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樹木医師の、長い間楽しめる人気の花 PART2

はじめに

花にはそれぞれ開花期間があり、ほんの1ヶ月ほどで花が終わってしまうものから、ほぼ1年中咲き続けるものまでさまざまです。特に長く楽しめる人気の花を紹介します。

 アリッサム

 ・科名:アブラナ科 ・別名:スイートアリッサム、ニワナズナ ・1年草

・花色:赤・白・ピンク・紫

・苗の購入期:10~4月

・草丈:10~30㎝

・植えつけ:10~3月

・開花期:3~6月、10~1月

栽培のポイント

酸性土壌を嫌います。地植えにするなら土を苦土石灰で中和し、元肥を少量与えて植えつけます。地中深くに根をまっすうぐに伸ばす直根性なので、少し深めに耕します。植え付け後は日向でやや乾燥ぎみに育てます。土が乾いたらたっぷりと水を与えます。乾燥ぎみに管理した方が花付きがよいので、湿らせすぎないように注意します。花が咲く期間が長いので、1~2週間に1回ずつ液肥追肥します。寒さには強く、野外の地植えでも、霜に直接当てなければ冬越しできます。高温多湿に弱く、梅雨時期はアブラムシなどが発生しやすいので、涼しい場所に移すか、早めにスミチオン乳剤をまいて駆除します。夏の蒸れを防ぐために茎を半分程度切り戻すと、秋にまた花が咲きます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、追肥は1000倍で薄めた液肥を与えるとよいでしょう。 葉色が悪いときは、油かすなどを与えます。

 

キク

 ・科名:キク科 ・別名:ポットマム、クッションマム、ヨワイグサ ・多年草

・花色:赤・白・ピンク・黄・オレンジ

・苗の購入期:4~6月

・草丈:30~100㎝

・植えつけ:5~7月

・開花期:7~12月

栽培のポイント

秋に出回る開花株を購入するのが一般的です。日当たりの良い野外で育て、花が満開になったら半日陰に移して育てます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。花がらはこまめに摘み、生育中は月に1~2回ほど液肥を与えます。花が全部終わったら、根元近くで切り戻して置き肥を与えると、春にまた新芽が伸びます。春から秋にかけて新しい株が成長しますが、地上15~20㎝で茎の先端を摘みとるようにすると、わきから芽が出て花数も多くなります。キクはアブラムシなどの病害虫がつきやすいので、スミチオン乳剤などで早めに予防します。キクには多くの品種がありますが、鉢植えのポットマムや、1本の茎にたくさんの花が咲くスプレーマムなどが育てやすいです。さし芽で簡単にふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を十分に与えます。また、キクは肥料を好むので、追肥は月に1~2回ほど、液肥を与えるとよいでしょう。 

 

ゼラニウム

・科名:フウロソウ科 ・別名:テンジクアオイ ・多年草

・花色:赤・白・ピンク

・苗の購入期:1年中

・草丈:15~50㎝

・植えつけ:4~6月

・開花期:3~11月

栽培のポイント

苗は一年中出回っています。とても丈夫で育てやすく、地植え、鉢植えのともに楽しめます。水はけのよい土に元肥を与えて植えつけます。風通しの良い場所で、乾燥ぎみで育てると、花をたくさんつけます。乾燥を好み、水をやりすぎると茎ばかり伸びすぎて花が少なくなるので、土が完全に乾いてから、たっぷりと水を与えます。丈夫で育てやすいのですが、極端な暑さと寒さに弱いので、鉢植えなら夏は半日風に、冬は室内で管理します。開花期間が長いので、月に1回は置き肥か液肥追肥します。花がらはこまめに摘み、、摘芯をくり返すと、ボリュームのある株に育ちます。花後に切り戻して植え替えると、さらに長く花が楽しめます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、追肥は、1000倍に薄めた液肥か置き肥を与えるとよいでしょう。 

