庭木には嬉しい薬剤です。害虫の退治だけではなく予防にも効果が期待できます。

鶏糞10ℓとダイシストン一袋の約半分と、大きく掘った穴に沢山、施肥します。

f:id:papibo:20210303155145j:plain

上の写真は八朔の根っこです。肥料を入れる穴を掘っていると沢山「ひげ根」が出てきます。「ひげ根」は水分と栄養を吸収する大事な根っことされています。肥料を毎年施肥していない果樹や庭木は普通木の幹から数十㎝程に「ひげ根」はありません。「ひげ根」は根っこの末端にある根っこです。

何故、この八朔にはこの場所に「ひげ根」があるのでしょう。その答えは、施肥を入れる穴をあける際どうしても根っこを傷つけてしまいます。大きな根っこもシャベルで傷付けてしまうこともよくあります。お客さんが見たら、いい気はしないでしょうが、樹木は傷ついた根っこの切口から新しい「ひげ根」を沢山出します。施肥を毎年行うことで「ひげ根」が沢山でき樹木は元気になると言う事です。

また、有機肥料は化成肥料など、違い暖効性の肥料です。直接的根っこに肥料が施肥しても肥料負けを起こす心配もありません。

f:id:papibo:20210303155236j:plain

後は土をかぶせて終了です。来年も沢山の実を付けてくれるでしょう。

 

まとめ

植木屋の世界では、寒肥にダイシストンなどを肥料と一緒に施肥しますが、ダイシストンは現在は製造されていません。「ダイアジノン粒剤(普通物)」、「バイジェット粒剤(劇物)」「フォース粒剤(劇物)」などが、この代替剤です。ただし、ペットなどを飼われているお宅などではペットが掘ったりしないように気をつけてください。また、樹木に元気がない時などは木の根っこを、わざと傷付けて樹勢を復活されるやり方もよく植木屋の世界では知られています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


 

一般家庭ではダイシストンの代替えでオルトランが使いやすいです。

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ七 初めてのソテツの種

はじめに

ソテツは裸子植物ソテツ科の常緑低木です。日本列島の九州宮崎県が自生北限で主に海岸近くの岩場に生育しています。

私の住む山陰地方ではもちろん植栽したソテツです。冬はこも巻きなどをして冬を越しますが、多く植栽されていて珍しくはありません。

九州南部や四国では「フェニックス」や「ワシントニアパーム」、「ソテツ」などを植栽して南国ムードを演出するのによく利用されます。

古くから京都のお寺などでもよく植栽されていて、南国をイメージされるより和をイメージされる方もおおいかとおもいます。私が思うに似た樹形から「ソテツ」と「シュロ」を同じ植物と認識している方が多いのだと思います。

「ショロ」と違い「ソテツ」は洋風の建物にとてもよくなじみます。(特に白い壁など)

私も昔洋風の建物に「ソテツ」を植栽した経験がありますが、チャンスがあればもっと「ソテツ」を使った庭を造りたいと思います。暖かい場所なら、とても手のかからないローメンテナンスなエキゾチックな植物です。

f:id:papibo:20210227144209j:plain

つい最近仕事で「ソテツ」を剪定していますと梅干しの種の様なものが落ちています。

 その時「ソテツ」の種と知らない私は、梅干しの種とばかり思って仕事をしていました。

心の中で誰がこんなところに梅干しの種を捨てたのはと、腹を立てていました。

f:id:papibo:20210227144252j:plain

最後に後かたずけをしていると「ソテツ」の足元にも梅干しの種が沢山落ちています。

はずかしながら、その時はじめて「ソテツの種」ということがわかりました。

f:id:papibo:20210227144329j:plain

上の写真は「ソテツ」の種です。

一度「ソテツ」の花を見たことがありますが、正直なところ花の大きに何とも言えない不気味さと、気持ち悪さを覚えましたが、その後にこのような実がなるとは知りませんでした。

持って帰り「さし床」に植えようと思い拾い集めていると、「ソテツ」の幹から沢山イボの様な「幹ぶき」が目に止まりました。

f:id:papibo:20210227144414j:plain

この「幹ぶき」は「ソテツ」の花と違い珍しくなく、よく見かけますが、最近はどの木を見ても盆栽の視点で見ることが多くなった私。

この「幹ぶき」盆栽にできるのかなー?

f:id:papibo:20210227144502j:plain

「幹ぶき」は手で簡単に取れましたが、もちろん根はありません。

f:id:papibo:20210302140818j:plain

上の写真は「種」と「幹ぶきの芽」のお尻側です。
f:id:papibo:20210227144633j:plain

この度は、さし木の発根促進剤の「ルートン」を使用しました。

「ルートン」は白い粉末で発根させたいか部分に付着させて「さし床」に挿すというものです。挿し木、挿し苗の発根を促進する植物生長調整剤です。挿し木、挿し苗の活着がよくなります。

f:id:papibo:20210227144705j:plain

種はいつもの「さし床」に。

「さし床」は通気性、排水性、保水性のよい「鹿沼土」「バーミキュライト」「パーライト」「ピートモス」を混ぜ合わせた、混合土を使用しています。とても芽出しがよいです。

f:id:papibo:20210227144736j:plain

「ソテツ」は乾燥に強い植物です。水はけの良い根腐れがおきにくい苗床が良いと思います。 だたし表面が乾いたらたっぷりと水やりします。

赤玉土7:砂3の配合で挿しました。

 

