庭のお医者さんに教えてもらう

庭のお困り事、解決します。

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ二

【松の短葉法の発見】

黒松は昔、葉がながすぎて、盆栽としての魅力がなかったらしいです。

ある時、新芽が虫に食害されて、芽がなくなったらしいです。1ヶ月ほどたったある日、とれた新芽の後に二番芽が出て、そんままにしていたら、何とか秋に短い葉の芽ができました。

この偶然に誕生した、二番芽が盆栽に利用されるようになり、黒松は松柏盆栽に欠かせない存在になり、今では、多くの方が黒松の盆栽に夢中になっています。

 

黒松の盆栽に用いられる芽切り。庭植えの黒松に芽切りはしません(一部の地方を除いて)。一般的にミドリ摘みです。ミドリ摘みも今ではコスト面でおこなわない家庭が多いです。

その一部の地方とは、私が住む山陰地方です。確かに芽切りをすると、葉の短い、絵に描いたような黒松になりますが、芽切りをおこなった松は、秋の剪定がとても手間がかかります。

昔、先輩が芽切りをした松の剪定をしていて、面倒な手法をよく昔の人は発見したなと感心半分、面倒くさ半分に、そうに言っていたのを思い出します。

 

f:id:papubo:20200515155553j:plain

上の葉は短葉法の葉。下は短葉法していない葉(どちらも同じ松)

 去年近くの海岸で採ってきた黒松。数本鉢植えにして、三本を畑で太らせ鉢に植えようと思います。気の遠くなる話です。


 令和2年2月末畑の松1。

2月は大きな改作や針金かけの好期ということで。

f:id:papubo:20200515153645j:plain

2月末。黒松1 右の枝を次の真にしようと思い、芯の枝を切り改作。

切った芯は後にジン(自然に枯れてしまった枝)にしたいと思います。

f:id:papubo:20200515154051j:plain

4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていまが、元気よく伸びています。

 

【芽切り】

4月中旬にはローソク芽が大きく伸びます。強い芽はミドリ摘みします。

・ミドリ摘み(芽摘み):強く伸びた芽を3分の1残して摘みます。

f:id:papubo:20200518133033p:plain

4月に入ると芽は大きく伸びます。同じ1本の木でも、樹芯部や枝先など、良く日の当たる芽は強く伸びます。ふところの芽はほとんど伸びません。伸びた芽を放置すると、強い芽に養分が取られて、弱い芽がますます弱くなります。

強い芽は途中で折りとりましょう。

 

・芽切り:6月、残した3分の1の芽、新葉が伸びます。7月に、伸びた芽を元から全部切り取る。

f:id:papubo:20200518135814p:plain

ミニ盆栽の場合です。私の地方では、庭植えの黒松はミドリ摘みせず、5月中旬~7月の海の日までに芽切りします。

 

5月18日。芽が元気良く伸びていますが、下枝の方の古葉の色が悪いので、この松は一部、新芽を残しました。新しく真にしようと思う枝も残しました。

f:id:papubo:20200515161521j:plain

一番上の芽は残しました。残すことによって、幹が早く太ります。

 

2月末の畑の黒松2。幹元にある小さい芽を真にしようと思い、改造

f:id:papubo:20200515153721j:plain

5月18日 畑の黒松2

f:id:papubo:20200515154157j:plain

5月15日。こちらの松2も芽が元気良く伸びています。4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていますが、元気よく伸びています

黒松2は、ふところの弱い芽を残し、芽切りを取ります。

f:id:papubo:20200515161249j:plain

一番上の芽と弱い芽を残し後は全部とりました。

元々寂しい芽の数ですが、いくぶんサッパリしました。

f:id:papubo:20200515155021j:plain

松2番 この芽は4月中旬にミドリ摘みしています。

f:id:papubo:20200515161028j:plain
松2番 芽切りしました。

f:id:papubo:20200515160435j:plain

松2番のローソク芽。この芽は4月中旬にミドリ摘みしていません。

f:id:papubo:20200515160557j:plain

松2番のローソク芽を根元で切ります。

 

2月末。畑の松3 少し針金で形づくりしました。

f:id:papubo:20200515153751j:plain

5月18日 畑の松3

4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていまが、元気よく伸びています。

f:id:papubo:20200515154856j:plain

5月18日。こちらの松3も芽が元気良く伸びています。

 弱い芽を残し後は全部、芽切りします。

元々寂しい芽の数ですが、いくぶんサッパリしました。

f:id:papubo:20200515155938j:plain

まだまだ松らしくないですが、来春は鉢植えにしようと思います。

庭植えの松はヤセづくりといい、水、肥料を控えて育てると言われていますが、それは葉の長い松を嫌い言われていたと思います。

芽切りをすると、松に負担がかかり弱ります。庭植えの黒松も毎年芽切りをおこなうと芽の出が悪くなります。芽切りをおこなうなら、水、肥料はたくさんあげる必要があるということですね。

 

f:id:papubo:20200518145257j:plain

今年畑から持ってきて、鉢植えにした黒松です。

様子を見て、6月か7月に芽切りをしようと思います。

毎日2回の水やりと肥料はやっています。

f:id:papubo:20200518145323j:plain