樹木医師の庭木の消毒散布の仕方
はじめに
薬剤は種類も多く、どの薬剤を選んでいいか迷います。薬剤によって、効き目も違いますし、毒性が強い薬剤もあります。
【薬剤の種類】
😁一般家庭では毛虫など発生した時に使う「殺虫剤」スミチオン乳剤・マラソン乳剤・
ディプテレックス乳剤を使用すればよいでしょう。
😁樹木は毛虫だけではなく病気にもなります。うどんこ病などです。その時に使う「殺
菌剤」トップジンM・ダイセン・ダコニールなどを使用すればよいでしょう。
植木屋の知恵袋
ディプテレックス乳剤は匂いがあまり強くなく、薬剤を希釈すれば色が透明に近く散布して樹木以外に付着しても目立ちにくいです。
【害虫・病気の発生時期】
😁害虫や病気の発生時期は、3月~4月に始まって9月~10月まで続きます。
😁予防のために年3~4回行うのが理想的です。
😁害虫駆除は一回散布したら、2~3日後にもう一度散布すると効果的です。
😁うどんこ病などの発生は、気温の上がる5月頃から10月頃まで続きます。一回散布し
たら、薬剤を変えて1週間ごとに2~3回散布します。同一の薬剤の連用はさけます。
植木屋の知恵袋
極めて雑食性の強いカイガラムシでネズミモチとウバメガシを除くほとんどの庭木に付きます。
発生時期:年1回の発生です。6月~7月
防除法:被害木の少ない場合は、角ベラ様のものでそぎ落とします。多発の場合は幼虫発生期の6~7月頃に、スミチオン乳剤などを1000~1500倍液を2~3回散布します。
薬剤を変えて1週間ごとに2~3回散布します。同一の薬剤の連用はさけます。
発生期:5月中旬~下旬から発生し、6月~7月の梅雨の時期の発生が激しい。9月~10月に再び伝染します。
防除法:通風や日照の不良樹で多発するので、剪定も必要です。
トップジンMの1000~2000倍液などをを散布します。薬剤を変えて1週間ごとに2~3回散布します。同一の薬剤の連用はさけます。
【薬剤散布の仕方】
😁風の無い日を選び、気温が高くない時間に散布しましょう。気温や日差しが強いと薬
害をおこすおそれがあります。朝か夕方が良いでしょう。
😁薬剤は噴霧器を枝先から30~40㎝離した位置からかけますが、葉先からしたたり落
ちるほど大量にかける必要はありません。必ず葉の裏にもかけることです。
😁多くの病菌が葉の裏の気孔から侵入します。ハダニや毛虫などの害虫は直射日光が当
たらない葉裏で活動します。
😁マスク、ゴム手袋、長袖、長ズボン、帽子、ゴーグルなどで皮膚をしっかりとガード
します。
😁隣家の人に薬剤を散布する前に知らせて、窓を閉めてもらう、洗濯物を取り込んで
もらいましょう。
😁道を歩く歩行者、自転車なども気をつけましょう。
😁微風が吹いている場合は、必ず風上から散布します。
😁作った薬剤は保存できません。余った薬剤は穴を掘り埋めましょう。作る前にしっか
りと計量しましょう。
😁薬剤を散布した後に雨が降ったら効果を失うのではないかと思はれがちですが、雨の
前に、葉に付着した薬剤が乾いていれば大丈夫です。
😁それよりも、散布後、急に強い日差しに当たるほうが、薬害の心配がでます。
【消毒液の作り方】
1000倍液1リトルの作り方
😁液体の農薬を希釈する場合は、 水1ℓは1000㎖です。1000㎖を1000倍で割ると1㎖。水1ℓに農薬1㎖入れる(1㎖=1㏄)です。
私は500㎖の農薬を使用しています。ボトルのキャプには8㎖と書いてありますので8ℓの水に農薬キャプ1ぱい入れます。(キャプに7㎖記載の場合有)
家庭でよく少量の消毒される方はスポイトが有れば便利です。
まとめ
どのような、殺虫剤や殺菌剤は人間にとって無害なものはありません。十分に注意して取り扱ってください。