まとめ

家に帰ってからもう一つ貰ってくればよかったと後悔です。葉付きを貰ってきて、別の発根促進剤「メネデール」や「リキダス」で薄めた水にしばらくつけて、根が出るのを待った方が良かったかもしれませんね。
今回も何事にもチャレンジ、失敗したら勉強不足と言う事ですね。

この結果はまた、ブログで紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十二 初めての黒松の接ぎ木

はじめに

戦時中の管理不足などによる古くからの名木の復活と存続を目指して取り組んだのが接ぎ木法ということです。黒松の盆栽の接ぎ木は昭和37年~38年頃から始められた比較的新しい木法。初期には失敗も多くあったようですが、研究の成果もあり現在は黒松の接ぎ木は、ほとんどが活着するまでとなった盆栽界の常識ということです。

恥ずかしながら私は本を読むまでは黒松が接ぎ木できることを知りませんでした。黒松でも接ぎ木ができることを知って、自分の盆栽をまじまじと見ていると、ここに一枝あれば良いのにと思うばかりです。それならば挑戦してみるしかありません。ということで、今回は初めて黒松の接ぎ木に挑戦しました。

令和3年2月26日

f:id:papibo:20210227054148j:plain

今回使用した材料と道具です。
恥ずかしながら「ミズゴケ」も初めて使います。

接ぎ木の時期は春でも秋でも可能とされていますが、最適期は芽吹き直前の春の2月下旬~3月中旬とされています。また1年間は肥培につとめ、樹勢を乗せているのが条件とあります。

f:id:papibo:20210227051223j:plain

写真の黒松は海岸で採取して約4年になります。幹は鉛筆程の太さです。

f:id:papibo:20210227051312j:plain

同じ盆栽の裏からの写真です。ヒョロヒョロと長い素材でしたので、素人ながら適当に針金掛けをして、高さだけは低くしたというだけのお粗末な格好です。

下枝まで約10㎝あり、今回は根元近くに接ぎ木をして黒松のミニ盆栽に改作したいと思います。

f:id:papibo:20210227051446j:plain

今回は私が愛読している「図解ミニ盆栽 クロマツ」を参考にしています。本によると下から上に切れ込みをいれています。私が思うに下から切れ込みを入れた方が雨などの水分が活着面に入るのを防ぐためだと思い、この方法でしました。(ほとんどの本が上から下に切れ込みをいれています)

切れ込みの長さは接ぎ穂より深く、木質近くまで切り込みました。

このかげんが難しかったです。
f:id:papibo:20210227051556j:plain

接ぎ穂は充実した枝先の枝を選び葉を三,四葉残し切りました。

私が思うに元気な芽の接ぎ穂が活着のポイントではないかと思います。

f:id:papibo:20210227051636j:plain

接ぎ穂を鋭利な刃物で第一刀、1cmほど切ります。第二刀は裏を0.5mmほど切り返しました。

ここでのポイントはとても作業が細かいので、刃物の切れ味が悪いと失敗につながると思います。(切った断面がキレイなほど活着しやすいのでしょう。)

f:id:papibo:20210227051730j:plain

接ぎ穂と台木の形成層を合わせるように、第一刀を内側にして奥まで差し込みます。

f:id:papibo:20210227051829j:plain

接ぎ穂と台木の形成層どうしをを密着させ、セルパラテープを伸ばしながら巻いて固定しました。

ここでのポイントはセルパラテープはとても伸びるので伸ばしながら隙間のできないように巻く事だと思います。

*「図解ミニ盆栽 クロマツ」ではビニールテープを使用しています。

f:id:papibo:20210227075054j:plain

上の写真は以前仕事で「クロガネモチ」を接ぎ木した時に購入した接ぎ木テープです。

セルパラテープを引っ張りながら巻くとテープどうしが密着するので、このテープを利用すると、乾燥を防ぐための袋がけなどの作業が不要とのことです。またテープは互いに密着する性質で、テープは半年ほどで風化してボロボロになります。従って接ぎ木部分がくびれる心配もありません。

私持っている接ぎ木の本によると「セルパラテープの出現でこれまでかなりの技術と手間がかかる接ぎ木が一挙に解消され、手軽に接ぎ木ができます。このような便利なテープが出現したので家庭園芸の中の接ぎ木がもっと普及するようになりると考えています。」と筆者自身が書いていました。

だまされたと思って私もかいました。「クロガネモチ」を接ぎ木した時は袋がけはしませんでしたが、成功率は高かったです。

f:id:papibo:20210227075731j:plain

ということですが、今回は盆栽の本で紹介されている通りに、テープの上から水に浸した水苔を軽く絞り、接ぎ木部に少量あてタコ糸で縛りました。

f:id:papibo:20210227051911j:plain

百均で購入した細長いポリ袋ですっぽりと覆いました。水苔の湿気がポリ袋に充満し活着を助けるとのこと。

どうしても、もとを縛る際に隙間ができます。作業的には一番苦労したのがこの作業でした。

f:id:papibo:20210227051940j:plain

この盆栽は保険もかけて2カ所、接ぎ木をしました。

f:id:papibo:20210227052044j:plain

4本の盆栽、計9か所接ぎ木をしました。

せめて半分は成功してほしいです。

f:id:papibo:20210227052129j:plain

袋がけしてから数十分。

徐々に袋内部が白くくもりはじめました。湿気が袋に充満したことがわかります。

 

まとめ

今回の作業で感じたことは台木と接ぎ穂のナイフの入れ方が難しかったです。3本目の木から少しずつ慣れて作業も早くなりましたが、切り方が正しかったのかどうかは結果が教えてくれるでしょう。

