日本庭園が100倍楽しくなります
庭石組を中心に構成された庭を枯山水庭園と呼びます。
枯山水庭園は水のない庭のことで、水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式です。抽象的な表現の庭が室町時代の禅宗寺院で特に用いられ発達しました。西芳寺、大徳寺、龍安寺が有名です。
水を使う庭園で、流水を使ったり、池を作って構成された庭を池泉庭園と呼びます。
池泉回遊式庭園は、禅宗寺院や大名により多く造営された形式で、日本庭園の集大成です。池を中心し、その周辺に園路を巡らせて、回遊して観賞する庭園です。小石川後楽園、兼六園、桂離宮が有名です。
日本庭園で見られる庭園は「浄土式庭園」「蓬莱式庭園」「縮景式庭園」を表現しています。
浄土式庭園は極楽浄土を表現した庭園で、大海を越えて浄土に至るという情景を表現した庭園です。
蓬莱式庭園は蓬莱仙思想に基づいた庭園です。不老不死の仙人が住む蓬莱山や、長寿の象徴である鶴や亀を模した島を表現した庭園です。
縮景式庭園は実在する景色を表現し再現した庭園が縮景式庭園です。
私の住んでる近くの国道沿いですが、広い面積に枯山水を表現した庭園?
私が思うに、街路樹では管理にコストがかかるために、石で空間を演出したものだと思います。私が住む県ではあちらこちらで見かけます。
土木業者が図面をもとに施工したのでしょう。
石庭として知られる枯山水の方丈庭園で有名な龍安寺をイメージしたのでしょうが、少しお粗末ですね。
龍安寺の方丈庭園は、幅25m、奥行10mほどの空間に白砂を敷き詰め、東から5個、2個、3個、2個、3個の合わせて15の大小を配置した庭です。
この庭は石の配置から「虎の子渡しの庭」や「七五三のに庭」の別称があります。
七五三の庭とは東から5,2,3,2,3の5群で構成される石組を、5と2で七石、3と2で五石、そして3で三石と、七、五、三の庭と呼ばれています。古来より奇数は陽数、おめでたい数とされています。
私が何が言いたいかというと、京都の有名な庭は七、五、三の庭が基本にあり、庭石をはじめ、樹木などの植物も基本、奇数で構成されています。
七、五、三の庭は、全国に広まり全国で見られます。
造園工事の石組は、石は骨で、植物は肉と、よく人間の体でたとえられます。
骨組みの石がもっとも重要ということです。造園工事も昔から、石を配置して最後に植物(樹木)を植えます。
上の写真の石組も木などが配置されれば、それなりに庭らしくなるでしょう。
次に石の組み方紹介します。インターネットで調べてもでてきませんよ、京都で10年修業してやっと分かる石の組み方です。親方も教えてくれませんか。京都では習うのではなく、技術を盗めと教わりましたが、その一つを紹介します。
この石組、なんのことやらサッパリ分からないと思います。
石は山をイメージして、砂利は広い海をイメージしています。中央ある石、2個は元々は一つの石で、長い年月をかけて、左の小さい石が割れて倒れたと表現できます。
石組から、作庭家の思いが石から読み取れます。この石組はひどいので別ですが。
山など、川の源流を散策していると、自然に岩が割れて風化している様子を見ますが、それれら自然の風景を昔から庭で表現しています。
下の写真は、私の家の軒下ですが、石を五個使っています。元々は、一つの大きな島が、長い年月をかけて、地盤の沈降や地殻変動、荒波などで、急斜面の谷や山などになった、リアス式海岸ような様子を表現しました。
このような石組は基本で、よく見られますが、元々一つの島が五つに別れたイメージなので使う石は同じ石を使い、見る人にこの石は、元々ここにひっついていて、何らかの理由で離れたとわかるように、石と石の離れた様子に気を付けなければいけません。
解りやすく説明すると、日本列島ももともとは大きな大陸から地殻変動で離れました。紀伊半島と四国がピッタリあうように、見る人が想像できる石組を、しなければいけません。
下の写真は、長い年月をかけて一つの島に違う島が寄ってきた様子を表現しています。
山などを散策していますと、山道に大きな岩が転がっています。ふと、上を見上げれば大きな岩があり、転がっている岩とがピッタリ合う様子が見てわかります。しかし、道に転がった岩は違う岩とひついてしまっています。自然界ではよくある光景です。
全く違う島が大きな島に近づいてきた様子を表現しました。この様に、表現された庭も多くあります。
話は大きくそれますが未来は、ハワイが近くなっているらしいです。太平洋プレートは日本に向かって移動を続けており、日本海溝で北アメリカプレートの下に沈み込んでいます。沈め込む距離は、1年間で約8センチメート。つまりそれだけ日本にハワイが近づいているということです。
下の写真も、もともとは一つの島が割れて、二つなり、長い年月をかけて、違う大陸が近づいてきた様子を表現しました。
まとめ
何となくわかりました?。もしお寺や有名な庭を見る機会があれば参考にしてください。何百年前の有名な作庭家の思いや狙いが少しわかりますよ。