庭のお医者さんに教えてもらう

庭のお困り事、解決します。

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ三

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本では、7月上旬は芽切りすると、書いてありますが、芽切りを遅くにおこなった場合、2番芽がすごく小さい場合があります。逆に早く芽切りをおこなった場合、2番芽が大きくなりすぎて、観賞価値がなくなることがあります。

この黒松の盆栽は、今年の3月に畑から持って帰って鉢に植えました。今回おこなう芽切りが来年以降の目安となります。

7月には、芽切りをしたところに、一ヶ所から三つも四つも2番芽が出ます。その数芽出た芽を、でかたのよい芽を2芽だけ残し他の芽はピンセットで欠きとります。

この松は圏外仕立てにしたいと思います。もう少し石より垂れ下がった感じになるように、真ん中の芽は芽切りをおこなわず、残します。一本だけ伸ばすと、それに続く幹はぐんぐん肥大します。

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芽切りのポイントは、一ヶ所から二つ、三つでている、強い芽、弱い芽も全て根元で切ります。小さい芽が残ているとその芽が伸び長い葉になります。芽切りを行う芽は全て切りとります。

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下の黒松の盆栽も、今年の3月に畑から持っ帰って鉢に植えました。今回おこなう芽切りが来年以降の目安となります。

芽切りは1年伸ばすと長い葉になる。しかし、毎年芽切りすると木に相当負担がかかるので、2年1度が適当である。それも弱った状態の木は必ずさける。と書いてあります。

ということなので、この松はふところに、ごく弱い芽がたくさんあるので、ごく弱い芽は切らずに、元気な芽だけを芽切りします。

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サッパリしました。

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 下の写真は、3月下旬頃に畑の松のローソク芽を持って帰り。さし床さした芽です。

どうも失敗しているようです。

本よると、3月下旬ローソク芽を4~5㎝ほど折り、3~4㎝でカミソリですっぱと切りバーミキュライトのさし床に挿す。翌年に鉢に植える。とあります。

私が挿したさし床は鹿沼土パーライトバーミキュライトピートモスでつくったものです。それが原因か分かりませんが、今回芽切りした芽を、もう一度挿したいと思います。

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さし床の一角をバーミキュライトのさし床に変えました。

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さし木の適期は、さし穂の栄養状態や気温、湿度などの条件がよいときです。落葉広葉樹は2~3月の春ざし、6~9月の梅雨ざし。常緑広葉樹は3月中旬~4月上旬の春ざし、6~7月の梅雨ざし。常緑針葉樹は4~5上旬の春ざし、7~9月の梅雨ざしです。

さし木ではなく、今回はさし芽ですが、チャレンジします。

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ちなみに、写真のさし木はツバキとネコヤナギです。きれいな花が咲くツバキがあったので枝をもらって正月に挿しました。ネコヤナギも正月に挿しました。成功しています。

つきやすい木はどんな土でも、つくらしいですが、つきやすい木は時期もあまり関係ないようです。

私がさし木にこだわるのは、さし木は親木のクローンだからです。松は特に、その木の持つ性質に違いがあります。葉が長い性質、芽がよく伸びる性質、葉が柔らかい性質、それら性質は、仕立てるうえでとても重要です。山や海で採取してきても、その松がどのような性質なのか、一年たたなければわかりませんが、性質の良い松のクローンなら間違いないです。

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最後にこんなところから、ナンテン芽がでています。

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ナンテンの芽が2芽確認できます。正月飾りにナンテンの枝を蹲に活けていたました。実が落ちて芽が出たのですね。 実からできたものを実生といいますが、実生は親木の子供で親の性質を完全には受け継ぎません。ナンテンなどは性質を松ほど神経質になりませんので、種から育てても大丈夫です。 

樹木医師の盆栽に魅せられて、其ノ二

【松の短葉法の発見】

黒松は昔、葉がながすぎて、盆栽としての魅力がなかったらしいです。

ある時、新芽が虫に食害されて、芽がなくなったらしいです。1ヶ月ほどたったある日、とれた新芽の後に二番芽が出て、そんままにしていたら、何とか秋に短い葉の芽ができました。

この偶然に誕生した、二番芽が盆栽に利用されるようになり、黒松は松柏盆栽に欠かせない存在になり、今では、多くの方が黒松の盆栽に夢中になっています。

 

黒松の盆栽に用いられる芽切り。庭植えの黒松に芽切りはしません(一部の地方を除いて)。一般的にミドリ摘みです。ミドリ摘みも今ではコスト面でおこなわない家庭が多いです。

その一部の地方とは、私が住む山陰地方です。確かに芽切りをすると、葉の短い、絵に描いたような黒松になりますが、芽切りをおこなった松は、秋の剪定がとても手間がかかります。

昔、先輩が芽切りをした松の剪定をしていて、面倒な手法をよく昔の人は発見したなと感心半分、面倒くさ半分に、そうに言っていたのを思い出します。

 

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上の葉は短葉法の葉。下は短葉法していない葉(どちらも同じ松)

 去年近くの海岸で採ってきた黒松。数本鉢植えにして、三本を畑で太らせ鉢に植えようと思います。気の遠くなる話です。


 令和2年2月末畑の松1。

2月は大きな改作や針金かけの好期ということで。

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2月末。黒松1 右の枝を次の真にしようと思い、芯の枝を切り改作。

切った芯は後にジン(自然に枯れてしまった枝)にしたいと思います。

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4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていまが、元気よく伸びています。

 

【芽切り】

4月中旬にはローソク芽が大きく伸びます。強い芽はミドリ摘みします。

・ミドリ摘み(芽摘み):強く伸びた芽を3分の1残して摘みます。

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4月に入ると芽は大きく伸びます。同じ1本の木でも、樹芯部や枝先など、良く日の当たる芽は強く伸びます。ふところの芽はほとんど伸びません。伸びた芽を放置すると、強い芽に養分が取られて、弱い芽がますます弱くなります。

強い芽は途中で折りとりましょう。

 

・芽切り:6月、残した3分の1の芽、新葉が伸びます。7月に、伸びた芽を元から全部切り取る。

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ミニ盆栽の場合です。私の地方では、庭植えの黒松はミドリ摘みせず、5月中旬~7月の海の日までに芽切りします。

 

5月18日。芽が元気良く伸びていますが、下枝の方の古葉の色が悪いので、この松は一部、新芽を残しました。新しく真にしようと思う枝も残しました。

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一番上の芽は残しました。残すことによって、幹が早く太ります。

 

2月末の畑の黒松2。幹元にある小さい芽を真にしようと思い、改造

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5月18日 畑の黒松2

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5月15日。こちらの松2も芽が元気良く伸びています。4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていますが、元気よく伸びています

黒松2は、ふところの弱い芽を残し、芽切りを取ります。

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一番上の芽と弱い芽を残し後は全部とりました。

元々寂しい芽の数ですが、いくぶんサッパリしました。

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松2番 この芽は4月中旬にミドリ摘みしています。

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松2番 芽切りしました。

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松2番のローソク芽。この芽は4月中旬にミドリ摘みしていません。

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松2番のローソク芽を根元で切ります。

 

2月末。畑の松3 少し針金で形づくりしました。

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5月18日 畑の松3

4月中旬、強い芽はミドリ摘みしていまが、元気よく伸びています。

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5月18日。こちらの松3も芽が元気良く伸びています。

 弱い芽を残し後は全部、芽切りします。

元々寂しい芽の数ですが、いくぶんサッパリしました。

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まだまだ松らしくないですが、来春は鉢植えにしようと思います。

庭植えの松はヤセづくりといい、水、肥料を控えて育てると言われていますが、それは葉の長い松を嫌い言われていたと思います。

芽切りをすると、松に負担がかかり弱ります。庭植えの黒松も毎年芽切りをおこなうと芽の出が悪くなります。芽切りをおこなうなら、水、肥料はたくさんあげる必要があるということですね。

 

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今年畑から持ってきて、鉢植えにした黒松です。

様子を見て、6月か7月に芽切りをしようと思います。

毎日2回の水やりと肥料はやっています。

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樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日、其ノ二

この場所のスギゴケは何度張り替えても半年ほどで枯れてしまします。

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西日がキツイのとシャッターの照り返しもだめでしょうし、海が近いので風で塩が上がってくるのか、なにかあるのでしょうが、何が原因かはよくわかりません。

 

今日は畑のスギゴケを採ってきて張り替えたいと思います。

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この畑も日差しが良く当たる場所ですが、至る所にお宝が。

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張り替えるのは一ヶ所なので、これで足りると思います。

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スギゴケの張り方のコツは、クロボク(火山灰の土)なので、乾いたら土にひび割れができるので、しっかりと抑えることがポイントです。私はトンカチで思い切り叩きます。

竹ぼうきで潰れた苔を取り除き、水をたっぷりとかければ出来上がり。

綺麗になりました。

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畑に行ったのでついでに、カキの木のチェック。

花芽が沢山ついています。

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ガの成虫マルモンシロナミシャクだと思います。

違うのかな?

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こちらは、八朔の白色の花。もう少しで咲きそうです。柑橘系の花の匂い好きだなー

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 今年の2月。沢山採れました。一本の木でこの量さぞかし木も重たかったでしょう。

 半分以上、近所にお裾分け。売りませんが、道の駅で売れば結構な値段で売れます。

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こちらはイセリアカイガラムシです。もうその季節ですね。招かざる客。

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植木屋の知恵袋

古くからミカン類の重要害虫として有名です。群生した場合はすす病を併発し、樹勢が衰えて、枝を枯死させることもあります。年に2~3回の発生です。発生が不規則で年間を通じて、卵、幼虫、雌成虫がみられます。成虫を比較的多く見られるのが6月、8月、10月頃です。防除法は被害が少ない場合は角ベラでそぎ落とします。多発の場合は幼虫発生期の6~7月頃に、スプラサイド、カルホス、スミチオン、ディプテレックスの各乳剤1000~1500倍液のいずれかを10日おきに前回と違う薬剤を2~3回散布します。

冬期にマシン油乳剤の、15倍~20倍(落葉樹)、50倍~80倍(常緑樹)散布します。発生密度をかなりの抑えることができます。また、他の越冬害虫ハダニ、アブラムシ、コナジラミ等の防除も兼ねて散布します。

 

 こちらは、菊です。毎年、春の彼岸、夏の盆、秋の彼岸にあわせて咲くように3種類、植えています。

去年はアブラムシに往生したので今年は早めに駆除します。

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植木屋の知恵袋

越冬卵は4月上旬に萌芽と同時にふ化し、新葉に寄生して加害をはじめます。この時期の防除を外してはなりません。ウメへの寄生は6月頃までです。それ以降は、キク科の植物等で夏を過ごし、秋にウメに帰ります。