接ぎ木後、半月ほどで冬芽が上に持ちあがり始めるので、ポリ袋の先端部を切り徐々に外気に慣らすとのこと。

わりと早く成功か失敗かがわかります。また結果はブログに載せますので読んでください。

f:id:papibo:20210227085726j:plain

恥ずかしながら挿し芽も本を読むまでは、松は挿し芽ができるとは知りませんでした。

写真は去年7月頃に「芽切り」と「剪定した枝」を挿した黒松の挿し芽です。春に挿した挿し芽は全滅、7月に挿した挿し芽は約半分が成功しました。今年も挿し芽にチャレンジしたいと思いますが、ローソク芽よりもむしろ葉が沢山ついた枝付きの芽(切った小枝をそのまま挿しました)がついたことに驚きました。

パッケージは新しくなっていますがセルパラテープです。もしよければ。

 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十一 「初めての黒松と五葉松の石灰硫黄合剤」

初めに

「月の法善寺横丁」という名曲、知っています?

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪

私は造園業を生業としています。高校卒業後、奈良の造園業社、鳥取の造園業社、京都の造園業社を経て大阪で独立しました。4年前に、両親の故郷鳥取県に訳あって移住してきました。私が駆け出しのころ、職人の先輩が多くの技術を身につけるため「数ヶ所の事業所で仕業をしろ」と、自分のためになると「月の法善寺横丁」の歌詞をつかい教えてくれました。

 

植木の剪定は、業社ごとに違い、県単位になると大きく違います。極端な話、ある業社が良いと思う剪定方法も、業社が変われば禁じ手になることもあります。とても不思議な世界ですね。庭づくりの技術は、造園技能士という国家資格があり全国共通なのに対して、植木の剪定は国家資格はありません。樹木の剪定は全国一律では、ないという事が大きな理由でしょう。

 

松の剪定は、造園業社や植木屋の花形で、職人誰もが人一倍「松」の剪定に対してプライドを持っています。職人の多くが「私が」「俺が」松の剪定や知識に一番で、誰にも負けないと思っています。でも、その判断は自己的か、お客様の判断によるものが多く。多くが7対3で自己中心的な考えかたがほとんどです。「松くい虫に」で枯れた時も、「松に元気がない」時も、「地球の温暖化」や「害虫」のせいにして職人は葉巧み位に言い逃れします。(その様な松の症状は、少なからず間違った剪定方法をおこなった事がが大きく影響しています)つまり間違った「黒松」の剪定が全国的に多く見られるのが現状です。

そんな思いの中、昔から「松の盆栽」を極める事がイコール「松のエキスパート」と思っていました。

 

日本全国「黒松の盆栽」は統一された判断基準があり、「美」がが統一されいます。県ごとの剪定の適期に違いこそありますが、展覧会などで正しくと評価されます。

植木の剪定で全国大会がありますか?

 

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪ この言葉を思い出し、新たなジャンル「盆栽」を始めました。

 

4年前に、鳥取県に移住し海岸で自生している黒松を鉢に植えた盆栽4年生の新人です。

黒松の盆栽に魅せられ、日々図書館で「盆栽」の書籍を借りて読んでいる程度の、新人ですが、現在頭の中の多くを「盆栽」が占めています。

盆栽4年生の新人の日記です。

お手本にならない日記ですが、お付き合いお願いします。

 

石灰硫黄合剤は殺虫作用と殺菌作用を持つ農薬です。

寒い冬でも害虫は樹木に隠れて越冬するものもあります。また病原菌は樹木に付いたままです。それらは気温が上がる春に活動を始めます。石灰硫黄合剤は「うどんこ病」「カイガラムシ」「ハダニ類」などの駆除が難しい病原菌や害虫などにとても効果を発揮します。石灰硫黄合剤を散布するとしないでは、春以降の害虫や病原菌の被害に大きな違いがでます。

私も修業時代によく散布したことを思い出しますが、石灰硫黄合剤はかなりの悪臭がします。散布時間、散布場所、風向きなどに注意が必要で、また強アルカリ性なので、金属などに付着すると変色や錆びます。車、洗濯物、建物に薬剤がかかったら、なかなか落ちなかったり、落ちないこともあります。散布する場所の樹木以外の物に養生シートをしたり、もちろん散布する本人も完全防備で作業しなくてはいけません。

石灰硫黄合剤は濃い倍率で希釈する農薬ですので、発芽後に散布すると薬害を起こすことがあります。発芽前、樹木が休眠している冬。特に新芽が動き始める1~3月頃が散布時期です。

石灰硫黄合剤は優れた農薬ですが、散布時にとても気負付ける必要があります。そんなこともあり私は独立してからは、お客さんがどうしてもという時だけ散布していました。

 

令和3年 2月23日

今日は天気も良いので、盆栽の黒松と五葉松に石灰硫黄合剤を散布しました。

私が読んでいる本によると「ムロに入れる前と出した後に、カイガラムシ防除と病気予防に石灰硫黄合剤(30倍希釈液)で消毒をする」と書いてあります。

12月と2月の2回散布が必要ということですが、私は12月は忙しく、天気も悪い日が続き

散布できませんでした。言い訳ですが。

f:id:papibo:20210223083008j:plain

去年は石灰硫黄合剤を散布していません。今年初めてです。

上の写真の黒松の盆栽に去年の夏に古葉に「赤化症状」が出ました。「ダコニール」という殺菌剤を数回散布しましたが、病原菌が残っているはずです。今年は石灰硫黄合剤の効果に期待します。

f:id:papibo:20210223083056j:plain

上の写真は去年の秋に購入した「千寿丸」と「宮島五葉松」です。

残念なことに「千寿丸」一本が植えて数日で枯れてしまいました。根の状態が悪かったのでしょうか?非常に残念です。

他の苗木は元気よく冬を越しました。葉色が悪いので今年は肥料を与えて樹勢を付けたいと思います。この苗木にも石灰硫黄合剤を散布しました。

f:id:papibo:20210223084825j:plain

上の写真は右から「展着剤」「石灰硫黄合剤」「1ℓの霧吹き」「エマールの計量カップ」です。

今回散布するは10本程度の盆栽です。1ℓもあれば十分です。噴霧器を使う程の量ではないので百均で購入した霧吹きを使用しました。希釈倍率ですが、1ℓに対して30倍とは何㏄?

