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樹木医師の紫色の花が魅力的な庭木

はじめに

花木の花にも。さまざまな色がありますが、紫色の花が咲く庭木を集めてみました。庭に植えて楽しみませんか。

 

 クコ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】特に選ばない

【植えつけ時期】落葉期が適期です

【開花期】8~9月

栽培のポイント

植えつけと移植は、落葉後から葉の出る前に長くのびた枝を切りつめて植えつけます。株が大きい場合は、株分けして、小株で移植します。日当たり良い場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけします。剪定は、落葉期、枝が込んだところがよくわかるので、葉が出るまでに刈り込むか、野趣を出して枝抜き剪定します。強剪定すると勢いよく枝が伸びすぎるので、軽剪定でとどめます。肥料はほとんど必要ありません。病虫害は、若葉のころにアブラムシが発生することがあります。見つけたら補殺します。被害が著しいときには殺虫剤を散布します。

 

フジ

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【日当たり】日向を好む。つるがのびる部分が日向ならば、根もとは日陰でもよい

【土壌・土質】土質は特に選ばない

【植えつけ時期】植えつけと移植は12~3月が適期です

【開花期】4月中旬~6月

栽培のポイント

植えつけと移植は12~3月が適期です。庭に植えつける場合は日当たり、保水のよい場所を選びます。移植は根を切ることなく末端まで掘り出します。やせ地でもよく育ますが湿り気を好み、乾燥には注意が必要です。植えつける時には、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。花後に行う初夏の剪定は、余分な枝を整理して木の骨格を整え、樹幹部まで日光がはいるようにします。落葉後に行う冬の剪定は11月下旬~3月が適期で、つるや枝を整理することで、春にすっきりとした樹形が楽しめます。寒肥は、骨粉、油かすなどの有機質肥料を施し、開花後の夏は少なめに化成肥料を施します。病虫害は、コブ病、サビ病カイガラムシ、ハマキムシがときに見られるので、補殺したり、幹部を切除します。被害が著しいときは薬剤を散布します。

 

クレマチス

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質は特に選ばないが、乾燥しない水はけのよい場所を好む

【植えつけ時期】ポット苗を購入して、春植えします

【開花期】4~10月(一季咲き、四季咲き)、11~3(冬咲き)

栽培のポイント

ポット苗で流通しているため、植えつけ時期は特に限定されませんが、春植えが一般的です。移植は困難です。日当たりのよい場所に、完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、つるがあちこちにのびるので、余分なつるは整理し、誘引してまとめます。肥料は、冬期にリン酸カリ成分を多く含んだ寒肥を施します。病虫害は、ドクガやミノガ、ハマキムシなどは補殺し、根にネコブセンチュウが発生したら鉢植えは土ごと処分し、庭植えでは土を消毒します。乾燥するとハダニが発生するので、灌水して水切れに注意します。

 

ハマナス

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【日当たり】日向を好むが、暑さに弱い

【土壌・土質】肥沃な土壌を好むが、砂質土でも育つ

【植えつけ時期】植えつけと移植は葉が開く前の2~3月が適期です

【開花期】5~8月

栽培のポイント

植えつけと移植は葉が開く前の2~3月が適期です。植栽の場合は、砂地より壌土質の土壌を好みます。西日のあたらない、明るい場所に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、込んだ葉の整理と古い茎の更新を行います。肥料は、早春と花後に、油かす、鶏糞、骨粉を施します。病虫害は、まれにアブラムシが発生します。見つけたら補殺します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

ハナズオウ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】水はけのよい肥沃な砂質土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は2~3月、10~11月が適期です

【開花期】4月

栽培のポイント

植えつけと移植は2~3月、10~11月が適期です。大きくなった木や古い木の移植は根まわしをしてから行います。日当たりのよい場所を好みます。日陰では花つきが悪くなります。元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、花が終わったら、のびすぎた枝や樹高が高くなりなりすぎた枝を、軽く切りつめる程度です。1~2月に寒肥として、油かす、鶏糞、化成肥料などを施します。病虫害は、アメリカシロヒトリが発生することがあります。見つけたら補殺します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

モクレン(マグノリア・ローヤル・クラウン)