防除法は理想的な防除は、早春の萌芽初期にオルトラン、スミチオン、トレボン、ディプテレックス各乳剤の1000~1500倍液を丹念に散布します。この時期に縮葉病の防除をかねて石灰硫黄合剤を散布すると、本虫の発生をかなり抑えることができます。

展葉後は発生の状況により10日~2週間毎に、アディオン乳剤の2000倍液を、トレボン乳剤の1000倍液など2~3回散布します。

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樹木医師の、のんびりとした田舎暮らしの休日

p>今日は天気もいいんで、近くの海で流木をひろいたいと思います。

写真で取りませんでしたが、海岸はゴミが凄く多いです。困ったものです。

大陸からゴミがながれてきます。

地元の住民は定期的にゴミ掃除をしていますが、減る事はなく、増える一方です。黄砂もそうですが、風下はしょうがないですね。

ちなみに、この海からゴミを捨てると福井県や石川に流れ着くらしいです。(ここは鳥取県です)

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ゴミをかき分け探すこと20分。良い流木が見つかりました。

マツの根だと思います。

これに防腐剤を塗って苔を張りたいと思いまいます。

 

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防腐剤の臭いが気になりますが丁寧に塗ります。

 

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非常に暑いです。もう夏ですね。

 

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塗れました。風格がでましたね。

乾いたら苔を張りたいとおまいます。

乾くまで私の基地(ベース)を紹介します。

 

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仕事がない時は、ほぼここにいます。

 

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ランチュウが元気よく泳いでいます。

 

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オランダ獅子頭も元気に泳いでいます。

もう少ししたら、産卵する時思います。また紹介します。

 

この基地はエアコンが無いので冬と夏が困ったものです。

冬は火鉢で何とか過ごせるのですが、夏は扇風機なので、汗だくになります。

 

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家の前に苔が生息しているので、拝借。田舎に感謝。

 

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山奥の渓谷をイメージしました。

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砂利は水の流れです。

 

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田舎暮らし何にもないけど、色々あります。

 

 

 

樹木医師の盆栽に魅せられて

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はじめに

自分好みの黒松を一から仕立ててみようと思い、昨年近くの海岸で、20~30㎝程の黒松、数本を採取して、畑に植えました。

気の遠くなる話です。その中の一本は盆栽に仕立てようと思い鉢に植えました。これも気の遠くなる話です。

この度、昨年畑に植えた数本の黒松の中から、2本の黒松を、盆栽にしようと思います。

 

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この黒松は「懸崖」に仕立てようと思います。

 

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この黒松は「文人木」に仕立てようと思います。

 

3月26日

本によれば、3月植え替え可能。4月上旬は植え替えの最適期とのことなので、鉢植えにしたいと思います。

 

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両方ともいい根が出ています。

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根を箸で丁寧にほどき、根張りもかきき出し、根のはちが薄くなるように、長く伸びた根は短く切り詰めました。

 

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結構、切り詰めました。

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土は「小粒 硬質赤玉土」と「地元で取った砂」を赤玉8:砂2の割合で混合しました。本では赤玉土をふるい分けにすると書かれていますが、そのまま使用。

 

植える鉢に防虫ネットをセットし鉢穴から木を固定する針金も出しておく。

鉢底に粒の大きい赤玉土を敷き、その上に用土を‘‘山形‘‘になるように入れ、根切りを終えた木を‘‘山形‘‘の用土が平らになるぐらい、押し付ける。

植え位置が決まれば、木が動かないように、針金で結束し、周囲に用土を入れ、箸でよくすき込みながら根と用土を密着させる。

 

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針金で木を傷めないようにゴムをあてがいました。

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植終わったら、鉢底から透明な水が出るまでたっぷりの水を灌水する。

苔を周囲に張る。こうすと水やりの際、表土が流失するのを防がる。

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この黒松は「懸崖」に仕立てようかんがえていますので、真ん中の枝を残して両側の枝を切りました。

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カエル君の顔も見えやすくなりました。

切った後で切った枝を‘‘ジン‘‘にすればよかったと後悔。

 

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この黒松は「文人木」に仕立てようと思います。本によれば、2~3月は大きな改作、針金かけの好期ということで、今回は枝を切らずに針金で樹形を整えました。

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本によれば、4月、ローソク芽で差し芽ができると書いてあるので、

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先ほど畑で松を掘る時に、他の黒松ののローソク芽をミドリ摘みをして持って帰ってきました。

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よく切れる刃物で切り。

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私自慢のさし床にさしました。

来春に植えれるか、楽しみです。

 

こちらのイワヒバ(岩松)叔父にもらいました。

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こちらのモミジは昨年山で採取してきました。春になり、芽が出ました。

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まとめ

歳を取ると1年が経つのが早く感じられますが、盆栽を見ているとそうも思いません。

もっと幹が太く、枝が太くならないか、一向に太くならないような気がしてヤキモキ。

 

1年や2年で完成しなのが、盆栽の魅力なのでしょう。

何年もかけ作る楽しみを知り、盆栽のために長生きをしなければいけないと思う、この頃です。

 

私が参考にした本によると、黒松が盆栽として登場したころは、葉が長過ぎ、鉢で鑑賞する盆栽としては不向きだと思われていた。ある時、新芽が虫に食害され、前年の葉のもとでとれていまった。1ヶ月ほどして、とれた新芽の後に二番芽が発見された。この短葉法の発見以来、クロマツは松柏盆栽には欠かせぬ人気種となった。と書かれていました。‘‘野山の自然をインテリアに図解ミニ盆栽 黒松‘‘より引用。

 

私が住む山陰地方では、黒松を盆栽の様な仕立てをします。何十年と黒松の剪定をしてきて、短葉法がとても不思議でした。長年の謎が解けました。ありがとうございました。

 

また黒松が「接ぎ木」「取り木」が出来ることも知りませんでした。プロの植木屋失格ですね。

 

樹木医師の昔の日本人はどんな野菜を食べているの?まとめ其の二

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私が育てているトマト


【すいか】

原産は、熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯です。リビアでは5000年前の集落の遺跡よりすいかの種がみつかっています。エジプトでは4000年前の壁画にすいかが描かれていて、ツタンカーメンの墳墓からは、すいかの種が発見されています。当時は種のほうを食べていたとみられます。紀元前500年頃には地中海からヨーロッパ南部へ伝来し、栽培されるうちに果実を食べるようになりました。日本に入ってきた時期は諸説あり、室町時代以降にポルトガル人が長崎すいかの種を持ち込んだ説や、隠元禅師が中国から持ち込んだ説があります。日本全国に広まったのは江戸時代後期頃で、大衆化するのは、品種改良が盛んに行われて栽培面積が広がる大正時代です。

 

【セロリ】

原産は、ヨーロッパから地中海沿岸とされています。紀元前8世紀頃の古代ローマギリシャ時代には、香料や薬草され、食用とせず男性の強精薬や整腸剤などに使われていました。また、ミイラの首飾りや、古代ギリシャのお祭りに飾られてています。16世紀の終わり頃に朝鮮半島から加藤清正が東洋種のセロリを日本にもち持ち込んだとされています。1800年頃の江戸時代に、オランダ船により西洋種のセロリがもち込まれますが、独特の強い香りのために普及しませんでした。第二次世界大戦後、盛んに栽培されるようになり、食生活が洋風化し、西洋種の「コネール種」が日本定着しました。

 

【そば】

中国の雲南省からヒマラヤあたりが原産地とされています。蕎麦とは、穀物のそばの実を原料とする蕎麦粉を用いた加工品です。古くは粒のまま粥にし、あるいは蕎麦粉を蕎麦掻きや、蕎麦焼きなどとして食べていました。蕎麦粉を麺の形に加工する調理法は、16世紀末から17世紀初頭に始まったとされています。日本での歴史は古く、9000年以上前の蕎麦の実の花粉が高知県の遺跡から発見されています。奈良時代の「続日本紀」には、蕎麦が記載されています。今のように細長い麺状になったのは、江戸時代です。朝鮮から来た僧侶によって蕎麦のつなぎに小麦粉が使われることが伝えられ、いまのような麺状のものを作ることができるようになりました。

 

【大根】

原産地は、地中海地方や中東ではないかと考えられています。紀元前2200年の古代エジプトで、食料とされていたと栽培が記録されています。中国でも紀元前500年頃には栽培が行われていたとされています。ヨーロッパ諸国での栽培が始まったのは15~16世紀頃と考えられています。日本に入ってきたのは大陸からとされています。歴史は古く、稲作より前に大根は日本に広まっていたとする説もあります。712年の歴史書古事記」に大根について記録があります。

 

【大豆】

 原産地は日本も含む東アジアです。紀元前2000年以前から中国で栽培されていたとされています。その後、朝鮮半島や東南アジアにも伝わりました。日本へは約2000年前の弥生時代に大陸から入ってきたとされます。奈良時代には、中国との交流が盛んになり、仏教とともに味噌や醤油などの大豆の加工品や加工方法も伝わってきました。奈良時代の「古事記」にも記載されています。当時はまだ特別な食物で、一般には普及していませんでした。平安時代には、医学書にも大豆の記述が多くみられます。日本で広く栽培が始まったのは鎌倉時代以降とされいます。仏教の普及とともに、肉食が禁止されていたために、必要なタンパク質を味噌や納豆から得ていました。ヨーロッパには1600年代、アメリカへは1700年代になって中国や日本から広まり、今ではアメリカは世界一の大豆生産量となっています。

 

【たまねぎ】

原産では中央アジアとされています。歴史は古く、紀元前の古代エジプト王朝時代には栽培されていました。ヨーロッパに伝わり様々な品種が作られてます。16世紀にアメリカ大陸にも伝わりました。東のアジアには伝わるのは遅く、日本では江戸時代に鑑賞用として長崎に入っていました。食用としては、明治4年に国内で試験栽培が行われて、本格的な栽培は、明治11年です。その後、明治13年に、農家で初めて栽培が行われました。明治初期に関西でコレラが流行します。たまねぎがコレラに効くという噂が広まり、それまで食べられなかった、たまねぎが食べられるようになりました。

 

チンゲンサイ

原産地は中国華南地方です。1970年代の日中国交回復の頃に日本に入ってきました。当時は、色々な中国野菜が入ってきましたが、中でもチンゲンサイが人気を集めています。

 