ネットに、使用量に希釈する場合に必要な薬剤が計算できる農薬アプリがありましたのでもしよければ。数字を入力するだけで便利でした。

http://農薬希釈早見表 面積換算表 http://www.s-boujo.jp/kihon/file/14sonota/1411.pdf


1ℓに対して投入薬量は33mⅼ.gでした。とても少量です。私がいつも使用している計量カップは値がちっさすぎます。そこで思いついたのが洗剤の計量カップです。20mlで刻んであるので丁度使い勝手が良かったです。石灰硫黄合剤は「展着剤」が推奨されていますが、投入薬量が少量過ぎましたので入れなかったです。

f:id:papibo:20210223083259j:plain

植木鉢を養生してしっかり、葉裏、幹まで滴り落ちるまで散布。

硫黄の匂いが鼻につきます。

f:id:papibo:20210223083357j:plain

石灰硫黄合剤は原液が濃い黄色です。希釈しても倍率が濃いので新聞もご覧の通り。

松も若干黄色になりました。乾くと白っぽくなります。

f:id:papibo:20210223083439j:plain

全ての松、五葉松に同様に散布しました。しっかり散布しましたが、半分残りました。

やはり噴霧器を使う程のことはありませんでした。匂いがなかなか取れずらくて、後かたずけが大変です。

この日は風が強く盆栽程度の木なら農薬散布で来ましたが、予定では「八朔」の木にも

農薬散布する予定でした。「八朔」の木には「石灰硫黄合剤」と同じ効果のある「マシン油」を散布する予定です。次のブログで紹介したいと思います。

f:id:papibo:20210223083513j:plain

令和3年2月22日

最後に一昨年挿し木した「沈丁花」です。去年秋に地植えにしましたが、去年の春は苗床で花を咲かせてくれました。挿して1年で花と香りを楽しませてくれる「沈丁花」。

とても挿し木しやすい木です。もしよければだまされたと思ってチャレンジしてもおもしろいですよ。苗床さえ問題なければほぼ100%の成功率です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

私は仕事では「石灰硫黄合剤」より「マシン油」の方を使用します。「石灰硫黄合剤」と同じく殺虫、効果があり比較的使用しやすいです。「カイガラムシ」「ハダニ類」など駆除が難しい害虫でお困りの方にオススメです。

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ六、門松づくり

毎年恒例の我が家の門松を作る様子を紹介したいと思います。

最近は門松を飾る家も少なくり見かけるのは神社仏閣か大きな店舗と限られますが、日本のお正月には門松をはつきものです。

門松を作るのは難しそう、大変そうと思う方もい多いのですが、難しいのは作ることではありません。作る事は簡単です。材料をそろえるのが難しいのです。

私が思うに門松を飾る家が減ったのは門松を作る材料が身近にないのが原因だと思います。

田舎暮らしの良い所は、門松づくりに必要な材料が手前でそろうところです。

私が毎年作る門松は約1.8mと大型ですが、60㎝程の門松でも十分に玄関先を飾ってくれます。材料が手に入る方は是非作ってみてはいかがでしょうか。

門松は自由に作って良いものです。我が家流で良いのです。

 自己流で良いと言っても門松とは何?では困りますので、門松とは何か、少し押さえておきたいですね。

 

門松は、お正月に玄関前に立てられるお正月飾りですが、おもに松や竹を用います。

門松は地方により様式に違いがあります。関東では3本組の竹を中心に、周囲に短めの若竹を配置し、下部をわらで巻く様式が多いです。関西では3本組の竹を中心に、前面に葉牡丹、下部を竹で巻く様式が多いです。縁起の良い梅、南天熊笹なども添えられます。

門松は平安時代に中国から日本に伝わったとされています。松は冬でも青々しています。冬でも枯れない常緑樹ですが、その生命力が神様が宿ったようだと考えられ、古来より不老長寿や繁栄、新しい生命力の象徴とされてきました。

今では竹が主役になっていますが、古くは門松は名前のとおり松などの常緑樹で飾られていましたが、鎌倉時代以降、竹も一緒に飾られるようになったと言われています。

 