 

インパチェンス

・科名:ツリフネソウ科 ・別名:アフリカホウセンカ ・1年草

・花色:赤・白・ピンク・紫・オレンジ

・苗の購入期:4~8月

・草丈:10~15㎝

・植えつけ:4~6月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

日なたでも半日陰でも良く育つ丈夫で育てやすい花です。高温と乾燥はやや弱いので、どちらかというと半日陰の方が向いています。夏は半日陰、それ以外は日なたで育てた方がよいでしょう。地植え株間を20~30㎝あけて、元肥を与えて植えつけます。鉢植えでも生育が早いので、なるべく大きめの鉢に植え替ます。水はけと水もちのよい土で育て、水切れにならないよに注意します。夏は乾燥しやすいので、1日に2回ほど水を与えます。花の期間が長いので、液肥を月に1~2回与え、花がらはこまめに摘みとります。夏の終わりに、大きくなった株を切り戻して置き肥で追肥します。こうすると秋にまた花が咲きます。さし芽で簡単にふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を十分に与えます。また、開花中は、1000倍に薄めた液肥を月に1~2回与えます。花後に切り戻したら、置き肥を与えるとよいでしょう。 

 

キンギョソウ

 ・科名:ゴマノハグサ科 ・別名:スナップドラゴン、アンテリナム ・1年草

・花色:赤・白・ピンク・紫・オレンジ・黄

・苗の購入期:4~7月、10~11月

・草丈:20~120㎝

・植えつけ:3~4月、10~11月

・開花期:4~7月、10~11月

栽培のポイント

ほぼ1年中出回っています。花つきの苗を購入して育てるのが一般的です。鉢植えなら4~5号鉢に一株、プランターなら3~4株、花壇なら株間を20~30㎝間で植えつけます。水はけのよい土に元肥に、暖効肥料を与えて植えつけます。花の咲く期間が長いので、春に置き肥を少量与え、開花期間中は薄い液肥を与えてもよいでしょう。日当たりの良い場所で育て、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。花が咲き終わったら茎は花首で切りとると、わきから新しい芽が出て、次から次へと花が咲きます。寒さに強いので、野外で冬越しできます。種まきでふやせます。また秋にはさし芽でふやせます。年間を通して花が楽しめる、四季咲き性の品種もあるのでおすすめです。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を十分に与えます。また、追肥には、置き肥を与えるとよいでしょう。開花中は、液肥を与えてもよいでしょう。

 

センニチコウ

 ・科名:ヒユ科 ・別名:センニチソウ ・1年草

・花色:赤・白・ピンク・紫

・苗の購入期:4~8月

・植えつけ:4~6月

・開花期:6~10月

栽培のポイント

夏の暑さにも強く、花を長く楽しめます。元肥を少量与え、20~30㎝ほど株間をとって植えつけます。水は植えつけのときにたっぷりと与えます。それ以降は極端に乾燥したときだけ与えます。7月頃に茎を短く切り、風通しをよくすると、秋の花つきがよくなります。さし芽でふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を少量与えます。

 

ガーベラ

 

 ・科名:キク科 ・別名:オオセンボリ、ハナグルマ ・多年草

・花色:赤・白・ピンク・黄・オレンジ

・苗の購入期:ほぼ1年中

・草丈:30~80㎝

・植えつけ:3~5月、9~10月

・開花期:4~10月

栽培のポイント

苗や鉢植えはほぼ1年中購入できます。鉢植を購入したらそのまま育て、大きくなれば春にひと回り大きな鉢に植え替えます。苗から育てるときは、水はけよい土に暖効性化成肥料を混ぜて、なるべく浅めに植えつけます。日当たりの良い場所を好みます。日当たりと風通しの良い場所で、やや乾燥ぎみに育てます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。開花期間が長いので、月に2~3回液肥追肥します。春と秋には置き肥を与えます。花が終わったら、その茎のつけ根から切りとります。こうして株全体に日光があたるようにすると、花色がよくなります。春にひと回り大きな針に植え替えます。このときに株分けしてもいいです。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、追肥は1000倍に薄めた液肥を与えます。花期が長いので、、置き肥を与えるのもよいでしょう。

