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樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ六

【黒松の中芽切り】

前年に芽切りをしなかったものや目的をもって伸ばしている枝など、長く伸びてしまった枝を短く切り戻すには、中芽切りをする。

私が愛読している本にはこう書かれています。

盆栽では、よく知られたこの長く伸びすぎた枝を切りつめる方法ですが、植木屋の世界では御法度としている県が多くあります。私が修業した京都では庭植の黒松には中芽切りをおこないません。中芽切りをおこなうのは赤松だけです。また、大阪は反対に中芽切りをおこなうところでした。今住んでいる山陰地方は中芽切りを極端に嫌います。

ところ変わればですね。

中芽切りをおこなう時期は、三月、九月におこなってもよい。九月に切ると、その年か翌年三月までには新芽が確認できる。また、芽切りが苦手という人も、三月の中芽切りで芽切り相当する成果をあげるこができると書いてあります。

 

私は、庭植の松に御法度とされる中芽切りを山陰地方でも多用します。良い方法はドンドン利用しなければ、ウンチクより勝ります。

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七月中旬の状態

上の写真は、6月中旬に芽切りをおこなった盆栽です。真ん中の伸びた枝は、芽切りをおこなわず目的をもって伸ばしている枝です。

七月中旬、約一カ月で芽切りをおこなった芽は一ヵ所から、3つも4つも芽が確認できます。

この黒松の盆栽も、6月中旬の芽切り作業、丁度良かったようです。来年以降の参考にできます。

芽切りをおこなわなかった芽は、この様に元気に伸びています。芽切りをする、しないでここまでの差ができます。

あまりにも、間延びしたので伝家の宝刀の中芽切りをおこないました。

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中芽切りは、必ず葉を残して切ります。葉のない軸の上で切ると、水揚げができず、その部分は枯れます。

せっかくなので、さし床に差しておきました。

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七月中旬

下の写真は、約一カ月後です。ほとんど変化なしです。

変化がないということは、成功でしょうか?変化が現われたら、報告します。

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八月中旬

下の写真、八月中旬。

中芽切りから約一カ月、 一ヵ所から、3つも4つも芽が確認できます。
中芽切りが成功しました。
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本によると、八月には二芽だけ残して他の芽をピンセットで欠きとると、書いてあります。

八月中旬、芽切りしたところの二番芽がかなり大きくなりましたので、芽欠き作業をおこないます。

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中芽切りが成功して、こじんまりとした松の盆栽になりました。
 この度は、古葉はとっていません。古葉は、十月頃にとり、十一月頃に葉すぐりの作業をしたいと思います。

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三月下旬

上の写真の左下の黒松の盆栽。
瀕死の状態でしたが、春先の植え替えとこまめな肥料のおかげで、ここまで元気になりました。この盆栽も同じ時期に芽切り作業をおこなっています。その後に針金で樹形づくりをしました。
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