私が作る門松も我が家流です。もしよければ参考にしてください。

f:id:papibo:20201225082244j:plain

我が家の竹藪から獲ってきた孟宗竹。太い物で末口は15㎝ほどあります。

多くの方が竹の入手に困ると思います。

6~8㎝ほどの真竹でも十分に門松になりますので細い竹で代用してください。

f:id:papibo:20201225082312j:plain

竹を斜めに切ります。鈍角より鋭角になればなるほど見た目が良いので、可能な限り鋭角に切ります。

f:id:papibo:20201225082349j:plain

私の丸鋸は19mmなので半分程度しか切れません。

残り半分は手鋸で切ります。

切るポイントは、3本竹を合わせるので、3本が同じ角度になるように切ります。

切った端くれを次の竹に合わせて鉛筆でしるしをすると同じ角度で切れます。

私は3分の1ほど節を入れるように切ります。節を入れることで竹にある変化が出来ます。その変化は後ほど。

f:id:papibo:20201225082425j:plain

角度を合わせて切ったつもりでも、なかなか揃わないものです。

私は微調整をカンナでおこないます。

f:id:papibo:20201225082500j:plain

竹が切れたら次に門松の下部を作っていきます。

こもを樽の高さに合わせて切ります。

樽の写真を撮るのを忘れていました。

プラの漬物樽を使用していますが、小さい門松ならバケツで十分です。

こもはホームセンターで購入しました。

f:id:papibo:20201225082530j:plain

こもの下部は15㎝折り返します。

折り返し無しでもOKです。

f:id:papibo:20201225082600j:plain

プラ樽が見えないよに、こもを長めにするのがポイントです。

f:id:papibo:20201225082636j:plain

こもが巻けたら3か所縄で巻きます。

要はこもが外れなければ良いのですが、縁起物なので奇数が良いと思います。

f:id:papibo:20201225082706j:plain

竹以外の材料です。黒松、南天、千両、万両、葉牡丹です。葉牡丹だけ購入しました。

赤い実があるのとないのでは華やかさが全然違います。

南天や黒松、千両などは年末に道の駅で購入出来ますので、もしよければ。

f:id:papibo:20201225082736j:plain

竹を3本組みます。

竹の3本組は諸説ありますが、私は背の高い竹からお父さん、お母さん、子供と思って作っています。竹を人にたとえていますので、竹たちが笑ったように作ります。

その為に節を3分の1残して竹を切ります。

f:id:papibo:20201225082809j:plain

竹を立てたら砂で竹が動かないよにします。

また染縄で竹を数ヶ所止めます

後は松などの材料を砂に挿すだけです。

砂はおススメです。

砂に水分を含ませると松や南天などが枯れずにお正月中新鮮なままです。

f:id:papibo:20201225082848j:plain

私は後ろに松をいけます。両サイドに南天と万両、前に葉牡丹と千両ですが、

これはセンスの問題です。

f:id:papibo:20201225082929j:plain

完成です。

竹たちも大きな口を開けて笑っています。歌っているのかも?

 

最後までお読みいただきありがとうございました。よいお年を。











 

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ五

f:id:papibo:20201018133446j:plain

令和2年10月18日

前回の続きの延段をDIYしました。

前回は8月7日に半分DIYしましたが、田舎暮らしもする事が多く約2か月半ぶりのDIYです。前回同様、家にある石を利用しての延段造りになります。購入した材料はセメント一体と化粧砂利2本です。

 

今回は、前回と違い秋本番。前回は8月の夏本番。作業するには、もってこいなシーズンです。前回は約半日で半分造っていますので、今回もそれに負けず劣らず頑張りました。

親方はいつもこういっていました。「お前たちはプロなのだから、早くキレイに造れ。ゆっくりキレイに造るのは誰でもできる。」と、修業時代を思い出します。

 

植木屋の知恵袋

延段・・・石園路の名称、面の平らな割石、玉石、板石などで道端に敷きつめることです。
f:id:papibo:20201018133153j:plain

延段は園路や庭の歩く場所に造るものですが、今回、造る延段は模様です。歩くのを目的とせず、現代風の蹲踞(つくばい)をイメージしています。

f:id:papibo:20201018133232j:plain

さすが秋本番。涼しくてセメント練りしても汗一つかきません。

順調に作業が進みます。

というか、今回は前回と違い手に持った石が次から次へとパズルのようにピッタリ合います。前回は、なかなか石が合わず石を何回も取り替えながらの作業でした。

今回のような手に持った石が一発で合うような日は目づらしく、年に数回あるかないかの絶好調の日でした。

f:id:papibo:20201018133305j:plain

 今回も前回同様に白っぽい石数個に100均で購入した水星ニスを石に塗ります。こうすると白っぽい石に風合いや重みがつきます。京都の親方は墨汁を塗っていました。

 

完成した創作蹲踞を見てもらう前に、簡単な蹲踞のウンチクを聞いてください。

下の写真は私の庭の創作蹲踞です。

f:id:papibo:20201018150739j:plain

蹲踞は、茶事の時に客が手や口を清めるために使われます。

蹲踞は、手水鉢(てみずばち)に、手水を使うために乗る前石(まえいし)、湯桶を置く湯桶石(ゆおけいし)、灯火を置く手燭石(てしょくいし)、写真ではカエルが乗っている石です。これらの役石と、水門(すいもん)別名海(うみ)で造られています。写真では手水鉢の周りにある、こぶし大の黒色の石たちが海です。流儀によって役石の配置は違い、表千家は左に手燭石、右に湯桶石を配し、裏千家はその逆に配します。

 

では、今回現代風にアレンジした創作蹲踞です。

f:id:papibo:20201018150934j:plain

カエルの乗っかっている左右の延段を手燭石と湯桶石としました。

海は黒い砂利と白い砂利どちらを使うか悩みましたが。今回は斬新な発想で白い砂利を選びました。

 

今回の一番のポイントは手水鉢の後ろの石です。

f:id:papibo:20201018151341j:plain

写真では分かりにくいのですが、この石は大きな穴が空いています。

この穴が、私には荒々しい洞窟のような、また、滝のようにも見えて非常に面白い良い石です。

蹲踞を造ろうという発想をくれた石です。

「荒々しい岩肌の山、風雪に耐える松、岩の間からは流れおちる滝の水、水は山の川を流れ流れて海に帰ってゆく。」

とイメージしました。

f:id:papibo:20201018151410j:plain

下の写真。蹲踞に見えますか?