【唐辛子】

原産地は中南米です。歴史は古く紀元前6000年頃には、ペルーやメキシコでは栽培されていたといいます。世界各国へ広がるのは15世紀になってからです。1492年、コロンブスが第一回航海の際に西インド諸島(カリブ海に浮かぶ島)で発見し、ヨーロッパ広域に広がりました。その後日本に入ってきましたが、経緯については諸説あります。1543年、ポルトガル人による鉄砲伝来とともにもち込まれた南蛮渡来船説。1552年、ポルトガル人によるキリスト教を広めるための宣教師説。16世紀終わり頃、朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰った豊臣秀吉朝鮮出兵説などがあります。唐辛子がに日本国内へ普及されだした頃は、食用としてではなく、その辛味から毒として扱われたり、足袋に入れて霜焼け予防にしたりしたという話もあります。江戸時代になると唐辛子は人気の野菜になります。江戸や京都で盛んに栽培され、七味が誕生します。

 

【とうもろこし】

原産地はメキシコ、グアテマラ中南米だとされています。野生のとうもろこしは、4600年前にメキシコ南部に存在したと考えられています。初期の野生種は、基本的に現代のとうもろこしと同じ構造をしていました。とうもろこしが世界に広まったのは、15世紀末にコロンブスアメリカ大陸からスペインへ持ち帰ったのが始まりとされています。日本へは1579年にポルトガル人が伝えたのが最初で、江戸時代にある程度はしられていましたが、明治時代に入ってアメリカから入ってきた種実を北海道で栽培するようになり、全国に普及しました。

 

【トマト】

原産地は南アメリカアンデス山脈高原地とされています。16世紀以前、メキシコのアステカ族がアンデス山脈からもたらされた種からトマトを栽培し始めたとされています。ヨーロッパへは、1519年に持ち込まれますが、食用としてではなく、鑑賞用とされていました。トマトを毒りんごと呼び、毒であるとされていました。イタリアで品種改良が行われて、赤いトマトが作られるようになり食用として広まりました。17世紀末には、フランス、オランダ、ドイツなどで品種改良が行われ、ケチャップなどに加工されたり、料理の味付けに使うようになりました。一般に食用となったのは18世紀頃です。

 日本には江戸時代の寛文年間頃に長崎に伝わったとされています。当時は青臭く、真っ赤な色が敬遠されて鑑賞用とされていました。日本で食用として利用されるようになったのは明治以降です。日本人の味覚にあった品種が改良されるのは昭和に入ってからです。

 

【なす】

 原産地はインドの東部とされています。その後、インドから西へ向かったなすは、5世紀より前に古代ペルシャや、アラビア半島に伝えられました。東へ向かったものは、ビルマへ伝わり中国へと伝わったとされています。中国では1000年も前からなすが栽培されていたようです。ヨーロッパでは13~15世紀になって、地中海沿岸で栽培されるようになりました。その頃は、食用としてではなく、鑑賞用とされていました。アメリカに持ち込まれてから、多くの品種が栽培されるようになります。日本へは、中国からと、朝鮮半島、東南アジアからの大きく分けて3つのルートで入ってきたとされています。奈良時代には栽培されていいたと考えられます。平安時代の書物「延喜式」に記載されています。当時のなすはとても貴重で、身分の高い人々しか食べられない野菜でした。江戸時代には、初なすを少しでも早く作るために、促成栽培の技術も発達しました。あまりにも高い値段で売り買いされ、幕府が禁止令を出すほどでした。なす、一個一両、現在の貨幣価値でいうと約10万円で売り買いされていました。

 

【にがうり】

原産地はインドを中心とした熱帯アジア、アフリカと考えられています。その後中国へ伝わり、琉球に伝わとされています。1713年の文献「琉球国由来記」には、苦瓜が記載されています。また、1600~1700年代の江戸時代にも、いくつかの文献に苦瓜が記載されています。琉球国より前に江戸時代の日本へは伝えられたとも考えられています。当時は、食用としてではなく、「薬」として利用されていました。

 

【にら】

原産地は東南アジアの地域で、中国西部、ベトナム、インドなどで紀元前から栽培されていました。日本へは弥生時代に中国から伝えられたとされています。日本最古の歴史書古事記」、平安時代の薬物辞典「万葉集」にも出てくるほど古い歴史があります。昔は「整腸剤」として利用されていました。明治時代になってから野菜として栽培されるようになりましたが、独特な匂いから、それほど普及しませんでした。戦後になって餃子などの中国料理が広まったことで、広く食べられるようになりました。欧米では好まれずほとんど栽培されていません。

 

【人参】

原産地はアフガニスタン周辺です。オランダへ伝わりイギリスへと西方へ伝来し、改良が行われた西洋系、中国を経て東方へと伝わった東洋系の2種類があります。西洋系は太く短く、東洋系は細長いのが特徴です。ともに古くから薬用や食用としての栽培が行われています。日本への伝来は16世紀で、この頃は葉も食用としていました。江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流でした。明治時代になって一般に根のみを食べられるようになります。東洋系は栽培が難しく生産量が少なく、第二次世界大戦後は西洋系が主流となっています。東洋系はお正月料理などとして、現在でも栽培がされていますが、栽培量が少ないため晩秋から冬以外では入手が難しいです。

 

【ねぎ】

原産地は中国の西部、中央アジアの高原地帯とされています。中国では古代から栽培されていました。6世紀頃の書物に栽培方法が記されています。ヨーロッパには16世紀の終わり頃に伝わり、アメリカへは19世紀に伝わったとされています。ただしヨーロッパでは西洋ねぎの「リーキ」が好まれました。リーキの原種は古くから存在し、古代エジプトギリシャ、ローマなどで栽培されていたといいます。日本にも朝鮮半島を通して1000年以上前に入ってきたとされています。「日本書紀」や「万葉集」などにも記されています。かつては、東日本では千住ねぎに代表される根深ねぎ、西日本では九条ねぎに代表される葉ねぎが食べられていました。近年では、その境もあまりなくなり、用途に合わせて選ぶようになりました。

 

【白菜】

原産地は地中海沿岸地方です。原種である「ブラッシカ・ラパ」は、紀元前の中国に伝わると栽培されるようになり、様々な野菜ができました。当初は結球性が弱く、17世紀頃に結球型となりました。江戸時代以前から、日本には非結球種の「ツケ菜」が渡来しますが、いずれも交雑により品種を保持できませんでした。結球白菜は、明治8年の東京博覧会に中国(清国)から3株出品さてました。その白菜の種を採って育ててもうまくいかず、中国から日本に渡来して20年目の明治28年に初めて結球白菜が誕生しました。広く普及したのは大正時代になってからです。

 

【パセリ】

原産地はイタリア半島西方にあるコルシカ島という説もありますが不明です。古代ローマ時代から料理に用いられており、薬用や歯磨き用としても使われていたとされています。9世紀頃にフランスへ伝わり、16世紀にはイギリスやドイツ、ヨーロッパからの移民によってアメリカにも伝えられました。世界で最も使わているハーブの一つです。日本には18世紀にオランダ人によって伝えられ長崎で栽培されるようになりました。栽培が本格的に行われるようになったのは明治から大正時代になったからです。

 

【ピーマン】

原産地は熱帯アメリカです。紀元前6500年頃にはトウガラシが食べられていたとされています。大航海時代コロンブスによってトウガラシはヨーロッパに伝えられ、その後改良されて甘味種のピーマンが誕生しました。日本へは16世紀にトウガラシが伝えられ、江戸時代に普及しました。甘味種のピーマンは明治時代になってから伝わりましす。当時はまだ馴染みが無い野菜で、一般家庭に普及したのは第二次世界大戦後です。

戦後、物価統制による深刻な物不足に陥りましたが、無名に近いピーマンは規制に含まれず、多く流通され食されるようになりました。

 

ブロッコリー

原産地は地中海沿岸と考えられています。古代ローマ時代に食べらていたとされています。17世紀頃には広くヨーロッパ各地で食べられるようになりました。19世紀後半になるとアメリカにも広がりました。明治初期に海外文化を積極的に取り入れるようになり、日本にも入ってきました。他の野菜と比べ痛むのが早かったブロッコリーは、広がりませんでした。第二次世界大戦後には国内でも栽培されるようになりますが、当時は同じ明治初期に入ってきたカリフラワーの方が人気があったようです。

 

【ほうれん草】

原産地は中央アジアから西アジアカスピ海西部付近と考えられています。初めて栽培されたのはペルシア地方と考えられています。東西に分かれて広まり、ヨーロッパ方面で西洋種、中国方面で東洋種が広まりました。ヨーロッパには中世末期にアラブから持ち込まれました。東アジアへはシルクロードを通って広まり、中国には7世紀頃に伝わりました。17世紀の江戸時代初期に東洋種が日本に持ち込まれたとされています。19世紀後半には西洋種が持ち込まれますが、普及しませんでした。その後、大正末期から昭和初期にかけて東洋種と西洋種の交配品種が作られましたが、昭和の初めまではそれほど一般的ではありませんでした。第二次世界大戦後には品種改良が進み、栽培しやすくなり、アニメの影響もあり一気に人気の野菜となりました。

 

【みつば】

原産地は日本各地、中国、朝鮮半島、サハリン、などの東アジアの山地に自生します。

日本でも、野生種は古くから食用とされていたと思われますが、栽培は江戸時代になってからとされています。軟化栽培もこのころから行われています。現在は水耕栽培の普及とともに生産が拡大してきました。食用としているのは日本と中国だけです。

 

【みょうが】

原産地は東アジア(温帯)です。日本の山野に自生しているものもありますが、アジア大陸からこち込まれたと考えられています。日本では古くから食用とされ、平安時代の書物「延喜式」には、天皇の食べ物として栽培された記録があり、漬物にしたと記されています。食用とするのは日本のほかには台湾と韓国の一部だけです。

 

【落花生】

原産地は南アメリカアンデス山脈とされています。ペルーのリマ近郊にある紀元前2500年前の遺跡から大量の落花生の殻が見つかっています。メキシコには紀元前6世紀までに伝わったとされています。16世紀のスペイン人修道士の記録にも記載されています。カリブ海の島々でもラッカセイの栽培が行われています。コロンブスによってラッカセイはヨーロッパにも伝えられますが、気候もあまり適さないことから広がりませんでした。18世紀以前の北アメリカでは、ラッカセイは家畜や奴隷向けの食糧として栽培されていました。南北戦争による食糧事情の悪化により白人もラッカセイを食べるようになり、「ピーナッツ」と呼ばれ愛されるようになりました。日本には東南アジア経由で1706年にラッカセイが伝来し、「南京豆」と呼ばれていました。ただし、現在の栽培種はこの南京豆ではなく、明治維新以降に導入された品種です。

 

