樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ六、門松づくり
毎年恒例の我が家の門松を作る様子を紹介したいと思います。
最近は門松を飾る家も少なくり見かけるのは神社仏閣か大きな店舗と限られますが、日本のお正月には門松をはつきものです。
門松を作るのは難しそう、大変そうと思う方もい多いのですが、難しいのは作ることではありません。作る事は簡単です。材料をそろえるのが難しいのです。
私が思うに門松を飾る家が減ったのは門松を作る材料が身近にないのが原因だと思います。
田舎暮らしの良い所は、門松づくりに必要な材料が手前でそろうところです。
私が毎年作る門松は約1.8mと大型ですが、60㎝程の門松でも十分に玄関先を飾ってくれます。材料が手に入る方は是非作ってみてはいかがでしょうか。
門松は自由に作って良いものです。我が家流で良いのです。
自己流で良いと言っても門松とは何?では困りますので、門松とは何か、少し押さえておきたいですね。
門松は、お正月に玄関前に立てられるお正月飾りですが、おもに松や竹を用います。
門松は地方により様式に違いがあります。関東では3本組の竹を中心に、周囲に短めの若竹を配置し、下部をわらで巻く様式が多いです。関西では3本組の竹を中心に、前面に葉牡丹、下部を竹で巻く様式が多いです。縁起の良い梅、南天、熊笹なども添えられます。
門松は平安時代に中国から日本に伝わったとされています。松は冬でも青々しています。冬でも枯れない常緑樹ですが、その生命力が神様が宿ったようだと考えられ、古来より不老長寿や繁栄、新しい生命力の象徴とされてきました。
今では竹が主役になっていますが、古くは門松は名前のとおり松などの常緑樹で飾られていましたが、鎌倉時代以降、竹も一緒に飾られるようになったと言われています。
私が作る門松も我が家流です。もしよければ参考にしてください。
我が家の竹藪から獲ってきた孟宗竹。太い物で末口は15㎝ほどあります。
多くの方が竹の入手に困ると思います。
6~8㎝ほどの真竹でも十分に門松になりますので細い竹で代用してください。
竹を斜めに切ります。鈍角より鋭角になればなるほど見た目が良いので、可能な限り鋭角に切ります。
私の丸鋸は19mmなので半分程度しか切れません。
残り半分は手鋸で切ります。
切るポイントは、3本竹を合わせるので、3本が同じ角度になるように切ります。
切った端くれを次の竹に合わせて鉛筆でしるしをすると同じ角度で切れます。
私は3分の1ほど節を入れるように切ります。節を入れることで竹にある変化が出来ます。その変化は後ほど。
角度を合わせて切ったつもりでも、なかなか揃わないものです。
私は微調整をカンナでおこないます。
竹が切れたら次に門松の下部を作っていきます。
こもを樽の高さに合わせて切ります。
樽の写真を撮るのを忘れていました。
プラの漬物樽を使用していますが、小さい門松ならバケツで十分です。
こもはホームセンターで購入しました。
こもの下部は15㎝折り返します。
折り返し無しでもOKです。
プラ樽が見えないよに、こもを長めにするのがポイントです。
こもが巻けたら3か所縄で巻きます。
要はこもが外れなければ良いのですが、縁起物なので奇数が良いと思います。
竹以外の材料です。黒松、南天、千両、万両、葉牡丹です。葉牡丹だけ購入しました。
赤い実があるのとないのでは華やかさが全然違います。
南天や黒松、千両などは年末に道の駅で購入出来ますので、もしよければ。
竹を3本組みます。
竹の3本組は諸説ありますが、私は背の高い竹からお父さん、お母さん、子供と思って作っています。竹を人にたとえていますので、竹たちが笑ったように作ります。
その為に節を3分の1残して竹を切ります。
竹を立てたら砂で竹が動かないよにします。
また染縄で竹を数ヶ所止めます
後は松などの材料を砂に挿すだけです。
砂はおススメです。
砂に水分を含ませると松や南天などが枯れずにお正月中新鮮なままです。
私は後ろに松をいけます。両サイドに南天と万両、前に葉牡丹と千両ですが、
これはセンスの問題です。
完成です。
竹たちも大きな口を開けて笑っています。歌っているのかも?
最後までお読みいただきありがとうございました。よいお年を。