f:id:papibo:20201018151521j:plain

次からは蹲踞前をDIYしていきます。

サクラダファミリではないですが、全体が完成するまでしばらくかかりそうです。

 

手を清めるはずの手水鉢ですが、創作蹲踞なので金魚を飼っています。

f:id:papibo:20201018151557j:plain

 最後までお読みいただきありがとうございました。

樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ四


令和2年10月3日

f:id:papibo:20201014094626j:plain

アジサイとネコヤナギの挿し木

左の写真は今年の6月に採取して挿したアジサイです。

アジサイの右隣はネコヤナギで、こちらは今年のお正月に挿しました。

ネコヤナギは銀白色の毛で目立つふわふわとした花穂が猫のしっぽに似ていてます。また、春の訪れを告げる植物としてお正月飾りや華道としても良く使われるそうです。

親戚のおばさんがお正月飾りとして持ってきてくれたのを差し木としました。

来年の春には花が咲くと思います。

お正月に挿してつくと言う事は、つきやすい樹種で1年中挿し木ができるということですね。

f:id:papibo:20201014095007j:plain

ネコヤナギの根

ネコヤナギの根はトレーの容器の底から根を広げて地面に根をおろしていました。

アジサイは挿し木3ヶ月ほどなので丁度良い根が沢山出ています。アジサイの挿し木は時期さえ間違えなければ100%の活着率です。

f:id:papibo:20201014095040j:plain

アジサイの根

下の写真は空き家のお爺さんの屋敷です。

生垣の足元が寂しいのでアジサイを列植しました。色は赤、紫、青を挿し木したはずなのですが、どれがどれか分からないので咲いてからの楽しみです。

もし来年花を咲かせるならば、今年の暮れには花芽が確認できるはずです。

f:id:papibo:20201014095404j:plain

f:id:papibo:20201014095432j:plain

ネコヤナギは落葉の低木樹ということですが、ネコヤナギは畑に植えました。

f:id:papibo:20201014095512j:plain

下の写真はお爺さんの屋敷に2年前に植えた桔梗です。桔梗は落葉性で春に新芽が伸びます。10㎝ほど伸びたら先の芽を少し切り戻します。そうすると花芽が増えると聞きました。そのように切り戻すと今年は一昨年より多く花が咲きました。花が咲いたのは7月頃で花が終わってすぐに、今年も良く咲いてありがとうと短く切り戻ししました。

するとビックリ、9月末に伸びた新芽にまた花をつけました。

f:id:papibo:20201014100318j:plain

令和2年10月3日

切り戻しと言いますと、マリゴールドも花が少なくなる夏の終わりに切り戻すと秋にまた、花を付けてくれると聞きます。

下の写真

花が寂しくなった9月初旬に、枝先20㎝ほど切り戻ししました。

f:id:papibo:20201014112220j:plain

9月5日花の終わったマリゴールド

10月初旬頃から、また沢山の花芽を付けて咲き出しました。

5月頃から花を楽しんでいましたので、とても長く玄関先を飾ってくれています。

f:id:papibo:20201014112834j:plain

10月14日

下の写真はお爺さんの家に植えてあるケイトウです。

去年の種が落ちて今年も沢山庭先に咲きました。咲き出したのは7月初旬です。お盆にはお墓に生けて、秋の彼岸にもお墓に生けて10月14日現在でも庭を彩ってくれています。こちらのケイトウも害虫に強く、長く楽しめる花です。

f:id:papibo:20201014100450j:plain

令和2年10月14日

下の写真は一昨年に植えたイチジクです。

日本種のイチジクで「ドーフィン」より味はよく、耐寒性、樹勢ともに強くということで「蓬莱柿」という品種を植えました。

去年は、小さい実を数個つけましたが、食べるまでは大きくなりませんでした。

今年は数十個はなっています。

f:id:papibo:20201014100838j:plain

令和2年10月3日

10月14日初めてのイチジクの収穫です。

まだ少し硬かったですが、甘くて美味しかったです。

f:id:papibo:20201014100915j:plain

令和2年10月14日

まとめ

田舎暮らしは、春夏秋冬やることが多く忙しいです。その分日々季節を感じて生活しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。










 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ十 「初めての黒松と五葉松の種木購入」

初めに

「月の法善寺横丁」という名曲、知っています?

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪

私は造園業を生業としています。高校卒業後、奈良の造園業社、鳥取の造園業社、京都の造園業社を経て大阪で独立しました。4年前に、両親の故郷鳥取県に訳あって移住してきました。私が駆け出しのころ、職人の先輩が多くの技術を身につけるため「数ヶ所の事業所で仕業をしろ」と、自分のためになると「月の法善寺横丁」の歌詞をつかい教えてくれました。

 

植木の剪定は、業社ごとに違い、県単位になると大きく違います。極端な話、ある業社が良いと思う剪定方法も、業社が変われば禁じ手になることもあります。とても不思議な世界ですね。庭づくりの技術は、造園技能士という国家資格があり全国共通なのに対して、植木の剪定は国家資格はありません。樹木の剪定は全国一律では、ないという事が大きな理由でしょう。

 

松の剪定は、造園業社や植木屋の花形で、職人誰もが人一倍「松」の剪定に対してプライドを持っています。職人の多くが「私が」「俺が」松の剪定や知識に一番で、誰にも負けないと思っています。でも、その判断は自己的か、お客様の判断によるものが多く。多くが7対3で自己中心的な考えかたがほとんどです。「松くい虫に」で枯れた時も、「松に元気がない」時も、「地球の温暖化」や「害虫」のせいにして職人は葉巧み位に言い逃れします。(その様な松の症状は、少なからず間違った剪定方法をおこなった事がが大きく影響しています)つまり間違った「黒松」の剪定が全国的に多く見られるのが現状です。

そんな思いの中、昔から「松の盆栽」を極める事がイコール「松のエキスパート」と思っていました。

 

日本全国「黒松の盆栽」は統一された判断基準があり、「美」がが統一されいます。県ごとの剪定の適期に違いこそありますが、展覧会などで正しくと評価されます。

植木の剪定で全国大会がありますか?