【らっきょう】

原産地は中国、ヒマラヤ地方です。中国では紀元前から栽培が行われ薬用として使わていたとされています。日本に入ってきたのは9世紀頃で、平安時代の書物に記されています。当時は薬用として用いられていましたが、江戸時代にに入ると食用としても用いられるようになり、広く栽培されるようになりました。

 

 

【レタス】

原産地は地中海沿岸から西アジアです。紀元前の古代エジプトでは栽培されていました。壁面にも描かれています。中国でも古くから栽培されていました。当時は結球しない葉レタスで、日本にも中国経由で平安時代に入ってきたとされています。結球レタスが日本に入ってきたのは江戸時代末期に欧米から入ってきたとさます。玉レタスが本格的に栽培が始まったのは明治時代以降です。広く普及したのは第二次世界大戦後以降です。

 

【たけのこ】

「孟宗竹(もうそうちく)」の原産地は中国江南地方です。現在のたけのこは、主に孟宗竹を指します。日本に入ってきたのは江戸時代中期頃です。中国から琉球国に入ってきた孟宗竹を薩摩の島津家藩主が琉球国から持ち帰り藩邸に植えたのが始まりとされています。「真竹(まだけ)」は中国原産、日本にも自生していると思われる竹の一種です。このたけのこは、日本でも古くから食べられていました。「古事記」にも記されています。

 

まとめ

野菜の歴史は古く、日本原産の野菜もありますが、その多くは世界各地から江戸時代から近年にかけて日本に伝えられたものが多いことに驚きます。また、古くから野菜は長い期間品種改良や突然変異をくり返して、今の私たちが食べている野菜になったのがよく分かります。私たちの数世代前の先祖は同じ野菜でも今とは全く違う品質を食べていたのでしょう。

 

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樹木医師の昔の日本人はどんな野菜を食べているの?まとめ其の一

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我が家で作ている、きゅうり

【アスパラガス】

ヨーロッパでは紀元前から食用にされていました。日本では、江戸時代にオランダ船から鑑賞用として持ち込まれ、食用として栽培され始めたのは明治初期です。本格的な栽培は大正時代からで、輸出用のホワイトアスパラガスがメインでした。その後国内でも食べられるようになり、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスがメインとなりました。

 

【小豆】

紀元前1世紀、中国最古の農業書、氾勝之書(はんしょうしょ)に栽培方法が書かれています。日本でも古くから親しまれ、縄文時代の遺跡から発掘されたています。古事記にもその記述があり、紀元1世紀頃の弥生時代の野呂遺跡などからも出土しています。古代から各地で栽培されていたと考えられます。

 

【イチゴ】

北半球では古くから各地で野イチゴの採取は行われていました。イチゴの栽培は古代ローマで行われるようになり、14世紀から16世紀にはいくつかのの品種が栽培されていました。日本でも石器時代には野イチゴは食べられていたとしていますが、現在、私たちが食べているイチゴは、オランダ人によって江戸時代に持ち込まれたものです。イチゴが一般市民に食べられるようになったのは1800年代であり、明治初期頃に本格的に栽培されるようになりました。現在のような産業として行われるのは第二次世界大戦後からです。

 

【インゲン】

 古代からインゲンマメ南北アメリカ大陸で食されており、アステカ帝国では乾燥させたインゲンを税として徴収されています。16世紀末に、ヨーロッパにコロンブスが航海した時に持ち込まれました。日本には、17世紀の江戸時代に中国僧の隠元(いんげん)禅師が日本に持ち込んだため、この名前が付いたとされています。日本全土に広まったのは明治以降です。

 

【枝豆】

枝豆は大豆と同じ植物で、収穫時期や加工方法が異なるだけです。枝豆(未成熟な大豆)として食べられるようになったのは、奈良あるいは平安時代とされています。江戸時代には夏になると路上に枝豆売りの姿があったといいます。当時は枝に付いたまま茹でて売られており、「枝付き豆」「枝成り豆」と呼ばれており、それが「枝豆」と呼ばれるようになったとされています。

 

【オクラ】

エジプトでは、紀元前元年頃には栽培されていました。アメリカには18世紀頃に伝わり、西アフリカから移住させられた奴隷によって栽培が始まり、現在でも多く栽培されています。日本へは幕末にアメリカから入ってきましたが、多くは花を鑑賞用とするためで、一般家庭で食されるのは1970年頃からです。オクラという名前は現地語からきていて、英語でも「okra」と書きます。

 

【かぶ】

かぶは世界中で栽培されていますが、アフガニスタン原産のアジア系と地中海沿岸地域のヨーロッパ系とされています。紀元前から栽培されていたとされています。日本は弥生時代頃かには大陸から伝わったとされ、日本書紀には「持統天皇」が693年に主食「五穀」を補う作物として栽培を推奨し、平安時代には「春の七草」の一つとされ、日本古来より重要な野菜として栽培されています。

 

【かぼちゃ】

8000年から10.000年前には栽培されていたとされています。古代アステカ、インカ、マヤの人々もかぼちゃの種を食べていたと思われます。原産地は中央アメリカで、450年ほど前にカンボジアを経て日本に伝わりました。これを「東洋かぼちゃ」といい、かぼちゃの名の由来は「カンボジアから伝わった瓜だから」とされています。その後、120~130ほど前に西洋かぼちゃがアメリカ(南米)より伝わりました。当時はあまり普及しませんでしたが、明治以降に多くの品種ができ現在の日本の主流種となっています。

 

【カリフラワー】

原産地は未だに特定されていません。カリフラワーはキャベツや白菜などと同じ野生のケールと言われています。カリフラワーはブロッコリーの突然変異と考えられています。形状が白雪を連想させるため、美しいとされブロッコリーより珍重されていました。15世紀にイタリア、フランスで栽培され始め、16世紀になるとヨーロッパ全体に広まり、品種改良も進んだとみられます。日本には明治初期に伝わり、花梛菜(はなはぼたん)、英名カウリフラワーとよび、試作されたものの食用としても鑑賞用としても普及しませんでした。第二次世界大戦後に、洋食文化の広がりと、品種改良品の輸入などで昭和30年頃から広く食べられるようになりました。

 

【キャベツ】

西ヨーロッパの沿岸が原産地といわれています。栽培の歴史は古く、紀元前600年頃にケルト人によって栽培されていたとされています。古代ギリシャ人の時代には薬用とされ、紀元前4世紀には保健食から野菜として栽培されています。当時は今のように丸く結球しておらず、葉キャベツでした。日本へは江戸時代に伝わり、末期から栽培されるようになり、明治時代に入ってから現在の結球したものが本格的に栽培され始めます。大正時代には広く食べられるようになり、昭和25年頃から消費が急増しました。

 

【きゅうり】

紀元前4000年前にメソポタミアで盛んに栽培されいており、その後、6世紀には中国、9世紀にフランスと伝わりました。日本には6世紀から10世紀頃中国から伝わりました。その当時は「胡瓜」とは言わず「黄瓜」といい、今のような青々しい物を食べず、完熟させて黄いものを食用としていました。日本では1500年ほど栽培の歴史がありますが、江戸時代までは完熟させてから食べていたため、苦みが強く、徳川光圀は「毒多くして能無し。植えるべからず。食べるべからず」といい、江戸時代末期までは人気がない野菜でした。幕末にきゅうりの品種改良が行われて、歯応えや味の良いきゅうりが出来て人気となりました。

 

【水菜(ミブナ、京菜)】

水菜は日本原産の野菜で、平安時代にはすでに京都で栽培されていました。1686年、江戸時代の書物「雍州府志」に水菜は、京都西南部の東寺、九条付近で栽培されていたと記載があり、古くから食されているのが分かります。水菜は、人糞尿などを使用せず、流水を畑に引き入れて栽培するために水菜とされています。

 

ごぼう

原産地は西アジアから地中海沿岸です。日本で自生はしてませんが、縄文時代の遺跡から確認されており、縄文時代平安時代に中国から薬草として伝わったとされています。日本人が食すようになったのは江戸時代から明治にかけてであり、根や葉を食用とします。昔から、ごぼうを日常の食材としているのは日本人のみですが、戦時中に統治していた韓国と台湾の一部は食べます。原産地である中国やヨーロッパでは薬であり、食材として認識されていません。

 

【小松菜】

奈良時代から平安時代に中国から伝わったと考えられています。江戸時代初期に現在の東京都江戸川区小松川で、ククタチナ(茎立ち)を品種改良して栽培され始めたと言われています。将軍吉宗の鷹狩りの際に献上され、その時に地名から小松菜と命名されたと伝えられています。中国から日本に入ってきた小松菜の原種は、日本各地に広がり、その土地に合わせて改良され、せれぞれの地域に合った野菜に品種改良されました。

 

【ごま】

アフリカ原産とされています。紀元前14世紀ころには、古代エジプトや古代インドで栽培されていたと言われています。古代エジプトでは、ごまは体に良いとされ、薬用などで利用されています。医薬書に象形文字で紹介されています。また、ミイラ作りの防腐剤としても活用されています。紀元前50年前後に中国に広まり、世界最古の医薬書「神農本草経」は黒ごまを絶賛し、不老不死の妙薬と記されています。日本では縄文時代の遺跡からごま種子の出土事例があります。奈良時代には畑で栽培され、ごまを圧搾しごま油を作り食用油としたり、燈油として用いています。平安時代の「延喜式」では、ごまの菓子や薬用利用について記されています。日本で使用されるごまは、99,9%を輸入に頼っています。国内では鹿児島、茨城県沖縄県などで生産されていますが、生産量は100トンにも満たない量です。

 

 【小麦】

世界三大穀物の一つです。小麦の栽培はメソポタミア地方で始まり、紀元前3000年頃にはヨーロッパやアフリカに伝わりました。聖書の中にも頻繁に「麦」や「小麦」が登場し、重要な作物であったことがわかります。栽培植物化の時期は大麦の方がやや早く、当初は大麦の方が重要な作物でしたが、製粉技術が進歩し小麦が大麦に代わり重要の作物となりました。中国への小麦の伝来は4000年前頃で、粉食用として広く栽培され始めたのは3000年前頃からです。大麦は7000年前から栽培されていました。弥生時代には、日本に中国から伝えられいたと考えられています。約2000年前の遺跡から小麦が出土しています。奈良、平安時代には五穀の一つとして重視されていました。日本では製粉技術の発達が遅れたため、小麦は贅沢品とされていました。庶民がうどんなどの粉食品を口にできるのは江戸時代以降です。明治時代に入り、欧米からパンなど様々な小麦料理が伝わってくると小麦の消費も増大しました。第二次世界大戦後は学校給食が始まり、食の欧米化などにより、小麦の消費はさらに拡大されました。

 