 

ダリア

・科名:キク科 ・別名:テンジクボタン ・春植え球根

・花色:赤・白・ピンク・黄

・球根の購入期:3~5月

・草丈:40~120㎝

・植えつけ:3~5月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

球根の植えつけは春に、元肥を十分に与えて、約8㎝の深さで50~60㎝間隔に植えつけます。細長い球根を寝かせるようにして植えつけ、3㎝ほど離して支柱を立てます。日当たりと風通しの良い場所で育てますが、地植えなら追肥は特に必要ありません。土が乾いたら水を与え、夏の乾燥が続くときは、2日に1回は水を与えます。高温多湿にはやや弱いので、花がらを葉の上から摘み、伸びすぎた枝は7月頃切り戻します。その後、液肥を1回与えると、秋にまた花が咲きます。茎は柔らかいので、生長して草丈が高くなってきたら、支柱にしばりつけて、倒れないようにします。11月頃、枯れた茎を株元から切り取り、球根を堀り上げ、乾燥保存します。2~3月には、古い球根のわきに新しくできる子球を切り分けて、また植えつけます。春に、種まきやさし芽で簡単にふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、追肥は必要はありませんが、切り戻しの後は、1000倍に薄めた液肥追肥します。

 

 

サルビア

・科名:シソ科 ・別名:ヒゴロモソウ ・1年草、多年草

・花色:赤・白・ピンク・青・紫

・苗の購入期:4~9月

・草丈:30~60㎝

・植えつけ:4~9月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

日当たりと水はけの良い場所、元肥に暖効性肥料を十分に与えて植えつけ、たっぷりと水を与えます。地植えなら水やりはこの前後だけで、あとはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。開花期間が長いので、開花中は月に1~2回液肥を与えます。花後は花穂ごと切りとり、夏には株の半分ぐらいまで切り戻し、置き肥を与えます。秋にまた花が咲きます。ひどく乾燥するとハダニやアブラムシが発生するので、水切れに注意し、スミチオン乳剤などで予防します。赤花でおなじみのサルビア一年草です。ブルーサルビアの青や白の品種、ピンクの品種は多年草です。多年草の品種は、冬に地上部が枯れても根は残り、翌年また花が咲きます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、開花中は月に1~2回液肥を与えます。秋には置き肥で追肥します。

  

トレニア

・科名:ゴマノハグサ科 ・別名:ナツスミレ ・1年草

・花色:青・白・ピンク・黄・紫

・苗の購入期:4~9月

・植えつけ:5~7月

・開花期:6~11月

栽培のポイント

日なたまたは半日陰の水はけのよい、湿り気のあるよい土に元肥を十分に与えて植えつけます。乾燥させ過ぎないように育て、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。週に1回液肥を与えます。8月頃に5~6㎝株を切り戻すと、より花を咲かせます。色も豊富で初夏から秋にかけて長く花が楽しめ、花もたくさんつけます。この花だけで十分に楽しめます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を十分に与えます。また、追肥は週に1回液肥を与えます。

  

カランコエ

・科名:ベンケイソウ科 ・別名:ベニベンケイ ・多年草(多肉植物)