 

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪ この言葉を思い出し、新たなジャンル「盆栽」を始めました。

 

4年前に、鳥取県に移住し海岸で自生している黒松を鉢に植えた盆栽4年生の新人です。

黒松の盆栽に魅せられ、日々図書館で「盆栽」の書籍を借りて読んでいる程度の、新人ですが、現在頭の中の多くを「盆栽」が占めています。

盆栽4年生の新人の日記です。

お手本にならない日記ですが、お付き合いお願いします。

 

令和2年10月6日

人生初めての、盆栽の種木をネットで購入しました。

購入したのは、黒松と五葉松の種木です。

田舎暮らしの私は、身近にある素材で盆栽を一から育てると決めていたのですが、いろいろな盆栽の書物を読むうちに、八房性の種木が欲しくなりました。正直身近にある素材では限界があるとわかりました。

というのはたてまえで、ただたんに盆栽にハマったというのが本音です。

 

写真は我が家の南側です。木でかっこっているのは、家庭菜園場にしてあります。

囲いの中には畑の黒土を入れて現在、遅植えのキュウリとナスビが植えてあります。

この度はこの横に、我が家にお嫁に来る黒松と五葉松の培養場を作りました。

f:id:papibo:20201012131350j:plain

令和2年10月6日我が家庭の片隅

材料の板と杭は家にあった材料にクレオソートで防腐処理をしました。

サイズは2.0m×0.65×0.35です。土は赤玉土8、砂1、ピートモスパーライト1です。

これも家にあった材料に赤玉土を購入しただけの、ケチった上床です。ただ、排水性と保水性は完璧のはずです。朝から作り出して、2時間ほどで完成しました。後は種木を待つだけです。

初めは、畑に植えようかとも考えたのですが私の畑は獣が出ますので安全な我が家の片隅を選びました。また、地植えで培養すれば、鉢植えより太るのが早いと思いました。

 

というのもたてまえで、お金をだして購入したものを毎日見たいというのが本音です。

f:id:papibo:20201012131531j:plain

自己流盆栽培養地

昼一番、待ちに待った盆栽が届きました。

金魚はよくネットで購入しますが、植物は初です。

f:id:papibo:20201012131640j:plain

初めて黒松、五葉松の種木購入

このように、とてもシンプルに入っていました。

強力なテープでダンボールの底面に張りつけてあり、箱の中で動かないようにされていました。

f:id:papibo:20201012131750j:plain

我が家にお嫁に来た種木たちを紹介します。

写真手前3本は五葉松です。

宮島五葉松とうい樹種です。特徴は葉が白っぽくて、葉が短い銀性八房五葉松です。

樹高は約8㎝

奥の3本は黒松です。

千寿丸という樹種です。特徴は枝変わりの八房品種で、レアな松の苗です。葉が短く、緑色が濃く、仕立てやすくなっています。

樹高は約13㎝

f:id:papibo:20201012131820j:plain

下の写真

千寿丸ですが、枯れた枝が株元にあります。

松の3~5年生苗に接いだのでしょう。

f:id:papibo:20201012131932j:plain

下の写真

宮島五葉松も同じく。

こちらも黒松の3~5年生苗に接いだと思われます。

昨日採取した松ぼっくりの種子を利用して、私も数年後、千寿丸と宮島五葉松をつぎ木したいと思います。

f:id:papibo:20201012131903j:plain

つぎ枝を元から切り戻し、植えつけました。

本などによると、元鉢の土を落とし根を広げて植えるとあります。

一本試みましたが、根を切るのが怖くてそのまま植えつけました。

来春の根の活動期にはもう一度掘りあげて、根を広げて植えなおししたいと思います。

f:id:papibo:20201012132011j:plain

まとめ

数年はこの場所で太らしたと思います。5年になるか、10年になるかもしれません。

今更ながら、気の遠くなるような話ですが、来春は、糸魚川真柏の苗を購入したいと思います。どんどん盆栽にはまっていく自分が怖いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この度購入したサイトです。千寿丸はみつかりませんでしたが同じサイトです。もしよければ参考にしてください。

 

 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ九 「初めての松ぼっくりの採取」

初めに

「月の法善寺横丁」という名曲、知っています?

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪

私は造園業を生業としています。高校卒業後、奈良の造園業社、鳥取の造園業社、京都の造園業社を経て大阪で独立しました。4年前に、両親の故郷鳥取県に訳あって移住してきました。私が駆け出しのころ、職人の先輩が多くの技術を身につけるため「数ヶ所の事業所で仕業をしろ」と、自分のためになると「月の法善寺横丁」の歌詞をつかい教えてくれました。

 

植木の剪定は、業社ごとに違い、県単位になると大きく違います。極端な話、ある業社が良いと思う剪定方法も、業社が変われば禁じ手になることもあります。とても不思議な世界ですね。庭づくりの技術は、造園技能士という国家資格があり全国共通なのに対して、植木の剪定は国家資格はありません。樹木の剪定は全国一律では、ないという事が大きな理由でしょう。

 