【こんにゃく】

古くからこんにゃくを食用としてきた主な地域は、日本、中国、ミャンマー、韓国です。こんにゃく芋ミャンマー、マレーシア、タイなどの東南アジアが原産地とされています。こんにゃく芋が日本に入っていきたのは、数千年前の縄文時代とされています。中国では紀元前7世紀の唐代には、こんにゃく芋を灰汁で煮て食べた記録があり、四川省湖北省等で栽培されていた記録があります。食用として日本に入ってきたのは奈良時代に中国から仏教の伝来とともに伝わったとされています。鎌倉時代ではこんにゃくは、初め医薬品として貴族や僧侶の間で珍重されていましたが、仏教が民衆の信仰として深く根をおろした鎌倉時代以降に、庶民は精進料理として口にします。江戸時代になって広く庶民の食卓にのるようになったとれています。

 

【さつまいも】

さつまいもの原産地は、メキシコを中心とした熱帯アメリカであるとされています。16世紀にはインド、マレーシア、インドネシア、フィリピンへと伝わり、1584年に中国に伝えられています。日本には1597年に宮古島に入ったのが最初と言われています琉球へは1605年に入って栽培され始め、1609年以降薩摩の領有支配に伴って薩摩へ伝わり、主に九州地方で栽培されるようになりました。そして江戸時代初期から中期の度重なる飢饉によって救荒作物として注目され、西南暖地を中心に全国に広く普及しました。

 

【さといも】

東南アジアが原産地です。水湿地にて繁殖していた品種が存在し、ある変化した品種が中国南部で栽培化され、作物化されました。日本への伝えられたのは古く、中国南方から縄文時代に伝わったとされています。さといもは、縄文時代には主食であったとの説もあり、稲作より歴史がある作物です。古くから山間部では農耕儀礼儀礼食として多く用いられ、現代でも縁起物として正月料理にさといもを用いる風習が日本全国に残っています。

 

【さやえんどう】

さやえんどうはエンドウの未熟の莢を食用とする呼び方で、未熟の莢を食用とするためにせい育成された品種群を指します。 原産地は中央アジアから中近東、地中海沿岸地域とされ紀元前より存在ツタンカーメンの墓から出土するなど、古代ローマギリシャでも盛んに栽培されていました。その後インドや中国に伝わり、8~10世紀頃に中国から穀物として、日本へ伝えられました。平安時代に編纂された辞書「和名抄(わみょうしょう)」に記載さている野豆はえんどうことです。野菜として栽培されるよになったのは江戸時代からです。

 

【レタス】

地中海沿岸、西アジア原産です。紀元前6世紀よりアケメネス朝ペルシアで栽培が始められ、古代ギリシャでは媚薬、催淫薬として広く食された。この頃のレタスは結球しない葉レタスです。16世紀頃には、結球するレタスができて、アメリカや中国でも栽培が行われるようになりました。結球しないレタスは平安時代に中国から日本に入ってきたと言われています。玉レタスが本格的に日本に入ってきたのは、明治時代以降です。

 

【しいたけ】

日本列島始め、朝鮮半島、中国、台湾、、東南アジア、ニュージーランドに至る環太平洋の温帯、暖帯、亜熱帯に分布します。中国では古くから食べられていて、14世紀の書物「王禎農書」には栽培方法が載っています。古来日本では、栽培は不可能で自生したものを再採取していました。また、古くから精進料理の出汁を取るためになくてはならないものでいた。江戸時代から、原木に傷をつけるなどの半栽培が行われるようになりました。失敗も多く、しいたけの栽培は成功した場合の収益は相当なものでしたが、失敗した場合は財産を失う程の損失となる一種の博打のようなかけでした。人工栽培は20世紀に確立されました。

style="color: #0000cc;">【ししとう

ししとうは、唐辛子の「甘味種」にあたります。唐辛子は中南米が原産で、15世紀にコロンブスによってスペインにもたらされました。日本では16世紀に伝来した、栽培が始まったようです。「辛味種」が江戸時代に、「甘味種」は明治時代に導入されました。一般に広まったのは戦後のことです。唐辛子も同じく中南米原産で、伝来のルートや歴史も、ししとうとほとんど同じです。

 

 

【しそ】

中国中南部などが原産で、広く栽培されています。しそは本来、赤しそを指します。青じそは変種です。日本には中国から伝わったろされ、縄文時代の遺跡からしその種実が出土しています。本格的な栽培が始められたのは平安時代とされています。中国の三国時代に子供が腹痛になったさいに、しそを与えると元気になったという。そこから「紫蘇」と書くようになったとされています。

 

【じゃがいも】

じゃがいもは南米アンデス中南部のペルー南部が発祥とされています。ヨーロッパ大陸に伝えられたのは、インカ帝国の時代、15世紀から16世紀頃とされています。日本には慶長年間(1600年前後)にインドネシアジャカルタを拠点にしていたオランダ人が長崎に持ち込んだと言われています。日本では、飢饉の時の救荒作物として広まりました。明治時代になって北海道開拓で広く栽培が始まり、外国品種や新品種の栽培も始まり、生産性も向上して全国的に栽培されるようになりました。

 

 【春菊】

原産地は地中海沿岸のギリシャ、トルコ辺りで、欧米では鑑賞用として栽培されていました。そこから東南アジアへ渡り、中国で野菜として栽培され品種改良されたのが食用としての春菊の始まりです。日本では古く、室町時代頃に中国から持ちこまれたとされています。江戸時代から主に西日本で盛んに栽培されますが、関東では昭和20年代以降です。食用としているのは、日本、中国、東南アジアなどの一部の地域だけです。

 

【生姜】

インドのマラバル沿岸、モルッカ諸島を中心とする東南アジアに多く産出されます。インドでは、紀元前300~500年ですでに保存食や薬品として食べられていた記録が残されています。生姜は古代の記録では、中国、ヨーロッパ、日本などで医薬品として使われ、食品の調味料として使われだしたのは中世以降だとされています。紀元前650の中国でも、「孔子」が食べた記録があります。日本では2~3世紀頃に中国から伝わったとされ、「古事記」に記録があります。日本で最古のスパイスとされています。

 

まとめ

野菜の歴史は古く、日本原産の野菜もありますが、その多くは世界各地から江戸時代から近年にかけて日本に伝えられたものが多いことに驚きます。また、古くから野菜は長い期間品種改良や突然変異をくり返して、今の私たちが食べている野菜になったのがよく分かります。私たちの数世代前の先祖は同じ野菜でも今とは全く違う品質を食べていたのでしょう。

 

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樹木医師の今年もタケノコの季節がきました

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山陰地方のスーパーマーケットにも今が旬のタケノコが並びだしたので、タケノコ堀に

行ってきました。

 

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タケノコ掘りに使う道具は、左からの「熊手」「カナベラ」所によって名称が違うでし

ょうが、ゴミをかき集める道具と鉄の棒です。

 

鉄の棒は造園の仕事で石を「こでたり」たり木の根を切るのに使ています。

「こでたり」の言葉、分かります。石を動かす事です。

 

金物屋で購入した時、この「カナベラ」は沖縄地方で山芋掘りに使うと道具と聞きまし

たが。

私は、造園の仕事で使っていますが、この季節はタケノコ掘りに大きく貢献しています。

 

 

京都では竹藪に肥料を入れたり、管理をして商品として朝掘りした、小さいタケノコを刺身で食べるらしいですが。

 

私の竹藪は肥料など入れていませんが、ちゃんと親株を残すなどの管理はしています。なかなかのタケノコが取れますよ。

 

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熊手で竹の落ち葉をどければ!

 ジャジャジャジャーン! 

可愛らしい「オスのタケノコ」発見!

 

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ここからが、腕の見せ所。

おりゃー!

 

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一発で仕留めるのが、私の流派。

 

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少しカナベラを差すのが、浅かったようです。

一年ぶりなので、こういう事もあります。

 

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今年は忙しく、去年より来るのが遅く。

もう地面から出ています。

 

今度は、「メスのタケノコを」発見。こんどこそ奇麗に掘りたいと思います。

おりゃー!

 

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ここで少し解説します。

私がテレビ見たタケノコ農家の人は「ツルハシノ」の尖っていない、逆の方。平たい方。その平たい部分だけある。その部分が長い道具(私は「バチヅル」と呼んでいますが)で掘っていました。

 

私も「バチヅル」で何回か掘りましたが、結構な重労働です。

 

そこで、竹藪にこもる事、数十年。あみだした技が「カナベラ一発!」です。

 

この技のおかげで、タケノコを量産化することに成功しました。

 

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今回は一発勝負、成功しました。

 

植木屋の知恵袋

・オスのタケノコは実が詰まった少し硬めの身です。穂先緑色オス

・メスのタケノコはみずみずしい、柔らかい身です。穂先黄色メス

 正確には雄雌ないようですが。見た目で雄雌と分けています。

タケノコの先端のトサカの様な部分で区別します。。

 

私は掘ったタケノコは近所にお裾分けしますが、皆さんの好みがあり、硬いのがいい人。柔らかい方がいい人。人それぞれです。

 

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人によってはこの赤色のぶつぶつがあるのが、メスという人も。

 

ほんまかいな。

 


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こんしんの一撃必殺!

 

パーフェクト。

 

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ジャジャジャジャーン!

竹藪に入って約30分。

今年も豊作です。竹藪の神様「かぐや姫」に感謝して。

今晩は焼きタケノコ&たけのこご飯で楽しい夕食をしたいと思います。

 

お正月はここの竹を利用して、毎年門松を作ります。

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              竹も笑っています。






 

樹木医師の白魚を取りに行きました

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鳥取中部 東郷池

令和2年3月9日(月曜日) 晴れ

 

はじめに

 

皆さん白魚知っています?

 

サケ目の魚で全長約10㎝の細長く半透明な魚です。春先に河口をさかのぼって

 

産卵をする。サハリン、朝鮮半島、日本の沿岸や汽水湖にいるらしいですよ。

 

食べた事あります?