・花色:赤・白・ピンク・オレンジ・黄

・苗の購入期:ほぼ1年中

・草丈:10~30㎝

・植えつけ:4~8月

・開花期:10~6月

栽培のポイント

秋から冬に出回る苗を購入するのをおすすめします。花色もよく、長く花が楽しめます。日当たりがよい屋外で、乾きぎみの土に元肥を与えて植えつけます。乾きを好むので、雨が直接当たらないようにし、土の表面が乾いてから2~3日後に与えるようにします。乾燥には強いのですが、暑さにあまり強くないので、夏は風通しのよい半日陰の場所で育てます。花がらはこまめに摘み、全部咲き終わったら、3分の1くらいに切り戻し、置き肥を与えます。肥料はこのときに与えるだけで、開花中は必要ありません。霜に当たると直ぐに枯れてしまいます。冬は明るい室内で管理します。プランターやハンキングバスッケトにちょうど収まる便利な花です。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料をに与えます。また、開花中は追肥は必要ありません。花後に置き肥を与えます。

 

クリサンセマム

 

・科名:キク科 ・一年草

・花色:白・黄

・苗の購入期:10~5月

・草丈:10~20㎝

・植えつけ:11~2月

・開花期:3~6月

栽培のポイント

日当たりと風通しの良い場所に、土質は特に選びませんが、培養土に腐葉土バーミキュライトなどと、元肥に暖効性肥料を与えて植えつけます。水はけよくするとよく育ちます。月に1~2回液肥追肥します。あまり与えると葉ばかりが茂るので、ひかえめに与えます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬はやや乾燥ぎみに育てます。ムルチコーレはやや寒さに弱いので、冬は室内で管理します。春には次々と花が咲くので、花がらはこまめに摘みます。開花中も液肥を与えます。春はアブラムシが発生しやすいので、スミチオン乳剤などで予防します。種からも育てられますが、ポット苗から育てるのがおすすめです。鉢植えの場合は4号鉢以上、地植えなら株間を15~20㎝以上あけます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料をに与えます。また、追肥には1000倍に薄めた液肥をひかえめに与えます。

 

プリムラ

・科名:サクラソウ科 ・別名:セイヨウサクラソウ ・1年草、多年草

・花色:赤・白・ピンク・オレンジ・黄・青・紫

・苗の購入期:11~3月

・草丈:10~30㎝

・植えつけ:11~1月

・開花期:11~5月

栽培のポイント

晩秋から出る花つきの苗を購入して植えつけるのがおすすめです。日当たりと風通しの良い場所に、水はけのよい土に元肥を与えて植えつけます。土の表面が乾きかけたらたっぷりと水を与えます。開花中は月に2~3回液肥を与えます。咲き終わった花がらはこまめに摘みとります。春先には大きめなプランターなどに植え替えします。夏の暑さにやや弱いので、夏は風通しのよい、涼しい半日陰で育てます。多年草の品種なら、うまく夏越しできれば次の春にも花が楽しめます。寒さには強いので、屋外でも冬越しできます。プリムラ・オブコニカは寒さに弱いので、室内で管理します。プリムラは室内でも育てられますが、ある程度の日照は確保しましょう。秋に株分けでふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料をに与えます。また、追肥には1000倍に薄めた液肥を与えます。

 

ランタナ

・科名:クマツヅラ科 別名:シチヘンゲ、コウオウカ ・常緑低木

・花色:赤・黄・ピンク・オレンジ

・苗の購入期:3~11月

・植えつけ:3~5月

・開花期:5~11月

栽培のポイント

日当たりの良い場所に、水はけのよい土に元肥を与えて植えつけます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。春と秋の水やりはやや控えめにします。開花中が長いので月に1~2回液肥を与えます。良く育ち、株が乱れたり、込み合ってきたら、枝を切って形を整えましょう。5月~9月にさし木でふやせます。

植木屋の知恵袋

元肥に、堆肥などの暖効性肥料を与えます。また、開花中は月に1~2回液肥を与えます。

 

まとめ

植物の種類が多く何を植えれば良いか迷います。まずはひと鉢の花から手軽に楽しんでみませんか。四季を通じて、心を華やかに、また豊かにしてくれます。

 「花と観葉植物・ハーブの育て方がよくわかる 園芸百科」を引用文献とさせてもらいました。 

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