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質をは選ばないが、肥沃な土地を好む。乾燥をきらう

【植えつけ時期】植えつけと移植は3~4月、10~11月が適期です

【開花期】3~4月

栽培のポイント

煙害や潮害にやや弱く、乾燥、強風、霜を嫌います。日当たりのよい肥沃な土壌に植えつけはます。3~4月、10~11月に、植え穴に完熟堆肥をすき込んで高めに植えつけます。移植はやや難しいのですが、根まわしをし、2~3月上旬までに行えば可能です。モクレン類はあまり剪定を好みません。1~2月に、からみ枝や込みすぎている枝、ふところ枝などの不要枝、徒長枝などを剪定する程度で樹形を保てます。1~2月に寒肥として堆肥、鶏糞を施します。病虫害は、カイガラムシがつきます。少ない場合は手でかき落とし、多い場合には、冬期にマシン油乳剤、石灰硫黄合剤などを散布します。

 

ライラック

【日当たり】日向を好むが、真夏の西日には弱い。耐寒性がある

【土壌・土質】水はけのよい土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは11~3月が適期です

【開花期】4~5月

栽培のポイント

植えつけは11~3月が適期です。敷きわらをして根もとを保護します。西日のあたらない、日向の場所に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、芽吹きが弱いので、込みすぎた小枝や広がりすぎた枝を剪定する程度です。暖地では不要枝以外ほとんど剪定しません。肥料は、早春と6月初旬に鶏糞、骨粉、油かすを施します。病虫害は、暖地ではカミキリムシの幼虫つくことがあります。発見したら補殺します。

 

アジサイ

【日当たり】半日陰を好むが、耐陰性は強い。セイヨウアジサイは日向でも生育する

【土壌・土質】やや湿った肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは暖地では11~3月の落葉期、寒冷地では発芽前の3~4月

【開花期】6~7月

栽培のポイント

西日の当たらない半日陰の場所を好みますが、陽光地にも耐えてよく育ちます。耐寒性はありますが、寒風の当たるところでは花芽が凍害を受けやすくなります。やや湿った肥沃な土壌を好みますが、セイヨウアジサイは水はけのよい土壌を好みます。植えつけは暖地では11~3月の落葉期、寒冷地では発芽前の3~4月が適期です。移植は暖地では2月、寒冷地では3~4月が適期です。元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、花芽が形成される9月中旬ごろまでに行います。肥料はあまり必要ありませんが、施肥を行うときは、チッ素過多にならないように気をつけます。病虫害は、まれに炭疽病、アザミウマ類が発生することがあります。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

ブッドレア

【日当たり】風通しのよい日向を好む。日陰地をきらうが、耐寒性がある

【土壌・土質】水はけのよい肥沃な土壌を好むが、乾燥にも強い

【植えつけ時期】植えつけは3月上旬~中旬が適期です

【開花期】7~10月初旬

栽培のポイント

水はけのよい日当たりの場所に、3月上旬~中旬頃に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。移植は難しく、根まわしをしてから移植するようにします。剪定は、12月中旬~3月上旬ごろ、前年のびた枝を強く切り戻し、樹形を整えます。開花中は根もとから出るひこばえを取り除き、花がらを摘みとります。肥料は、生育旺盛なら不要です。やせ地では12~2月上旬に堆肥や鶏糞、6~7月下旬に油かすと化成肥料を与えます。病虫害は、なれにアブラムシ、テッポウムシがつきます。剪定で通風、採光を促します。

 

ハギ

【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】肥沃な土壌を好むが、やせた乾燥地にも耐える

【植えつけ時期】植えつけと移植は落葉期の11~3月が適期です

【開花期】5中旬~10月

栽培のポイント

日当たりのよい場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、ほとんど必要ありませんが、丈を高くしたくないときは、秋から早春に地上部を切りとり、根際から新梢をのばします。肥料もほとんど必要ありませんが、寒肥に鶏糞などを与えると、生育がよくなります。病虫害は、うどんこ病サビ病などが発生します。殺菌剤を散布します。

 

エリカ

【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】水はけのよい土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は10~12月、3~4月が適期です

【開花期】12~4月中旬

栽培のポイント

南アメリカからヨーロッパ原産のエリカ。暖地性で日本では栽培が難しいですが、ジャノメエリカ(クロシベエリカ)が日本の気候にあい、関東以西で庭木として植えられています。植えつけと移植は10~12月、3~4月が適期です。日当たりよい場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、のびすぎた枝葉を剪定する程度で、水やりも夏の乾燥時期以外は必要ありません。肥料は、酸性土壌を好むので、数年に1回、ピートモスや堆肥を根のまわりに与えます。病虫害は、まれにアブラムシが発生することがあります。剪定によって通風と採光を促します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

まとめ

最近では、コンテナ栽培が流行っています。場所をとらず、苗木から育てても花が早く咲くのが人気の理由です。玄関先や庭を演出する仲間に入れてみてはいかがでしょうか。きっと心が華やかになりますよ。