 

とても美味‼

 

刺身・天ぷら・卵とじ・かき揚げ・など色々な食べ方がありますが。

 

今日は鳥取県中部にある東郷池

 

春を告げる今が旬の白魚を取に行こうとおもいます。

 

 

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道具は柄の長いたも網、円の大きいサイズがいいですよ。

 

白魚はとても小さいのでメの小さいがオススメです。

 

後はとった白魚を入れる容器。道具はそれだけです。

 

服装は特になく、私は長めの長靴とカッパです。

 

腰まで胴付き長靴を履いて水の中で取っている人もいますが、

 

岸から十分取ることが可能です。

 

ではさっそく取りに行きましょう。

 

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と言いたいところですが、白魚を沢山取るには幾つか条件が

 

あります。

 

鳥取県中部 東郷池の白魚のシーズンは2月中旬頃からゴールデンウイーク

 

頃までです。

 

後、風です。その日の風に合わせて、その日が西風なら東の岸。

 

東の風なら、西の岸といった具合に岸に向かって波が打ち寄せられている

 

時が良く取れます。

 

この様な条件の時は水面が濁り泳いでいる白魚は見えません。

 

ただひたすらたもを右~左(どちら側でも)に大きく、素早く池底ギリギリを

 

すくいます。

 

もちろん入る時もあれば、スカの時もありますが白魚はかたまりで泳いで

 

いますので、10~20匹ととれる事もよくあります。

 

一回すくうごとにたも確認します、手応えは無いのですくい上げたかどうか

 

一回一回確認します。

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母親頑張!

写真の奥に写るのは羽合温泉。

 

風が弱い時は取れないかと言うと、そうでも無いです。

 

風の弱い時は水面に泳ぐ白魚を見つけてすくいます。

 

私は波がある時。ただひたすらたもですくう方が良く取れます。

 

初めて取に行く方。

 

何にも心配ご無用。

 

私が初めて取に行った時、周りの人たちからうるさいぐらい

 

アドバイスされました。色んな取方を教えてくれるので自分の

 

気に入った取方でオッケーです。

 

 

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写真が下手くそですみません。5~6匹入っています。

 

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約2時間で結構とれました。

 

取った白魚は、私は池の水を少し入れた容器に移します。

 

この辺りも皆さんバラバラです。

 

持ってかれる時は氷を入れて鮮度を保ち帰ります。

 

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約1㎏ありました。半分は近所の人にお裾分け。

 

ココだけの話ですが市場で㎏○○円で売る人もいるとか。

 

多く取れた時は、冷凍保存もいいですよ!

 

今日は我が家、特性 ‘‘白魚と玉ねぎを小麦粉でつないで焼くだけ‘‘を作ります。

 

材料は白魚 適当

 

   玉ねぎ 適当

  

   乾燥した赤い小海老 多い方が美味しい

 

   紅ショウガ 適当

 

   味の素  適当

 

   卵  適当

   

   小麦粉 適当

 

後は混ぜて、フライパンで焼き目がつくように焼くだけです。 

 

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簡単でとても美味しくビールが進む一品です。

 

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東郷池周辺に七福神にちなんで7つの足湯があります。

 

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まとめ

 

良いたもは少し高価ですが、安価なたもでも十分とれます。

 

子供ずれ、カップルで来られる方も多いですし。

 

是非ひ一度。近くに足湯もあり温もって帰るのもよし。

 

 

 

樹木医師の遺伝子組み換え食品、私たちは毎日食べている

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【日本は世界第一位の農産物の輸入国となっています】

世界の人口は、2000年に約61億人とされています。2050年には1.6倍の約96億人に増加するとされています。世界の食料需要は、2000年に約45億トンとされています。2050年には1.6倍の約69億トンに増加すると見込まれます。

世界全体の穀物生産量は、これまで増加してきましたが、近年鈍化しています。経済が成長し、国民一人当たりの所得が増えるにつれ、国民の一人の肉類の消費量は増加しています。

畜産物1㎏の生産に必要な穀物料は、牛肉(牛)トウモロコシ11㎏、豚肉(豚)トウモロコシ7kg、鶏肉(鳥)トウモロコシ4㎏、鶏卵(鳥)トウモロコシ3㎏です。畜産物の消費量が増えると、急激に穀物需要が増加します。

世界的に、近年増加する干ばつ、大規模自然災害や異常気象などにより穀物などの食料生産はとても不安定です。

農業生産には多くの水を利用するため、水資源の制約による農業生産への影響が考えられます。日本の主要輸入相手国(米国、豪州等)なども一部地域で水不足が発生すると考えられます。

穀物等の国際価格は、天候や需給動向等に左右されて変動します。2015年は、2006年秋頃と比べ1.2~1.9倍の水準にあります。

 

【日本の主要農産物の国別輸入割合】

2014年、主要農水産物の国別輸入額は、トウモロコシ、小麦粉大豆、牛肉は上位3カ国で9割以上を占めています。豚肉は上位3カ国です。

トウモロコシ:アメリカ84%、ブラジル8%、ウクライナ5%など

小麦:アメリカ51%、カナダ32% オーストラリア16%など

大豆:アメリカ63%、ブラジル19%、カナダ16%

牛肉:オーストラリア51%、アメリカ40%、ニュージーランド5%など

豚肉:アメリカ34%、カナダ18%、デンマーク16%、その他32%

 

2010年、毎年2000万トン以上の食料を輸入し、食糧自給率が41%と主要先進国で最も低い日本でしす。小麦は86%を輸入に頼っています。大豆は94%を輸入、トウモロコシも、95%を輸入。

 

大豆は豆腐、味噌、醤油などの原材料で、日本人の食に欠かすことのできないものです。2008年、大豆の国内自給率はわずか6%ほどで、国内消費量のほとんどが輸入に頼っています。

 

【遺伝子組み換え加工食品】

アメリカを中心に、遺伝子組み換えによって害虫や除草剤に耐性を持たせた作物の作出および商品化が進んでいます。

遺伝子組み換え作物の作付面積(2011年)は、世界29カ国で1億6.000万ヘクタール。日本の耕地面積の20倍以上となります。

アメリカ43%、ブラジル19%、アルゼンチン15%、インド7%、カナダ7%

世界の作物別トップ4

大豆47%、トウモロコシ32%、わた15%、なたね5%

『大豆』

豆腐類・油揚げ類・凍豆腐・おから・ゆば・納豆・味噌・大豆煮豆・大豆缶詰・大豆瓶詰・きな粉・大豆いり豆・コーンスナック・コーンスターチ・調理用の大豆を主な原材料とするもの・大豆粉を主な原材料とするもの・大豆タンパクを主な原材料とするもの・枝豆を主な原材料とするもの・大豆もやしを主な原材料とするもの

『トウモロコシ』

ポップコーン・冷凍トウモロコシ・トウモロコシ缶詰・トウモロコシ瓶詰・コーンフラワーを主な原材料とするもの・コーングリッツを主な原材料とするもの(コンフレークを除く)・調理用のトウモロコシを主も原材料とするもの

ばれいしょ

ポテトスナック菓子・乾燥ばれいしょ・冷凍ばれいしょばれいしょでん粉・調理用のばれいしょを主な原材料とするもの

※2009年

 

【遺伝子組み換え食品の表示】

製造の過程で組み込まれた遺伝子やその遺伝子が作る新たなタンパク質が技術的に検出できない場合には、表示は義務づけられていません。油や醤油など。加工食品は、その主な原材料に占める重量の割合が上位3位までのもので、原材料に占める重量の割合が5%以上にあたらない場合は、表示が省略できることになっています。

 

まとめ

日本の食糧事情はとても深刻ですね。農家の高齢化、農業就業者数の減少、農地面積の減少、耕作放棄地面積の増加、これは野菜や果物、お米だけではなく、もちろん畜産物も同様です。もし、食料輸入停止になれば、日本はたちまち食料不足になり一日2食しか食べれないのです。しかも食事は米や芋類、焼き魚などです。日本は現在、輸入に頼るしかないのです。

世界で増える人口に対して世界各国は遺伝子組み換え作物に力を入れています。日本も農林水産省の主導で、遺伝子組み換え作物の研究を行われています。その背景には、輸入品に対して少しでも優位性を発揮できる農産物を開発しなければならないという、国際競争にさらされている日本農業の切実な事情があるためです。

これから先の時代は遺伝子組み換え食品や作物がスタンダードになると思います。

ただ、今現在、醤油や植物油などで遺伝子組み換え作物が原料として使われていても表示義務がないなど、また畜産の牛や豚、鶏などが遺伝子組み換え作物を食べているということを多くの人が知らないのは、クリアすべき課題だと思います。

遺伝子組み換え食品/厚生労働省、日本の食料事情/農林水産省 を参考資料としました。

樹木医師のポストハーベスト農薬、知っていますか?知らないと損をします

オレンジの写真

日本は果樹をはじめとする農作物の生産は、栽培面積、収穫量とも減少傾向にあります。そのおもな要因は、貿易自由化による輸入の増加や農家の高齢化などが理由です。

日本は、アメリカをはじめとする世界各国から農産物を輸入しています。日本は世界第一位の農産物の輸入国となっています。

遠い外国から、運ばれて日本に入ってくるの農産物。スーパーやデパートなどで毎日見かけますが、どれも採れたのような、ワックスかけたような、輝きと新鮮さですね。遠い外国から時間をかけて運ばれてくる農産物。じつは輸入農産物には特別な老化防止の魔法がかけられています。魔法のかけられた農産物は、運搬中に発生する腐敗やカビの被害をうけない、スーパー農作物となります。

アメリカなどの国々は、長期間の貯蔵や長時間の輸送に耐えられるように魔法を使用します。魔法の使用は、果実や穀物などに認められています。

日本ではその魔法の使用は原則、使用禁止ですが、魔法にかけられた農作物は輸入されてスーパーやデパートなどで売られています。

 

収穫後に使われる農薬のことを、「ポストハーベスト農薬」といいます。農作物の収穫後に、保存性を高めるために農作物に殺菌剤や防かび剤、殺虫剤を直接振りかけたり、薬液の中に農作物が浸したりします。アメリカをはじめとする、世界各国から輸入されている農作物にポストハーベスト農薬の使用の恐れがあります。

畑で使われる農薬よりもはるかに濃厚なことに加え、収穫後に使用される農薬は分解されずに残留する危険性がかなり高いです。日本では、農薬は収穫、何日前までと決まりがありますが、世界各国から輸入される農作物に、防カビ剤、殺菌剤、殺虫剤などが、ポストハーベスト農薬として使われることはめずらしくはないのです。食の安全に大きな不安を与える農薬の使用方法です。

 

ポストハーベスト農薬使用の恐れがある輸入農作物は「小麦」「大豆」「米」「レモン」「オレンジ」「バナナ」「ジャガイモ」「トウモロコシ」「ナッツ」などです。

 

まとめ

日本の農作物は、ほとんどが輸入農産物です。日本は世界第一の輸入国となっています。農家の高齢化などによりこ日本の農業はますます減少し、ますます輸入農産物に頼る時代がくるでしょう。

樹木医師の犬や猫に健康被害がある植物

はじめに

犬や猫に健康被害が確認されている植物です。中には大量に摂取すると死亡する可能性もあります。初めて犬や猫を飼う人には知っていてほしいです。

*以下の植物は、人には健康被害が認められていません。

 