松の剪定は、造園業社や植木屋の花形で、職人誰もが人一倍「松」の剪定に対してプライドを持っています。職人の多くが「私が」「俺が」松の剪定や知識に一番で、誰にも負けないと思っています。でも、その判断は自己的か、お客様の判断によるものが多く。多くが7対3で自己中心的な考えかたがほとんどです。「松くい虫に」で枯れた時も、「松に元気がない」時も、「地球の温暖化」や「害虫」のせいにして職人は葉巧み位に言い逃れします。(その様な松の症状は、少なからず間違った剪定方法をおこなった事がが大きく影響しています)つまり間違った「黒松」の剪定が全国的に多く見られるのが現状です。

そんな思いの中、昔から「松の盆栽」を極める事がイコール「松のエキスパート」と思っていました。

 

日本全国「黒松の盆栽」は統一された判断基準があり、「美」がが統一されいます。県ごとの剪定の適期に違いこそありますが、展覧会などで正しくと評価されます。

植木の剪定で全国大会がありますか?

 

♪包丁一本さらしにまいて旅へ出るのも 板場の修業♪ この言葉を思い出し、新たなジャンル「盆栽」を始めました。

 

4年前に、鳥取県に移住し海岸で自生している黒松を鉢に植えた盆栽4年生の新人です。

黒松の盆栽に魅せられ、日々図書館で「盆栽」の書籍を借りて読んでいる程度の、新人ですが、現在頭の中の多くを「盆栽」が占めています。

盆栽4年生の新人の日記です。

お手本にならない日記ですが、お付き合いお願いします。

 

令和2年9月27日

海と山に黒松と赤松の松ぼっくりを採取しに行きました。

本によると、松ぼっくりを採取する親木は、枝葉がよく茂った樹齢30~50くらいの若木が良いとのこと。また、日のよく当たる南側の枝から採取する。時期は9月末から10月下旬頃、松ぼっくりが、緑色から茶色になる頃と記されています。

今年は、春ごろから松ぼっくりを採取し、令和3年の春には種子を蒔こうと計画していましたので、目ぼしい黒松と赤松にめを付けていました。

住んでいる近くにお目当てとする親木があるのも、田舎暮らしの良い所です。

f:id:papibo:20201012111148j:plain

鳥取県海岸の黒松

数ある黒松の木から元気が良い木を選んで採取。

f:id:papibo:20201012111242j:plain

黒松の松ぼっくり

子供の頃は投げて遊んでいましたが、松ぼっくりを採取するのは初めてのことです。

庭木の松では、毎年剪定していると松ぼっくりは生りませんが、カキやウメなどと一緒で2年目の枝に実が生るのでしょうか?

f:id:papibo:20201012111431j:plain

鳥取県山中の赤松

海の次は山で赤松の松ぼっくり

私が、住むところは歩いて数分で海、山がある環境です。

f:id:papibo:20201012111352j:plain

赤松の松ぼっくり

数ある赤松の木から元気が良い木を選んで採取。

f:id:papibo:20201012111533j:plain

初めての採取です。

ひとつの松ぼっくりから、どれくらいの種子が穫れるかもわかりませんし、どの様な種かも見たことがありません。

というか、松ぼっくりが実なのか種なのかすら、つい最近まで考えたことが無かったのが事実です。

f:id:papibo:20201012111556j:plain

いろいろな、書物を読みましたが、採取してきた松ぼっくりを3~5日天日干しするとか、箱などにヤツデなどの葉を敷いて通風の良い所に置くとか、筆者よってまちまちです。

とりあえず数日保存していると、かさが開いてくるということは分かりました。

ということで、雨がしのげ比較的明るく暖かい3面トタンの小屋で保存することに。

f:id:papibo:20201012111623j:plain

10月1日の松ぼっくり

3日ほどで早い物は色が茶色に変わり、かさが開いてきました。
松ぼっくりを採取した時に、黒松、赤松の松ぼっくりを一緒にしたのを今となっては後悔。多分ちっさい松ぼっくりが赤松でしょう。芽が出てからの楽しめとなってしまいました。

f:id:papibo:20201012111650j:plain

10月5日の松ぼっくり

本によると、松ぼっくりが開いたら手でもんで羽をとり種子を瓶などで入れて保存とあります。

「羽」とは何?半信半疑で、開いた松ぼっくりを手でもんでみました。数個種らしきものが落ちてきました。

最初はどこに種が隠れていたのかさえ分かりません。「羽」というのはすぐにわかりました。モミジの種に似た、「アーモンド」の薄皮のような「羽」に1mmほどの茶色い種が包まれています。

なるほど、この羽によって風によって種子を遠くに飛ばすのですね。少し感動です。

肝心の種は「ウロコ」のようなかさのつけ根についています。「ウロコ」ようなかさ一枚一枚に種は無く、松ぼっくりの真ん中あたりのかさについているようです。上の方や尖った下の方には種子が無いように思われます。

4っつの松ぼっくりから採取できた種子は10粒ほどでした。

f:id:papibo:20201012111745j:plain

本によると、保存方法もまちまちで、私は、小袋に種子を入れて冷蔵庫内で保存することにします。

f:id:papibo:20201012111720j:plain

10月9日まだ開かない松ぼっくり

小さい松ぼっくりは比較的に早く開きましたが、大きいサイズはなかなか開きません。

開いたら同じく冷蔵庫内で保存したいと思います。

来春が待ち遠しいです。

最後に

針葉樹は樹木の中でも古代から存在している種類だとは聞いてましたが、針葉樹の松はこのようにして子孫を残してきたのですね。少し勉強になりました。