・アボカド:下痢、嘔吐、呼吸困難、など

・ユリ類:嘔吐、食欲不振、無気力、腎不全、など

グラジオラス:接触皮膚炎、腹痛、嘔吐、下痢、など

・ネギ類:溶血性貧血、胃腸の不調、尿症、など

・ヘメロカリス:嘔吐、食欲不振、無気力、倦怠感、腎不全、など

・ドラセナ:嘔吐、食欲不振、瞳孔散大、腹痛、など

ギボウシの仲間:嘔吐、下痢、口腔内や腸の痛み、など

カランコエ:嘔吐、下痢、食欲不振、など

・ブドウ:嘔吐、食欲不振、下痢、腎臓障害、など

ジューンベリー:呼吸困難、心血管虚脱、など

・アーモンド:胃腸障害、吐き気、呼吸困難、虚脱、けいれん、など

アメリイワナンテン:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、など

・マカデミアナッツ:心拍数の増加、脱力感、嘔吐、震え、など

・トマト:食欲不振、胃腸の不調、下痢、眠気、行動変化、脱力感、瞳孔散大、など

・ドゥランタ:下痢、嘔吐、胃や腸からの出血、筋力低下、など

・ミントの仲間:発熱、胃痛、吐き気、呼吸困難、高血圧、発作、腎不全、など

・フジバカマ:歯茎や鼻などから出血、など

カーネーション:胃腸炎接触皮膚炎、など

・シュッコンカスミソウ:嘔吐、下痢、皮膚炎、など

樹木医師の生物農薬、知っていますか?これからの農業はスマートになります

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近年、農薬に頼らずに作物を作る無農薬野菜が人気を集めていますが、家庭菜園程の栽培なら十分に可能ですが、野菜などを大量に栽培している農家は、無農薬で大量に野菜を栽培することは不可能だと言ってもよいでしょう。生物農薬は化学農薬を使用せずに野菜などを栽培することができます。「無農薬で生産した野菜です」と看板をあげて、野菜などを大量に生産している農家の強い味方となっています。施設栽培のトマト、ナス、キュウリ、イチゴなどの栽培に利用されています。

昆虫や微生物を生きたままの状態で農薬として利用することを「生物農薬」といいます。化学農薬は環境への残留性が大きく、人間への安全性が低く、毒性を有するものがあります。生物農薬は生物由来の物質を有効成分としているので、環境への残留性は少なく、人間への安全性が高いのが特徴です。 

 

【微生物農薬

土壌中などに存在する膨大な数の微生物のうち、病原菌から植物を守る微生物や害虫から植物を守る微生物を選び、生きたままで使いやすくした製剤をいいます。病原菌が付く場所を先に占領したり、植物に感染が起こらないようにしたり、害虫に寄生して殺したりします。環境への残留性は少なく、人間への安全性が高いのが特徴です。農林水産大臣による農薬として登録を受けたものです。農薬として散布回数にカウントされませんので、無農薬で生産した野菜です。

 

【天敵農薬】

天敵とは、ある生物に対して食物連鎖の上位にあって、寄生者や捕食者として働く生物を指します。その性質を防除に利用したのが天敵農薬です。「オンシツツヤコバチ」は施設栽培の野菜類に付く害虫「オンシツコナジラミ」に寄生します。「ミヤコカブリダニ」は施設栽培の野菜類に付く害虫「ハダニ類」を捕食します。自然界にもともと存在する天敵を大量に増殖して製品化されています。農薬として登録された製品を、作物の生産者が購入して施設(ビニールハウス)放飼いして利用します。環境への残留性は少なく、人間への安全性が高いのが特徴です。農薬として散布回数にカウントされませんので、無農薬で生産した野菜です。

 

【フェロモン剤】

昆虫は、交尾のために自分の居場所を知らせるために性フェロモンをだします。雄成虫は雌成虫が分泌する性フェロモンをたどって雌成虫を探し出し、交尾します。性フェロモンを科学的に合成し、製剤化したのがフェロモン剤です。フェロモン剤には、交信を混乱させて交尾を邪魔するタイプと、雄成虫を大量に誘い出し、捕まえて殺すタイプがあります。フェロモン剤は、狙った虫だけに効く、少ない量で効く、毒性がほとんど無いのが特徴です。特に、狙った虫だけに効きということは、これまでの農薬散布で害虫以外の生物や昆虫なども多く殺してきましたが、フェロモン剤は生態系に悪影響を及ぼすことが少なくなり、環境にやさしく、人間への安全性が高い防除法といえます。現在実用化されているフェロモン剤は、ハマキムシやモモシンクイガなどの害虫を対象とした数種類があります。

 

まとめ

農薬に頼らずに農産物を作るのはとても大変ですが、これからの農業はスマートに変わっていくと思います。

樹木医師の植物の意外と知られていない豆知識

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【イチイ/セイヨウイチイ】

英仏百年戦争でのイギリスの勝利は、セイヨウイチイで作った弓のおかげといわれています。木材は緻密で良質。

【ヒノキ】

精油分が少量含まれていることから、昔は火おこしに利用されていました。現在でも神事に使用されています。「火の木」が語源という説もあります。

コウヤマキ

コバノナンヨウスギ、ヒマラヤスギとともに世界の三大公園木とされています。和歌山の高野山に多く自生し、高野山では霊木として保護されています。

【セイヨウヒイラギ】

ヨーロッパでは聖なる木として、クリスマスの飾りつけに使われます。

【カナメモチ】

材質がかたく「扇の要(かなめ)」として用いられていたことから「要用のモチノキ」が名前の由来とされています。かたい木部は車輪や鎌の柄などにも利用されていました。

【モッコク】

木部は緻密でかたいため、建築材料や器具材などに使用。沖縄の首里城でも建築材として使用。

【カエデ】

万葉集』には「かえるで」という蛙の手にたとえた古名が登場します。これがなまって現在の名称になったといわれています。

【ヒメシャラ/ナツツバキ】

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という『平家物語』の一説で知られる植物と混同されることがありますが、それは仏教の聖木とされている、フタバガキ科の樹木です。

【シダレヤナギ】

万葉集』にも4首詠まれていますが、当時は鑑賞以外に、枝を鬘(仮の髪、かつら)にして長寿や幸福を願いました。

【セイヨウシナノキ

主にヨーロッパ原産のシナノキの仲間をドイツ語でリンデンバウムといい、日本ではシューベルトの歌曲名『菩提樹』として知られています。

【ナツハゼ】

秋に熟す黒紫色の実は、酸味は強いが熟すと甘く、食用になります。ブルーベリーの仲間です。

【フジ】

つるはカゴづくりなどに利用され、若葉はゆでて、灰汁(あく)抜きすると食べれます。また、種子は煎じて食中毒や腹痛の薬などに利用されます。

【ムベ】

秋にみのる紫褐色の果実はとても甘く、昔は朝廷に献上されていました。

【竹類/ササ類】

 成竹になるときに皮が長くついているものをササ類、皮が落ちるものを竹類。

【ハナカイドウ】

 中国の唐の玄宗皇帝が、酔って眠る楊貴妃をハナカイドウにたとえたように、昔から美人の形容に使われます。

エニシダ

ヨーロッパでは、伝説上の魔女はエニシダでつくった箒に乗って空を飛ぶとされ、その枝は実用的な枝箒としても使われてきました。

ハナミズキ

キリストを磔にした十字架の木がハナミズキだという伝説です。二度と十字架にできないように、幹が細く、十字架のような4枚の苞の先端にキリストの手足から流れる血をあらわす赤い跡が残ったと言い伝えが、アメリカにあります。

モクレンハクモクレン/コブシ】

モクレンハクモクレン、コブシなどの仲間は欧米ではマグノリアと呼ばれています。マグノリアは1億年以上も前から地球上に存在していました。花木類の重要な先祖です。

ムクゲ

韓国では若葉は食べ、葉はお茶の代用として飲まれています。

【ギンバイカ

ヨーロッパやアラビアでは古くから庭木として栽培され、ハーブとしても利用されています。神話や伝説も多く、神木や不死、復活の象徴とされるほか、別名「祝いの木」として、結婚式の花輪に用いられます。

【リョウブ】

若葉をゆでて加薬飯(かやくめし)の材料とした令法飯(りょうぶめし)は、古くから農作物が不作のとき救荒食物として食べられていました。

【ツバキ】

ツバキは日本の代表的な花木ですが、現在では世界各地で愛され、栽培されています。明治時代に海外へ紹介され、カメリアと呼ばれ人気が高くなりました。

【ウメ】

 『万葉集』に数多く登場しますが、原産地は中国です。前漢~唐の時代に渡来したと考えられています。奈良時代にはすでに栽培されていました。

【アンズ】

薬用植物として中国から渡来し呼び名は「唐桃」。杏と呼ばれるのは江戸時代になってからです。

セイヨウミザクラ(サクランボ)】

原産地は西アジア。日本での栽培は、明治初年、北海道開拓史によって始まりました。

【スモモ】

古代から栽培されていましたが、果物としてはほとんど認知されませんでした。現在栽培されている品種の多くは、明治初年にアメリカに持ち込まれて品種改良され、日本に逆輸入されたものです。

ラズベリー

16世紀ごろイギリスで栽培が始まり、ヨーロッパやアメリカでの品種改良を経て、昭和48年(1973)に日本に導入されました。キイチゴの一種。

【リンゴ】

アダムとイブの「禁断の木の実」で有名なリンゴ。現在食用とされているリンゴの祖先はヨーロッパ原産地のセイヨウリンゴです。日本には平安時代に中国起源のリンゴが入ったといわれていますが、本格的には、明治5年に開拓史によって導入されました。

【ブドウ類】

ブドウはカスピ海南部などを中心に、太古の時代から主にブドウ酒の原料として栽培されていました。日本では平安時代末期、甲斐の国の山中でブドウの木が発見されたのが現在の「甲州」種の始まりといわれていますが、現在、欧米雑種が広く栽培されています。

【イチジク】

イチジクの歴史は古く、5000年以上も前から栽培され、聖書の中でも登場する平和と豊穣の象徴です。日本へは江戸時代初期に長崎に伝えられました。

イチョウ

恐竜時代に栄えていた多くの裸子植物も、現存するのはイチョウを含めわずかな植物だけです。原産地は中国で、室町時代には日本でも栽培されていたとされます。

【カンキツ類】

葉は常緑で、黄色く熟した果実が年を越すことから、果実は太陽の象徴とされ、古くから神聖な木とされてきました。原産地は日本、中国、東南アジア一帯、インド北東部。

【キーウィフルーツ】

中国原産ですが、果樹として改良されたのはニュージーランドで、飛べない鳥キーウィに似ているのでその名がついたといわれます。日本に登場するのは1960年代。

【ザクロ】

シルクロード原産のザクロ。古くから果樹として利用され、その種子の多さから、古代ギリシャ、ローマでは豊穣、キリスト教では希望、世界各国で多産のシンボルとされています。日本に入ってきたのは平安時代とされています。

【バナナ】

戦国時代にポルトガルの宣教師により織田信長に献上されたのが日本渡来の最初といわれ、輸入されるようになったのは明治時代からです。

【エンドウ】

1922年にツターンカーメンの墓から発掘されたエンドウの種子。3000年以上前の種子が発芽して、現在世界各国で栽培されています。

【ゴマ】

古代エジプトでは、ゴマ油が燃料や香料、薬用、ミイラ作りの防腐剤として利用されていました。クレオパトラは、若さを保つために、ボディオイルとしてゴマ油愛用。中国では、不老不死の妙薬として世界最古の医学書「神農本草経」に記載されています。日本に入ってきたのは縄文時代だといわれています。

【イネ】

稲作は水田でつくる水稲が一般的ですが、畑で作られる「陸稲」も日本で栽培されています。また、30年ほど前までは「ササニシキ」はとても人気があるお米でしたが、1993年の冷害でササニシキは収穫量が落ち、以降、冷害に強い「ひとめぼれ」を作る農家が増えました。現在、一部の農家でササニシキは作られています。

 

樹木医師の紫色の花が魅力的な庭木

はじめに

花木の花にも。さまざまな色がありますが、紫色の花が咲く庭木を集めてみました。庭に植えて楽しみませんか。

 

 クコ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】特に選ばない

【植えつけ時期】落葉期が適期です

【開花期】8~9月

栽培のポイント

植えつけと移植は、落葉後から葉の出る前に長くのびた枝を切りつめて植えつけます。株が大きい場合は、株分けして、小株で移植します。日当たり良い場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけします。剪定は、落葉期、枝が込んだところがよくわかるので、葉が出るまでに刈り込むか、野趣を出して枝抜き剪定します。強剪定すると勢いよく枝が伸びすぎるので、軽剪定でとどめます。肥料はほとんど必要ありません。病虫害は、若葉のころにアブラムシが発生することがあります。見つけたら補殺します。被害が著しいときには殺虫剤を散布します。

 

フジ

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【日当たり】日向を好む。つるがのびる部分が日向ならば、根もとは日陰でもよい

【土壌・土質】土質は特に選ばない

【植えつけ時期】植えつけと移植は12~3月が適期です

【開花期】4月中旬~6月

栽培のポイント

植えつけと移植は12~3月が適期です。庭に植えつける場合は日当たり、保水のよい場所を選びます。移植は根を切ることなく末端まで掘り出します。やせ地でもよく育ますが湿り気を好み、乾燥には注意が必要です。植えつける時には、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。花後に行う初夏の剪定は、余分な枝を整理して木の骨格を整え、樹幹部まで日光がはいるようにします。落葉後に行う冬の剪定は11月下旬~3月が適期で、つるや枝を整理することで、春にすっきりとした樹形が楽しめます。寒肥は、骨粉、油かすなどの有機質肥料を施し、開花後の夏は少なめに化成肥料を施します。病虫害は、コブ病、サビ病カイガラムシ、ハマキムシがときに見られるので、補殺したり、幹部を切除します。被害が著しいときは薬剤を散布します。

 

クレマチス

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質は特に選ばないが、乾燥しない水はけのよい場所を好む

【植えつけ時期】ポット苗を購入して、春植えします

【開花期】4~10月(一季咲き、四季咲き)、11~3(冬咲き)

栽培のポイント

ポット苗で流通しているため、植えつけ時期は特に限定されませんが、春植えが一般的です。移植は困難です。日当たりのよい場所に、完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、つるがあちこちにのびるので、余分なつるは整理し、誘引してまとめます。肥料は、冬期にリン酸カリ成分を多く含んだ寒肥を施します。病虫害は、ドクガやミノガ、ハマキムシなどは補殺し、根にネコブセンチュウが発生したら鉢植えは土ごと処分し、庭植えでは土を消毒します。乾燥するとハダニが発生するので、灌水して水切れに注意します。

 

ハマナス

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【日当たり】日向を好むが、暑さに弱い

【土壌・土質】肥沃な土壌を好むが、砂質土でも育つ

【植えつけ時期】植えつけと移植は葉が開く前の2~3月が適期です

【開花期】5~8月

栽培のポイント

植えつけと移植は葉が開く前の2~3月が適期です。植栽の場合は、砂地より壌土質の土壌を好みます。西日のあたらない、明るい場所に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、込んだ葉の整理と古い茎の更新を行います。肥料は、早春と花後に、油かす、鶏糞、骨粉を施します。病虫害は、まれにアブラムシが発生します。見つけたら補殺します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

ハナズオウ

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】水はけのよい肥沃な砂質土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は2~3月、10~11月が適期です

【開花期】4月

栽培のポイント

植えつけと移植は2~3月、10~11月が適期です。大きくなった木や古い木の移植は根まわしをしてから行います。日当たりのよい場所を好みます。日陰では花つきが悪くなります。元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、花が終わったら、のびすぎた枝や樹高が高くなりなりすぎた枝を、軽く切りつめる程度です。1~2月に寒肥として、油かす、鶏糞、化成肥料などを施します。病虫害は、アメリカシロヒトリが発生することがあります。見つけたら補殺します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

モクレン(マグノリア・ローヤル・クラウン)

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【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】土質をは選ばないが、肥沃な土地を好む。乾燥をきらう

【植えつけ時期】植えつけと移植は3~4月、10~11月が適期です

【開花期】3~4月

栽培のポイント

煙害や潮害にやや弱く、乾燥、強風、霜を嫌います。日当たりのよい肥沃な土壌に植えつけはます。3~4月、10~11月に、植え穴に完熟堆肥をすき込んで高めに植えつけます。移植はやや難しいのですが、根まわしをし、2~3月上旬までに行えば可能です。モクレン類はあまり剪定を好みません。1~2月に、からみ枝や込みすぎている枝、ふところ枝などの不要枝、徒長枝などを剪定する程度で樹形を保てます。1~2月に寒肥として堆肥、鶏糞を施します。病虫害は、カイガラムシがつきます。少ない場合は手でかき落とし、多い場合には、冬期にマシン油乳剤、石灰硫黄合剤などを散布します。

 

ライラック

【日当たり】日向を好むが、真夏の西日には弱い。耐寒性がある

【土壌・土質】水はけのよい土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは11~3月が適期です

【開花期】4~5月

栽培のポイント

植えつけは11~3月が適期です。敷きわらをして根もとを保護します。西日のあたらない、日向の場所に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、芽吹きが弱いので、込みすぎた小枝や広がりすぎた枝を剪定する程度です。暖地では不要枝以外ほとんど剪定しません。肥料は、早春と6月初旬に鶏糞、骨粉、油かすを施します。病虫害は、暖地ではカミキリムシの幼虫つくことがあります。発見したら補殺します。

 

アジサイ

【日当たり】半日陰を好むが、耐陰性は強い。セイヨウアジサイは日向でも生育する

【土壌・土質】やや湿った肥沃な土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけは暖地では11~3月の落葉期、寒冷地では発芽前の3~4月

【開花期】6~7月

栽培のポイント

西日の当たらない半日陰の場所を好みますが、陽光地にも耐えてよく育ちます。耐寒性はありますが、寒風の当たるところでは花芽が凍害を受けやすくなります。やや湿った肥沃な土壌を好みますが、セイヨウアジサイは水はけのよい土壌を好みます。植えつけは暖地では11~3月の落葉期、寒冷地では発芽前の3~4月が適期です。移植は暖地では2月、寒冷地では3~4月が適期です。元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、花芽が形成される9月中旬ごろまでに行います。肥料はあまり必要ありませんが、施肥を行うときは、チッ素過多にならないように気をつけます。病虫害は、まれに炭疽病、アザミウマ類が発生することがあります。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

ブッドレア

【日当たり】風通しのよい日向を好む。日陰地をきらうが、耐寒性がある

【土壌・土質】水はけのよい肥沃な土壌を好むが、乾燥にも強い

【植えつけ時期】植えつけは3月上旬~中旬が適期です

【開花期】7~10月初旬

栽培のポイント

水はけのよい日当たりの場所に、3月上旬~中旬頃に元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。移植は難しく、根まわしをしてから移植するようにします。剪定は、12月中旬~3月上旬ごろ、前年のびた枝を強く切り戻し、樹形を整えます。開花中は根もとから出るひこばえを取り除き、花がらを摘みとります。肥料は、生育旺盛なら不要です。やせ地では12~2月上旬に堆肥や鶏糞、6~7月下旬に油かすと化成肥料を与えます。病虫害は、なれにアブラムシ、テッポウムシがつきます。剪定で通風、採光を促します。

 

ハギ

【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】肥沃な土壌を好むが、やせた乾燥地にも耐える

【植えつけ時期】植えつけと移植は落葉期の11~3月が適期です

【開花期】5中旬~10月

栽培のポイント

日当たりのよい場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、ほとんど必要ありませんが、丈を高くしたくないときは、秋から早春に地上部を切りとり、根際から新梢をのばします。肥料もほとんど必要ありませんが、寒肥に鶏糞などを与えると、生育がよくなります。病虫害は、うどんこ病サビ病などが発生します。殺菌剤を散布します。

 

エリカ

【日当たり】日向を好む

【土壌・土質】水はけのよい土壌を好む

【植えつけ時期】植えつけと移植は10~12月、3~4月が適期です

【開花期】12~4月中旬

栽培のポイント

南アメリカからヨーロッパ原産のエリカ。暖地性で日本では栽培が難しいですが、ジャノメエリカ(クロシベエリカ)が日本の気候にあい、関東以西で庭木として植えられています。植えつけと移植は10~12月、3~4月が適期です。日当たりよい場所に、元肥として完熟堆肥をすき込んで植えつけます。剪定は、のびすぎた枝葉を剪定する程度で、水やりも夏の乾燥時期以外は必要ありません。肥料は、酸性土壌を好むので、数年に1回、ピートモスや堆肥を根のまわりに与えます。病虫害は、まれにアブラムシが発生することがあります。剪定によって通風と採光を促します。被害が著しい場合は薬剤を散布します。

 

まとめ

最近では、コンテナ栽培が流行っています。場所をとらず、苗木から育てても花が早く咲くのが人気の理由です。玄関先や庭を演出する仲間に入れてみてはいかがでしょうか。きっと心が華やかになりますよ。